タイ政府は1日の閣議で、蒸留酒、ビール、たばこの物品税引き上げ草案を承認しました。
見込まれる税収増40億バーツ(約133億円)の財源は、低所得層の高齢者手当に充てるとか。
財務省によると現行の高齢者手当は、60代が月額600バーツ、70代が700バーツ、80代が800バーツ、
90歳以上が1,000バーツとなっていますが、60歳以上の高齢者人口は約1,073万人で、うち
約800万人が受給していると聞きます。政府は毎年、総額700億バーツを支給しているとのこと。
総人口に占める60歳以上の割合は、2015年の約16%から25年には20%以上に上昇する
見通しですし、物価も騰がります。財務省は一定の生活水準を維持するためには月1,200~
1,500バーツ必要と考えているようですから、財源はいくらでも必要でしょう。
ユニークで大胆にもタイ政府は酒・たばこ税を”罪悪税”と呼んでいることです。「悪い
モノから増税して文句あっか!」って感じでしょうか ・・・ さすがタバコや飲酒にうるさい
お国柄でもありますが、これは日本の政府も見習いたいことかも知れません(苦笑)。
国連は人口に占める65歳以上の比率が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、
21%を超えると超高齢社会と定義していますが、タイは高齢化社会から超高齢社会への移行の
スピードが、日本に負けないくらいに速くなっていることは、かなり知られてきている現実です。
日本ではアジアの人口構成は若者が多いというイメージを持っている人も多いんですが、
とんでもないことで、第二次世界大戦後あたりから現在に至るまでの状況が国によって
かなり異なるため、国別で見るとその人口構成には大きく差が出ていますネ。
昨年年6月、タイ国家統計局から出された、上記の「アセアンの高齢者人口 2015」から
わかることは ・・・
国別人口ランキングでタイが4位入っています ・・・
1位 インドネシア 2億5,756万人(アシアン全体の40.73% を占める)
2位 フィリピン 1億70万人
3位 ベトナム 9,345万人
4位 タイ 6,796万人
しかし、国別高齢者(60歳以上)の割合ではタイは2位と高い国になっています。
1位 シンガポール (17.86%)
2位 タイ (15.79%)
3位 ベトナム (10.28%)
一般的な高齢者の基準とされる「65歳以上」の人口割合の過去と予想数値が下記の表です。
タイとシンガポールは2015年の時点で既に「高齢化社会」に入っていますネ。
タイは、2030年には高齢化率が20%近くとなり「高齢社会」に、そして2050年には
その割合が30%を超え「超高齢社会」を迎えると予想されています。 これは一大事です。
もう少し高齢化社会の話 続きますが、長くなりますので明日に ・・・
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タイの出生率は日本と同じ「1.5」前後であり、バンコクの出生率は「0.8」と超深刻な状況です。
高学歴で裕福な女性たちが子供を産みたがらないと言うのが実情です。
アセアンでは、タイ以外の国々(ブルネイ、シンガポール、ラオスのように人口が1000万人未満の国は除く)は、人口構成が若く、経済的には「人口ボーナス期」で経済成長が期待されるのに、タイだけが少子高齢化で経済成長は終わりました。
まるで、日本と同じレールに乗っているようです。
ただし、タイの少子高齢化が問題なのは、タイが先進国になる前に「人口オーナス期」に入ってしまったということです。富める前に高齢化社会に移行すると、(老人)社会福祉費用を賄うのが難しいのです。
タイでは、国民間の経済格差が大きく、富裕層と貧困層の対立が激しくなり、政治的な衝突が20年近く続いています。
たばこ税・アルコール税だけでなく、固定資産税、相続税(贈与税)など、富の再分配機能を高める税制にしないと、社会の混乱は果てしなく続くことになります。
https://www.dir.co.jp/library/column/20170220_011731.html
日本の中高年男性から「天国」と崇められたタイ王国ですが、既に終わったようですね!