羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

感染症対策徹底〜そして・・・・・

2023年02月09日 08時45分27秒 | Weblog
1月30日(月)、母の呼吸状態が変化した。
それを受けて入所している施設から連絡をもらいみとりが始まった。
徹底したのは感染症対策だった。
コロナ、インフルエンザ、肺炎に罹患すると病院に入院することになる。
点滴その他、管がからだに差し込まれる。
水分が体内に入ると痰がつくられ、吸引の辛さは野口三千三先生の時に経験している。
そこで感染症対策を徹底し、水分と食事を断つことで、母のからだへの負担を少なくする道を選択した。

幸いのことに、自宅から施設までは、徒歩で10数分の距離にあるので、公共交通機関を使わなくて済む。日に何度も自宅に戻ることも容易だった。

また、学齢期の子供と同居していない、といった様々な条件を知っている施設の方の好意で、夜中の急変に備えて泊まる部屋を用意してもらえた。

食事はできる限り自宅で済ませ、母の居室に外からのものを持ち込まないことが可能であったし、部屋からあまり出ることなく母とともに過ごすことができたのだった。
そういった幾つもの好条件が整っていたために、理想のみとりが実現した。

進行中の野口体操の“冊子作り”“動画”、新聞のコラム執筆等々のことは、ひとまず忘れて、母の命にだけに向かい合った6日間だった。
式が終わって、悔いが残らないことのありがたさを身にしみている。


通夜・告別式は、母九十七年の生涯のどこかの時期で、母と親しくしてもらった親族、隣家のご夫婦、たった一人の私の親友の方々だけで見送っていただいた。

しばらくは弔問のお客人、届けられるお花に囲まれて、四十九日の納骨まで母と共に生きる日々を大切にしたい。

でも、事後の整理と校正、レッスンは滞りなく進めて行きたいと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

母をおくる

2023年02月08日 09時12分45秒 | Weblog
立春の早朝
枕辺にて
母の脈をとる

顎と鎖骨の間に軽く丸めて当てていた指は
胸で吸う息のたびに しっかり挟まれていた

四時間ほどが過ぎた頃
挟む力が弱くなって
次第に脈が遠のいていく

気持ちを指に集めて
鼓動を貞く
動きがとまった

満月の通夜
                 湯灌をおえ 紫の一つ紋を纏う
                                  
  たくさんの花に囲まれて
                 
穏やかな
   〜永遠のわかれ〜

お母さんをよろしく
今わのきわに託された
二十一年まえ 
父との約束を果たす
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

令和5年 節分に 枕辺で母とツーショット

2023年02月03日 15時37分58秒 | Weblog
今朝は午前中に施設に出かけた。
9時過ぎに鬼がやってきて、鬼のかぶりものを手渡された。

 思いがけず節分のツーショット
  
   母と撮る最後の一枚

母は、眠っている時間が長いが、それでも話しかける声や笑い声、口の中の湿らしたり、体位を変える時には見えない目を開けて反応をくれる。

施設の方々が、一時間おきにやってくる。
血圧や体温、酸素濃度等は測ることができない状態になっている。
姿勢を変えてくれるので、幸いなことに褥瘡はない。

月曜日・1月30日に食事も水分も絶って、今日で5日が経過した。
点滴も栄養剤も入れない。管に繋がれることもない。
水分を入れないので痰はいっさい出ない。
吸引の苦しさもなく、穏やかに過ごしている。

午後には、口腔ケアを受けた。
口の中が綺麗になった時の満足そうな表情は忘れられない。
満たされた表情の母に救われる。
とはいえ、呼吸はすでに胸というか肩になっている。

つくづく 生きものは息するもの!と思える。
今は、ただ、懸命に息することだけ。
何一つ欲がなく、生きるための呼吸に専念している。

こうして静かに時間が過ぎていく、と言いたいところだが、介護士さん、看護師さん、理学療法士さん、歯科衛生士さん、事務方の方々、褥瘡を見届けるお医者さん、あらゆる専門家が訪ねて、何某かのケアを施してくれる。

食も断ち、水も絶ち、旅立ちの準備。
今夜も母の近くで見守りたい。
こんなに豊かな時間を過ごすことができるとは想像だにしなかった。
コロナ禍で、元気な方々は、いまだに窓越し面会である。
施設内に入るには、かなり厳しい条件になっている。
それでも最期を迎える人に、条件が緩和されたところだったという。
母は、特例に当たった。
なんとついている人なんだ。
令和5年 節分の日に備忘録として・・・・。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする