猫面冠者Ⅱ

主に東洋大学を中心に野球・駅伝などの記録・歴史・エピソードなどなど…。

東洋大学の全日本大学野球選手権戦績Ⅲ:平成3年・平成7年

2009-06-06 23:10:00 | インポート
第40回:平成3年(91) 四回目:初戦敗退

6月11日 一回戦
仏教大000 003 040  7
東洋大100 002 000  3
(仏)丸尾・新谷-河合
(東)和田・銭場・関口・岡崎-杉本・佐久間
本塁打:松井(仏) 三塁打:辻本(仏) 二塁打:杉本・清田(東)月城(仏)
仏教大 東洋大
(二) 辻本 5 2 1 (中) 石村 4 0 0
(中) 上岡 3 0 0 (二) 西岡 4 3 0
月城 1 1 0 (三) 桧山 5 0 0
山本 0 0 0 (捕) 杉本 4 1 1
村上 1 0 0 佐久間 0 0 0
(一) 松井 4 2 2 池葉 1 0 0
(右)中 吉田 3 1 0 (左) 丸塚 2 0 0
(三) 畝川 4 0 1 関口 1 0 0
(左) 新井 4 1 3 岡崎 0 0 0
(遊) 永井 3 0 0 谷川 1 0 0
(捕) 河合 2 0 0 (右) 出原 3 0 0
(投) 丸尾 2 0 0 (一) 中野 4 2 0
新谷 1 0 0 (遊) 明比 2 2 0
(投) 和田 2 0 0
銭場 0 0 0
清田 1 1 2
走左 田中 1 0 0
33 7 7 35 9 3

仏教 5 5 1 0 5 東洋 9 5 1 0 11

丸尾 5 2/3 8 3 和田 5 2/3 3 2
新谷 3 1/3 1 0 銭場 1/3 2 1
関口 1 1/3 2 1
岡崎 1 2/3 0 0


「気力で負けました」と東洋大の高橋監督は言った。リーグ開幕前には打力先行が言われながら、投手陣の予想外の奮起で東都を制した東洋大。だが、「当たってくだけろ」(瀬沢監督)といわんばかりに向かってくる仏教大選手の気迫にはかなわなかった。・・・中略・・・登板するやいなや本塁打を浴びた銭場は「相手は思い切り振ってきた。得意のスライダーを投げる前の直球を打たれた。ぼくの出来が大誤算だったと思う。(全国で)東都が一番強いと思っていたのに、ちょっと恥ずかしい」とポツリ。
「仏教大のあの勢いが、リーグ戦でのうちの姿だったんです」と高橋監督。リーグ優勝さえ「夢」だった選手たちにとって、同大会に出ればいやおうなくつきまとう「東都代表」の看板が予想外に重かったことを、ほのめかしていた。
(『朝日新聞』平成三年六月十二日付朝刊)



第31回:平成7年(95) 五回目:準決勝敗退

6月12日 一回戦
熊本工大000 000 000  0
東 洋 大000 000 10X  1
(熊)庄司-佐伯
(東)和田・塩崎-岡本
二塁打:今岡・清水晶(東)島谷(熊)
熊工大 東洋大
(二) 島谷 4 2 0 (遊) 今岡 3 2 0
(遊) 田口 4 0 0 (三) 川中 3 0 0
(捕) 佐伯 4 0 0 打二 金田 1 0 0
(三) 岩永 4 1 0 (中) 井上 4 0 0
(右) 宗実 3 0 0 (右) 清水隆 3 0 0
(指) 村田 2 0 0 (一) 小山 1 0 0
(左) 3 0 0 打一 深瀬 2 0 0
(一) 緒方 3 0 0 (左) 古川 2 0 0
(中) 平田 3 0 0 (指) 清水晶 2 1 0
(二) 酒寄 1 0 0
打三 増田 1 1 1
(捕) 岡本 1 0 0

