ナコンパトム県にあるトゥンノーイ一刑務所から昨日の午前2時過ぎに、9人の囚人が脱走
したというニュースが流れました。なんでも、弓のこ刃で牢獄の鉄枠を切断したといいます。
脱走した9人は18歳から43歳の囚人で、彼らの罪名は薬物が6人、窃盗・盗難が2人、暴行が
1人とのこと。 一部報道では、9人のうち二人は逮捕されたと報じられています。でも いかに
薬物関連での逮捕者が多いか、このようなニュースにも その実態が分かろうというものです。
<直ちに脱走者の顔写真が公開されました>
実はタイ国では、毎年「父の日」でもあるプミポン前国王の誕生日に大王恩赦が与えられており、
矯正局によると、今年は139,175人の囚人が、懲役刑の減刑恩恵を受けることになったようです。
22,000人の囚人が直ちに釈放され、9,100人の囚人が残りの刑期を仮釈放とか。その他の囚人は
何かしらの減刑に預り、刑期が短くなり、その何人かは 近年中に保釈されるのでしょうネ。
<二度と同じ過ちを犯さないように>
ただし、薬物関連の犯罪で有罪判決を受けた受刑者は、恩赦の恩恵を受ける事はできない
という決まりが … だからか、その9人の脱走犯に薬物関連の囚人が多いのかも知れません。
また、繰り返し犯罪を犯した受刑者、元々死刑判決を受け 既に恩赦で減刑を受けている
受刑者なども同様に、今回「父の日」の恩赦の恩恵を受けることはできないといいます。
恩赦が定期的に行なわれるのは、刑務収容所が一杯になっており、収容所が足りなく
なるほどの犯罪者が多いという事が裏付けられる背景があります。政府だって決して
恩赦が良いことだとは思っていないでしょうが、収容し切れない実態があるのでしょう。
しかし、結果的には「実刑が余りにも軽すぎる」ということになってしまいます。
今年は刑務所内で時折、新型コロナウイルスのクラスターが発生し、改めて全国の
刑務所が、いかに慢性的な過密状態が続いているか、クローズアップされました。
タイは世界で六番目に刑務所人口が高く、女性の囚人数は世界で最も高いといわれています。
受刑者の約77%が麻薬関連の犯罪者で、女性が多いことも周知され、タイの人達も驚きました。
タイの刑務所には 20年初めで、37万4,052人へと増加しており、収容できる受刑者は
政府の報告では15年時点で、約21万7千人と言われていました。その後、刑務所の拡張や
新刑務所の建造など聞きませんから、今では 大変な収容オーバーになっているのでしょう。
だから、収容者が恩赦されるという理由では、余りにも短絡すぎ、由々しき問題ですねぇ~
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