当方見聞記

旅と舞台・ライブ話を気ままに書いてます

臥龍山荘

2010年09月16日 | 日記
城と言えば、庭園がつきもの

伊予大洲には、城からちょっと離れた場所になりますが、『臥龍山荘』があります。

川から階段であがってこれるようになっています。

臥龍山荘は、元は藤堂高虎の家臣の渡辺勘兵衛が造営した庭でしたが、自然のままの荒れた状態となり、明治になってから貿易商の河内寅次郎が築いたものが現在の臥龍山荘になります。

 
臥龍院。中は撮影が禁止なので、お庭だけ

ここは本当に贅沢な造りです
玄関部分を含め4つの部屋で構成されているのですが、1つ1つの趣向が凄い
なにせ参考にしたのが、京都ですよ、離宮ですよ。しかも四季を取り入れています

まずは玄関。迎礼の間。
ここは春。茶室の侘び寂び感をだしている、質素に“見せかけている”玄関です

次に入る間は『清吹の間』。ここからはちゃんと部屋になります。
ここは夏
欄間の透かし彫りが川に花が流れている感じの彫で、繊細で本当に綺麗でした
障子に映るのがまた丸みを帯びたとでもいうか…温かな雰囲気で。
この建物の中で一番惚れ惚れしたポイントです

↑これは欄間を外から撮ったんですが…わかるかなぁ???
あと、神棚も独特。西側の窓の上全面に神棚があります。
神棚ってより、本気神社がいる感じ。八坂ですかね、あれは。
天井を高くして、広々感だけでなく風通しを良くしている部屋で、床も籐で出来ていて目に見ても涼やか
この部屋は修学院離宮を手本にしているようです。

次の間は『壱是の間』。
ここはもっとも格式の高い部屋。中への立ち入りはできません。
秋演出の部屋で、桂離宮を手本にしています。
桂離宮は1・2年前に行っているので、すぐの察しがつきましたよ
あの質素贅沢な繊細な造り。
なんかね~神経質っぽくない造りに見せかけて神経質なバランスなの。
壁の色も独特な青みがかった色だしね。
この部屋は畳をあげれば能舞台にもなる造り。面白がってではなく、ちゃんと利用するためのものなので、反響音効果の工夫もされています
これぞ贅ある発想ですよね~
それと畳の目にも注目とんでもなく細かい通常の畳の倍だそうです。

最後は『霞月の間』。
冬を演出した部屋で、なんか土の温かみを感じる色合いの部屋。
ここには違い棚があって、これは大徳寺玉林院の小堀遠州の棚を真似たものだとか。
ちょっとシャレた贅沢な建物に違い棚ってあるイメージがありますねぇ
ここの廊下がすごいんです。
通常の床板のように細い板を並べた造りと見せかけて、仙台松の1枚板に、わざと縦線を彫って床にしているの。
すごすぎる
これ、従業員の方に言われなかったら見落としていたと思うよ…
それくらい精巧なの

その後は庭を歩いて奥へ。
庭もすごいんです
石畳とか、わざといろんな石使っているの。その種類がすごい
そしてコケ。簡単に生息しないコケがあったりするんですよ、ここ。

一瞬ただ茂っているようにしか見えない場所でも、じっくり見ているとそうじゃないのがわかります。自然荒廃を演出しているの?みたいな。

  
一番奥にある不老庵。
ここから川が一望できます。
景色はもちろん、屋根の曲線美が綺麗で
この建物は川につきだした造りなんです。

高さわかる??感覚では清水の舞台みたいな感じ。
しかも、自然に生えている槇の木を使った『捨て木』を軸に建てられているんです。

この柱わかります?枝ものびていて、この枝、部屋の窓から外の景色のひとつとして見えるの
外出て、これかよなりました

この庭は本当にすごかったです
たぶん何回行っても新しい発見するんだろうな思います。
ここはぜひ大洲に行ったら寄ってほしいですね~
質素っぽいのに想像を超えまくる贅沢さ日本人の感性が研ぎ澄まされたお庭でした