以前日経の書評で高評価だった『吉原手引草』を読んでみました。
吉原一の人気を誇る花魁「葛城」失踪事件の真相を調査すべく、一人の男が次々と関係者に話を聞いて回るというお話。タイトルが『吉原手引草』となっているだけあって、本書を読み進めるだけで単なる性産業ではない吉原の文化が理解できます。1冊を通して会話相手のみが一方的に喋り続ける文章は、落語の会話部分のみをずっと聞いているかのような感じがして新鮮でした。吉原の成熟した世界観を表現するためにはちょうど良い文体なのでしょう。
ただ、日経の書評には泣ける感動話のような記載があった記憶があるのですが、僕の感覚では古典芸能らしいオチが付いているといったところですね。最近流行りの落語のように、後味のすっきりとした話もたまには悪くありません。
吉原一の人気を誇る花魁「葛城」失踪事件の真相を調査すべく、一人の男が次々と関係者に話を聞いて回るというお話。タイトルが『吉原手引草』となっているだけあって、本書を読み進めるだけで単なる性産業ではない吉原の文化が理解できます。1冊を通して会話相手のみが一方的に喋り続ける文章は、落語の会話部分のみをずっと聞いているかのような感じがして新鮮でした。吉原の成熟した世界観を表現するためにはちょうど良い文体なのでしょう。
ただ、日経の書評には泣ける感動話のような記載があった記憶があるのですが、僕の感覚では古典芸能らしいオチが付いているといったところですね。最近流行りの落語のように、後味のすっきりとした話もたまには悪くありません。
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