30 3 0 24 4 1

熊工 12 2 0 1 5 東洋 5 5 3 0

庄司 8 4 1 和田 6 2 0
塩崎 3 1 0

6月16日:準々決勝
関東学院大100 000 020  3
東 洋 大410 010 01X  7
(関)岡戸・田崎・高井-金原・小林
(東)倉・佐藤・塩崎-岡本
本塁打:岡本(東) 二塁打:古川・岡本(東)
関院大 東洋大
(中) 金子 3 1 0 (遊) 今岡 3 1 0
(二) 沢田 2 0 0 (三) 川中 1 0 0
小櫃 0 0 1 (中) 井上 4 1 1
走二 山口 0 0 0 (右) 清水隆 4 1 0
(三) 渡辺勲 3 1 2 (一) 市原 0 0 0
(右) 須藤 4 1 0 小山 1 0 1
(左) 4 2 0 打一 深瀬 1 1 0
(指) 鹿児島 4 0 0 (左) 古川 4 2 3
(一) 稲元 3 0 0 (指) 清水晶 4 1 0
森笠 1 0 0 走指 小屋 0 0 0
(捕) 金原 1 0 0 (二) 酒寄 1 0 0
山ノ口 1 1 0 打二 増田 1 0 0
都甲 0 0 0 打二 池葉 2 0 0
小林 0 0 0 (捕) 岡本 4 2 1
(遊) 門岡 3 1 0
29 7 3 30 9 6

関院 8 3 2 2 4 東洋 5 6 0 3 5

岡戸 0 0 2 6 3 1
田崎 6 5 4 佐藤 1 1/3 4 2
高井 2 4 1 塩崎 1 2/3 0 0

6月18日:準決勝
東北福祉大020 000 100 01  4
東 洋 大110 010 000 00  3
(福)松・門倉-小野
(東)塩崎・小野・倉・佐藤-岡本
二塁打:川中・井上・今岡(東)
東福大 東洋大
(右) 仲村 4 1 0 (遊) 今岡 6 2 0
(左) 及川 5 1 0 (三) 川中 5 1 0
(捕) 小野 5 0 0 (中) 井上 5 1 0
(中) 菅原 5 2 0 (右) 清水隆 4 4 1
(指) 岩永 3 0 0 (一) 小山 5 1 0
打指 伊藤 1 0 0 深瀬 0 0 0
打指 宝藤 0 0 0 (左) 古川 3 0 0
走指 野々村 0 0 0 小屋 2 1 0
(二) 美甘 4 2 1 徳田 1 0 0
(一) 宮沢 3 0 0 (指) 池葉 3 2 1
(三) 青木 4 2 1 走指 川本 0 0 0
(遊) 荒田 4 0 0 (二) 酒寄 4 0 0
(捕) 岡本 4 1 1
38 8 2 42 13 3

東福 6 2 1 0 4 東洋 14 6 3 0 15

2 4 2 塩崎 2 1/3 2 0
門倉 9 9 1 小野 4 1/3 4 1
3 2/3 2 1
佐藤 2/3 0 0


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東洋大学の全日本大学野球選手権戦績Ⅱ:昭和61年(初優勝)

2009-06-06 23:06:00 | インポート
第三十五回:昭和61年(86) 3回目:初優勝

6月10日:一回戦
東 洋 大201 021 001 2  9
北海道東海大013 000 300 0  7
(東)日野・弘田・中村・保坂・小美濃-森
(北)狩野・伊藤・萩原・井上-後藤
本塁打:熊坂(北)二塁打:内藤・忍成2・森(東)狩野・片岡・橋本2・熊坂・角谷(北)
東洋大 北東大
(中) 内藤 4 3 0 (中) 角谷 4 2 1
(二) 松本 1 0 0 (右) 片岡 4 1 0
打二 山下 1 0 0 (三) 橋本 5 3 2
(右) 忍成 5 3 3 (遊) 熊坂 4 2 2
(三) 田中泰 4 1 2 (左) 高橋 1 0 0
(捕) 6 1 1 打左 東城 2 1 2
(左) 守永 5 2 1 (一) 惟村 2 0 0
(一) 糸賀 0 0 0 打一 山口 2 0 0
蛇嶋 2 0 0 鈴木 1 0 0
(遊) 蛭田 3 0 1 (捕) 後藤 5 1 0
(投) 日野 1 0 0 (投) 狩野 1 1 0
弘田 0 0 0 伊藤 1 0 0
中村 0 0 0 岡野 1 0 0
赤堀 1 0 0 萩原 1 0 0
保坂 1 0 0 井上 0 0 0
前原 1 0 0 堅田 1 0 0
小美濃 1 0 0 (二) 杉本 4 0 0
36 10 8 39 11 7

