早いもので、タイでクーデターが起きてから今日で１カ月となります。 全権を 掌握した
「国家平和秩序評議会」 議長のプラユット陸軍司令官は、反政府デモで半年以上に及んだ
混乱を 収束すべく、まずは 「経済立て直し」 と信頼回復に努めながら急いでいます。
同時に高級官僚も絡んだ汚職組織の壊滅にも注力していますネ。 金曜日の定例演説では
不法労働者を 組織する政治家も絡んだ違法斡旋組織の存在を 認めています。 この斡旋組織が
カンボジアやミャンマー、ラオスで人を 集め、１人あたり 20,000バーツを 支払わせたうえで
タイへの密入国の世話を しているとし、この斡旋組織の取り締まりを 明言しました。
アメリカはこうした実態を 「人身売買」 のカテゴリーとして認知しますので、アメリカ政府の
位置付けでは、タイは世界でも最悪レベルの “人身売買大国” とされているようです。
アメリカは、現在のタイの軍事政権への不信感が根強いことから、プラユット議長は、この辺も意識し
「軍政は 今まで手を つけられない部分まで、やっているよ」 とのアピールもあるかも知れません。
そして もう一つ、スワンナプーム国際空港に設置されているメーター・タクシースタンドも
タクシーのマフィアが暗躍しているとし、取り締まりの強化が始まったようです。
最近、空港公社の理事長が辞任しています。 彼はタクシン氏の長男であるパントンテー氏の
友人です。 この辞任の背景に取り締まりの強化が関係しているとの噂も流れ出ています。
タイの軍政が、こうした国内の不法組織の取り締まりに宣戦布告を するのは、たいへん結構な
ことですが、これでは警察の面子も丸つぶれです。 タイ人の友人は 「仕方ない。 今まで政権を
握った政治家が絡んで、警察幹部の人事も仲間だったから取り締まりなんて出来なかった」 と・・・
軍事政権の腐敗取り締まりには、タクシン派一掃の狙いがあるとみられています。 タクシン政権と
コネを つけたタイ国有企業の中心人物が続々と辞任していますネ。 空港公社はじめ、タイ石油公社、
クルン・タイ銀行などに及んでいます。 前政権の多数のプロジェクトなどにも待ったを かけています。
素人目からすると、タイの政治・経済がどんどん クリーンになっているような気がしますよネ。
プラユット議長は、大まかな誘導だけではなく、具体的に細かい指示まで出すのが良いですネ。
例えば、空港のタクシー問題。 部下に命じ、改善策を 検討させ、下記のような指示を 出しています。
１． 操車業務を コンピューターで管理し、不正な活動が行われてないかどうかを 監視する。
２． コンピューター管理によって、ハッキリとした乗車記録を 残す。
３． 短距離客を 乗せたタクシーは、次の客待ちの際に優先順位を 上げることで、運転手の励みとする。
４． 出国客を 乗せて到着したタクシーが、出国ロビー前で乗客を 乗せることも可とする。
こうした制度を 整えることで、タクシーのマフィアの壊滅と防止を するとのことです。
欧米から軍政そのものの批判は強いですが、そんなことよりタイ国が良くなればＯＫです。
なかなか、頼もしいプラユット議長です。
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