タクシン元首相・インラック前首相の兄妹がシンガポールに現れ、久々にマスコミを賑わしました。
どうやら5月3日から8日までシンガポールに滞在していたよう。チナワット家の家族も集合し、
一緒に写真を撮り、堂々とインスタグラムに投稿しています。 今日は久しぶりに政治の話です。
<投稿された家族写真>
二人が国外逃亡をしている主たる理由を振り返って見ると、タクシン氏は国外滞在中の
2008年、首相在任中(2001年~06年)に当時の妻が国有地を競売で購入したことで
禁錮2年の実刑判決を受け、以来 タイに帰国していません。もう10年になります。
インラック氏はインラック政権(11年~14年)が導入した事実上のコメ買い取り制度「コメ
担保融資制度」をめぐる汚職と巨額の損失を放置したとして職務怠慢などに問われ、タイ最高裁
判所から昨年9月、禁錮5年の実刑判決を受けた後、判決前の昨年8月に国外に脱出しています。
しかしユニークですネ。二人は上述の理由でタイ政府により国際手配されているんですが、
近年も英国、中国、日本、シンガポールなどを自由に行き来しているんですから。おそらく
他国の国際社会では、タクシン兄妹への実刑判決はタイの政治対立によるものという見方が
強いのでしょう、これまでのところ、各国政府は二人の逮捕や身柄引き渡しに応じていません。
今回、兄妹のシンガポール訪問の真の狙いは、来年2月に予定されている、総選挙に向けた準備と
打合せのようです。タクシン派政党プアタイ(タイ貢献党)の幹部、前下院議員らとも会談しています。
<タイ貢献党(ブアタイ)は、タクシン元首相が創設したタイ愛国党の流れを汲む
政党で、党幹部はいまだに元首相とインラック前首相との関係が深いとされています>
当人たちは、“挨拶をしてきただけ” と説明していますが、次期総選挙対策が話し合われた
のでしょう。家族との堂々とした写真撮影は、“そのカモフラージュだ” との憶測が飛んでいます。
“挨拶をしてきただけ” と言わざるを得ません。タイの新憲法では、政党が党外からの意見を取り
入れて活動することを明確に禁じています。これは、国外逃亡中で政党の党員になれないタクシン・
インラック兄妹の影響を断じるためのものであり、誰もが知っている 見え見えな禁じ事項です。
これに違反した場合、政党は解党処分を受ける可能性があり、また違反した政治家には禁錮5~10年、
罰金10~20万バーツの処罰に加え、被選挙権が失われ、政治家として職を失うことになります。
シンガポールで二人で会うということは、この処罰を受ける危険性をはらんでいます。でも
リスクを冒してまで会って相談しなければならないということは、タクシン派のブアタイ党は
総選挙対策がまとまらない、打開策を見いだせないでいる、ということなんでしょうか。
10カ月を切った総選挙に向けて、政治の “きな臭い動き” が漂ってきています。
プラユット首相と他の政党の動きは、明日に続きます ・・・
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1957年の独立以来、与党支配が続いたマレーシアで、初の政権交代が実現しました。
賄賂・腐敗政治が続いたナジブ政権(嫁はイメルダに例えられている)に国民がNOを突きつけました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30292370Q8A510C1000000/
東南アジア10か国で、民主主義が機能してるのは、わずかにマレーシアとインドネシアであることが証明されました。
他の国々は表面上は普通選挙をやっていても、内実は民主主義とは言えないレベルであり、カンボジアのように政敵を逮捕してしまうような国すらあるのが実情です。
勉強になります。今後も宜しくお願いします。