東洋  4 11 4 1 12 北東 8 4 1 0 7

日野 2 2/3 4 3 狩野 3 3 1
弘田 0 2 1 伊藤 4 4 3
中村  1/3 0 0 萩原 1 1/3 1 1
保坂 4 3 0 井上 1 2/3 2 2
小美濃 3 2 0

死に体だった
土壇場で追いつき、延長の末やっと勝っただけに東洋大・佐藤監督は苦笑いの連続。「相手(北海道東海大)の三、四番はいいと思ったが、その一年生(四番)に本塁打され、気負からかおかしくなってしまった。負けていた試合でした。五時起きして調子もよくなかったようだが、これで選手も締まるでしょう」
(『朝日新聞』昭和六十年六月十一日付朝刊)



6月12日:準々決勝
東洋大000 201 102  6
福山大000 000 000  0
(東)保坂-森
(福)細川-木村
本塁打:森(東)二塁打:忍成2・守永(東)
東洋大 福山大
(中) 内藤 4 1 1 (三) 三沢 3 0 0
(二) 松本 4 1 0 大野 1 0 0
前原 1 1 0 (中) 松岡 3 1 0
柿久保 0 0 0 神垣 1 0 0
(右) 忍成 5 2 2 (二) 西村 3 1 0
(捕) 5 3 2 (三) 梶山 3 0 0
(左) 守永 3 1 1 (遊) 前田 3 0 0
(一) 赤堀 4 0 0 (一) 大宮 2 1 0
(三) 山下 3 1 0 (捕) 木村 3 0 0
(遊) 蛭田 4 0 0 (投) 細川 3 1 0
(投) 保坂 4 1 0 (右) 池田 3 0 0
37 11 6 28 4 0

東洋  6 3 1 0 8 福山 7 1 0 0 2

保坂 9 4 0 細川 9 11 5

6月14日:準決勝
東洋大000 010 021  4
八幡大100 000 001  2
(東)保坂-森
(八)奥村-島袋
本塁打:田中(東)木本(八) 二塁打:山下・森(東)
東洋大 八幡大
(中) 内藤 4 1 0 (二) 新田 4 0 0
(二) 前原 4 1 0 (捕) 島袋 4 3 0
松本 0 0 0 (一) 花田 4 1 0
(右) 忍成 3 1 0 (中) 太田勇 4 0 0
(捕) 4 1 1 (左) 木本 4 2 2
(左) 守永 4 1 1 (右) 西村 3 0 0
(一) 山下 4 2 0 (三) 山田 3 0 0
(三) 田中 4 2 1 (投) 奥村 3 0 0
(遊) 蛭田 4 1 1 (遊) 梶原 2 0 0
(投) 保坂 4 0 0
35 10 4 31 6 2

東洋  3 1 0 1 5 八幡 9 2 0 1 4

保坂 9 6 2 奥村 9 10 3


*準決勝第二試合:流経大3-2法大


奇 跡
法大を破った流通経済大の太田垣監督は「奇跡、夢です。夢がかないました」と声をふるわせた。法大は「練習相手にもなってもらえない格上のチーム」(太田垣監督)。だから勝てるとは「最後の最後まで考えなかった。選手一人ひとりを見たら格が違いますよ。ただ元気を出せ、いい顔をして野球をしろ、とだけいい続けた」そうだ。・・・中略・・・決勝の相手は「いつもオープン戦で胸を借りている」という東洋大だ。今春は0-6、五回降雨コールド負けしている。しかし、選手は「いいグラウンドなので力以上のものを出している」(同監督)と、控えめだが勢いに乗っている。・・・・・
当 惑
「まいったねえー」と三度目の決勝進出を果たした東洋大の佐藤監督はびっくり顔。というのも相手はてっきり法大と思っていたからだ。流通経済大の太田垣監督とは旧知の中で、再三オープン戦もしている間。「やりにくい。負けたらなんて言われるか。こうなったら優勝しかない」と初の栄冠に意欲を見せていた。
(『朝日新聞』昭和六十一年六月十五日付朝刊)


6月15日:決勝
流通経済大000 002 000  2
東洋大133 000 20X  9
(流)山本・八野田・三沢-寺田庄
(東)保坂-森
本塁打:山下(東) 三塁打:内藤・森(東) 二塁打:小菅・伊藤・寺田憲(流)

流経大 東洋大
(中) 小菅 4 1 0 (中) 内藤 4 1 2
(二) 鎌田 5 2 0 (二) 前原 1 0 0
(左) 茂木 5 1 0 松本 3 0 0
(右) 5 2 0 (右) 忍成 3 0 0
(捕) 寺田庄 5 0 0 (三) 田中 4 1 0
(一) 佐藤 3 0 0 (捕) 4 2 2
(三) 寺田憲 4 2 0 (左) 守永 3 1 1
(投) 山本 1 1 0 (一) 山下 3 2 2
八野田 2 1 2 (遊) 蛭田 3 2 0
和田 1 1 0 (投) 保坂 4 0 1
三沢 0 0 0
(遊) 伊藤 4 2 0
39 13 2 32 9 8


流経 4 3 0 0 13 東洋 4 5 1 0 5


山本 1 2/3 3 3 保坂 9 13 2
八野田 5 1/3 6 5
三沢 1 0 0

1回の攻防すべて「吉」
一回の攻防がことごとく「吉」と出て快勝。攻撃野球の「打の東洋大」にふさわしいフィナーレだった。
まず守り。エースの保坂が長短打を浴びいきなり無死一、三塁のピンチ。流通経済大には、法大を破ってきた勢いが残っていた。だが、押せ押せで攻めてくる流経大のヒット・エンド・ランのサインを見破り、投球を外角にはずし、二塁走者を刺して、苦境を脱した。
その直後の攻撃。今度は東洋大・佐藤監督が頭をかかえこんだ。一死一、二塁。田中の打球が三塁手前に上がった時のこと。西太立目球審の右手は高々とあがって「インフィールドフライ」を告げていた。ところが、投手左後方まで前進した三塁手が落球、この瞬間、走者は一斉にスタートした。「危険をおかしての進塁」は、ルールで認められている。だが、走者が二、遊間を走っているころ、三塁手は打球を拾いあげていた。
「何をしとるんだ、と目をつむりましたよ」と佐藤監督。ところが、流経大守備陣も慌てた。打者走者が、打ち上げた瞬間アウトになっているから、タッチプレーをしなければならない。ところが、三塁手の送球を受けた遊撃手は走者へのタッチを忘れ、三塁ベースタッチだけで、転送してしまった。二、三塁ともセーフ。このあと、森の投手強襲安打が出て、1点を先行した。・・・中略・・・流れは一気に東洋大へ。その後は、「打の東洋大」の本領を発揮、豪快に打ち勝った。監督十五年目。東都リーグ優勝五度。そして三度目の挑戦でついに宿願の日本一。「今朝も八時から練習してきた。努力はむくわれた」としんみり。しかし、勝利の余韻に酔ってばかりはいられない。この後の日米大学野球選手権の監督就任が決まり、「次は世界一」を目指す。

森主将「うそみたい」
東洋大の主将森はPL学園時代の選抜大会優勝に続く、大学日本一。「本当についてる。うそみたい」。優勝の瞬間は「ぼーっとしてしまった。大学の日本一は喜びが違う。僕たちの時代に監督さんを全日本の監督にできたのが何よりうれしい」とこぼれんばかりの笑み。
(『朝日新聞』昭和六十一年六月十六日付朝刊)



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東洋大学の全日本大学野球選手権戦績Ⅰ:昭和57年・昭和60年

2009-06-06 22:56:00 | インポート
第31回:昭和57年(82)初出場:準優勝

6月5日:一回戦 観衆:八千
九産大000 000 001  1
東洋大000 200 20X  4
(九)大畑-大久保
(東)仁村徹-杉本泰
本塁打:長堀(東) 二塁打:土井・大畑(九)大西・杉本泰(東)
九産大東洋大
(中)松浦(右)長堀
(右)宮本(二)中村
(一)早川福田治
井田走左谷田
(左)和島(中)大野
玉木(一)岩野
(投)大畑(三)大西
(二)前島(遊)山口
磯村(捕)杉本泰
(遊)石田(左)川合
(捕)大久保打左市川
(三) 土井下岡
(投)仁村徹
30612874

 
九産東洋
大畑32 仁村徹34
盗塁:九3東4

くせ見抜き4盗塁
今大会ナンバーワンの呼び声が高かった九産大のエース大畑が、早くも姿を消した。威力十分の直球と大小二種類のカーブで、福岡六大学リーグでは通算四十二勝、79イニングで94奪三振、今季は完全試合一つなどリーグの記録を更新してきた。この日も序盤は東洋大を抑えたが四回、重盗を含む4盗塁でかき回され、2点を失った。
「けん制したんですが、スキをつかれた。打たれて負けたという気がしない」と残念そう。東洋大の佐藤監督は「大畑君の首を見ていてくせがわかり、二塁走者を走らせた」。鋭い観察力が勝った。
(『朝日新聞』昭和五十七年六月六日付朝刊)


6月7日:準々決勝 観衆:二千
八幡大000 000 000 0
東洋大000 100 00X 1
(八)合原-山上
(東)佐藤・仁村徹-杉本泰
二塁打:杉本泰・角田(東)
八幡大東洋大
(一)川崎 3 10(右)長堀300
野上000(二)山崎300
打一椎葉 1 00 (中)大野 420
(右)梅崎310(一)岩野210
富永 100(三)大西4 10
(遊)中津留400(遊)山口410
(左)山田400(捕)杉本410
(捕)山上 3 00(左)角田321
(三)岡本 3 00打左谷田1 0 0
(中)小林310(投)佐藤200
(投)合原200仁村徹100
(二)高柳310
30403181
八幡 40104東洋 641011
合原831 8 1 佐藤7 2/32740
仁村徹1 1/3400


6月8日:準決勝 観衆:五千
中京大000 000 001  1
東洋大000 200 20X  4
(中)渡辺・小野・馬杉-畠山・末岡
(東)仁村徹-杉本
二塁打:大西(東)
中京大東洋大
(中)小川300(右)長堀410
(二)河津 310(二)福田泰000
浮田 1 10二山崎200
寺迫0 00打福田治 100
逆瀬川000二中村 100
(一)大藤301(中)大野 420
(左)真野 4 10(一) 岩野311
(右)近藤 300(三)大西222
三宅100(遊)山口300
(三)遊宮地400(捕) 杉本泰310
(遊)白木 300(左)田中000
中山00 0左角田 100
(捕)畠山 1 00打左市川 2 00
末岡22 0左 谷田 0 00
(投)渡辺 000(投) 仁村徹3 00
馬杉1 00
小野0 00
久保220
31 71 2973
中京 81105東洋 7 2003

渡辺21052仁村9 3371
小野 1/3 421
久保5 2/31700
盗塁:中1東2 失策:中1

6月9日:決勝 観衆:二万五千
法政大000 001 002  3
東洋大000 010 001  2  
(法)田中-木戸
(東)野崎・仁村徹-杉本泰
本塁打:木戸(法) 三塁打:山口(東) 二塁打:山口(東)銚子(法)
法政大 東洋大
(中)伊吹3 20(右)長堀410
100(二)山崎300
田辺000(中)大野400
(二)山中40 0(一)岩野4 00
(左)西田 3 00(三)大西400
(捕)木戸 211 (遊)山口320
(一)小早川410(捕)杉本泰421
(三)銚子432(左)角田411
(右)手嶋300(投)野崎 200
梅山100仁村徹 100
(遊)神長 300
(投)田中 200

3073 3362
法政 54105東洋 82036
田中93562 野崎62341
仁村徹31232
盗塁:法1東1

○・・日本一の対決は、投打の最高の技をつくしてのもので、見る者をたんのうさせてくれた。
強力打線の法大は、今大会初登板の左腕野崎にてこずった。ゆっくりしたモーションからのコーナーワークに連打が出ない。しかし、六回二死後、木戸が1-1後の真ん中高めの球を本塁打し、1-1に追いついた。この一振りは、不安感を抱いていたかもしれない法大ナインに何よりの活力剤となった。
七回から東洋大は、下手投げのエース仁村が救援、力の田中と技の仁村の投げ合いで試合は緊迫した。東洋大は七回に一死一、三塁の勝機をつかんだ。ここで五回に先制点をたたき出した角田に、またも強打させたが一ゴロ。それでも二死二、三塁と好機は続いた。だが、仁村の右翼ポール際を襲う大飛球(邪飛)は梅山に好捕された。
クライマックスはどたん場の九回に訪れた。法大は一死一、二塁の好機。銚子はファウルで粘り、内角シュートを三塁側にたたきつけて二者をかえした。バットをひと握り短く持って鋭い振りに徹した成果だ。東洋大もその裏、山口の右中間三塁打を生かして一点を返したが、むなしかった。

「涙雨かな」ぽつり
「選手もわたしも精いっぱいやりました」。惜敗した東洋大の佐藤監督は試合後、自らにいい聞かすようにいった。「仁村も最後に打たれはしたが、よく投げてくれた。野手も持ち味を出し切ってくれた。負けたのは力の差。九回に1点を返し、最後まであきらめずに頑張ってくれた選手に感謝しています」
ただ、同監督がちょっぴり残念がるのは、クリーンアップ・トリオの不振。
インタビューの途中で土砂降りの雨になった。それまで悔しさを隠していた同監督が、ポツリとつぶやいた。「涙雨かな」
(『朝日新聞』昭和五十七年六月十日付朝刊)



第34回:昭和60年(85)二回目 準優勝

6月12日:一回戦
東洋大004 021 01  8
徳山大000 100 00  1
(東)北島・日野-森
(徳)寺田-藤田
二塁打:黒川・内藤2・田中泰(東)藤田(徳)
東洋大徳山大
(右)黒川 420(中)東江2 00
(中)中川 1 00渡辺1 00
(左)内藤 3 22(二)胡井400
(捕) 5 3 3 (遊) 森田 4 0 0
(三) 田中泰 3 2 2 (左) 最上 3 0 0
(二) 松本治 3 2 0 (一) 山根 3 1 0
阿波連 0 0 0 (三) 上村 3 1 0
山下 1 0 0 (捕) 藤田 2 1 1
(一) 若林 1 0 1 (投) 寺田 3 0 0
福島 1 1 0 (右) 草場 1 1 0
(遊) 蛭田 2 0 0 打右 北岡 2 0 0
守永 1 0 0
島沢 0 0 0
中田 1 0 0
松本康 0 0 0
(投) 北島 2 0 0
日野 2 0 0
30 12 8 28 4 1

東洋  7 8 4 0 10 徳山 5 0 2 1 5

北島 3 2/3 4 0 寺田 8 12 8
日野 4 1/3 0 0
盗塁:東4 失策:東2

6月15日:準々決勝
創価大000 200 000  2
東洋大001 120 00X  4
(創)森-大塚
(東)日野-森
本塁打:黒川(東) 二塁打:森(東)深沢(創)
創価大 東洋大
(中) 河野勉 3 0 0 (中) 中川 4 1 1
(二) 沢田 4 3 0 (遊)二 阿波連 2 0 0
(三) 谷村 4 0 0 (左) 忍成 4 1 0
(右) 安斉 4 1 0 竹内 0 0 0
(捕) 大塚 4 2 0 (捕) 4 2 1
(一) 深沢 4 2 2 (右) 山下 1 0 0
(投) 4 1 0 黒川 1 1 2
(遊) 菅原 2 0 0 (二) 前原 3 0 0
(左) 小ノ沢 0 0 0 蛭田 0 0 0
小田一 1 0 0 (三) 田中泰 3 0 0
(投) 日野 4 1 0
(一) 島沢 3 1 0
30 9 2 29 7 4

創価 5 2 2 0 5 東洋 2 5 1 1 7

8 7 4 日野 9 9 2
失策:創1

初本塁打が決勝打
どちらかといえば守備の男だった東洋大の黒川が五回、決勝の2点本塁打をたたき込んだ。「真ん中高めのカーブ。四年間で初めてですが、打った瞬間入ったと思った」とにっこり。上尾高時代に甲子園経験を持ち、「勝負強さを売りものにしている」という黒川の本領発揮だ。
(『朝日新聞』昭和六十年六月十六日付朝刊)


6月17日準決勝
九州東海大000 000 000 0  0
東 洋 大000 000 000 1x  1
(九)松永-得津
(東)北島・日野-森
三塁打:島沢(東) 二塁打:黒川(東)
九東大 東洋大
(中) 池松 4 0 0 (中) 中川 5 1 0
(二) 米本 4 2 0 (二) 阿波連 3 0 0
(一) 山本 2 1 0 山下 1 0 0
(三) 野田 4 1 0 蛭田 0 0 0
(右) 神谷 2 0 0 (左) 忍成 2 0 0
打右 狩野 2 1 0 内藤 2 1 0
(遊) 綾瀬 4 0 0 (捕) 3 0 0
(捕) 得津 4 1 0 (右) 黒川 5 3 1
(投) 松永 3 0 0 (遊)二 松本治 3 0 0
(左) 小松 4 0 0 (三) 田中泰 3 0 0
(一) 島沢 3 1 0
(投) 北島 3 0 0
日野 0 0 0
33 6 0 33 6 1

九東 6 1 2 0 8 東洋 6 7 1 0 12

松永 9 1/3 6 1 北島 9 1/3 6 0
日野 2/3 0 0
盗塁:東1 失策:九3
敗戦をはねのけた好守
東洋大の勝因として内藤の好守は見落とせない。四回から守備に入り、六回に北島が三連打を浴びたが、好返球で本塁寸前走者を刺し、ピンチを救った。八回にも米本の打球をスタンドに手を入れて好捕した。
「はたき出してでも本塁打にさせない、と飛びつきました。捕れなかったら負ける必死でした」。再三の好守で「乗っちゃいました」と笑う内藤は十回、遊撃内野安打、野手の悪送球を誘い、サヨナラ勝ちにつないだ。東洋大にとって頼もしいツキ男の登場だった。
(『朝日新聞』昭和六十年六月十八日付朝刊)


6月18日決勝
東洋大000 000 100  1
法政大010 300 00X  4
(東)日野・北島・保坂-森
(法)猪俣-高田
本塁打:山岸・松浦(法) 二塁打:高田(法)
東洋大 法政大
(遊) 松本治 3 0 0 (中)右 山本 4 0 0
蛭田 1 0 0 (右) 小野里 0 0 0
(二) 福島 2 0 0 高原 1 0 0
竹内 1 0 0 打一 楢原 2 0 0
阿波連 0 0 0 (二) 若井 4 0 0
(左) 内藤 3 1 0 (左) 西山竜 4 1 0
(捕) 4 0 0 (捕) 高田 2 1 0
(中) 黒川 4 1 0 (三) 山岸 2 1 2
(三) 田中泰 3 0 0 (一) 西山省 0 0 0
(右) 守永 1 0 0 松浦 3 1 1
(一) 若林 2 0 0 高木 0 0 0
(投) 日野 1 0 0 (遊) 内間 3 0 0
前原 1 0 0 (投) 猪俣 2 0 0
北島 0 0 0
中田 1 0 0
保坂 0 0 0
27 2 0 27 4 3
東洋75004法政 5 3234

日野 4 3 2 猪俣 9 2 0
北島 3 1 0
保坂 1 0 0


失策:東2法1
雪辱ならず
三年前の決勝と同じ雨空。結果も同様に、東洋大が法大に敗れた。佐藤監督は「あんなに猪俣君の球に力があるとは思わなかった。完全に力負けです」。四回に浴びた連続本塁打。これですっかり、選手が精神的に負けてしまった、という。「日野の調子は悪くなかったが、むこうの力が上」とも。
そしてあまりの完敗に「野球をやらないうちに終わってしまった」と、もの足りない様子。だが、「猪俣君だって三年生。来年の大会に出てきて打ち崩したい」と三度目の挑戦へ気を取り直していた。
(『朝日新聞』昭和六十年六月十九日付朝刊)






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