先日、町内会の見学会に参加した。
場所は神田川・環七地下調節池だ。東京都の壮大な治水事業で、神田川水系の洪水被害を防ぐ為に、杉並区、中野区、新宿区から、最終地は日本橋川に合流させて東京湾に流し込む壮大な計画らしい。
「水を制するものは国を制する」
私たちが訪ねた「神田川・環状七号線地下調節池」は、取水施設:川から洪水を取り入れ、地下トンネルまで導く施設。調節池トンネル:取水施設から流入した水を貯水する施設。管理棟:流入や排水設備等の運転操作や監視制御を行う施設。これらの施設で構成されている。
整備事業の経緯は次のようである。
延長4・5キロメートル、内径は12・5メートル。神田川、善福寺川及び妙正寺川の洪水約54万㎥を貯留する事業だという内容も含めて、この事業の意義について30分ほどパワーポイントを駆使し動画等も示しながらレクチャーを聞いた。別室では模型を使って水がどのように集められるのかをみることができる。
その後、地下43メートルまで降り、巨大なトンネルが掘られている中間地点に立った。
水は空ではなく、防火用水として貯水されている。気温は20度以下で寒い。照明は一つもなく、説明する管理者の方二名が照らす、サーチライトのように明るい携帯電灯がたよりだ。
いつも持ち歩いている LED携帯ライトでは足下しか照らすことができなかった。
そこを去る間際に、全部の照明を切って、暗闇体験をさせてもらった。これがいちばん恐い体験だった。隣に立っている人の存在もまったく消えてなくなるのである。
こうした巨大空間のなかでは、市販されている携帯のミニライトでは、周りを照らし出すことができなくて、恐怖に駆られることを知った。
この施設が出来てから、洪水の被害は減ったらしいが、施設があることすら、知らなかった。
この施設を溢れさせるような大洪水が起こりませんように。
なにより暗闇体験が出来たことが有益だった。何も出来ない。
30分ほどして地下空間lから上がってきて、再びセミナー会場に戻った。
質疑応答がなされたが、そのなかで興味深い話が出た。
「去年の3・11の地震が起きたその時に、地下トンネルに作業員がいたのですが、地上ほどの揺れを感じなかったそうです。あれだけの巨大施設で、地下全体が揺れるようです」
「まぁ、そうですか」
としか言いようがなかった。
さて、武蔵野市、杉並区、中野区に田畑があり緑が多かった時代から、次第に住宅が建てられ市街地となることで、洪水による被害が大きくなった、という説明はよくわかる話だった。東京の町が西へ西へと伸びていった結果、もたらされた人災かもしれないと考えると複雑な思いに駆られる。
何が起きても不思議はない。
とりわけ、繰り返しになるが、暗闇を失った東京の暮らしで、いちばん恐いのは「大規模停電」であることを改めて思い知らされたよい体験だった。
お問い合わせ
東京都第三建設事務所工事第二課
建設局ホームページ
場所は神田川・環七地下調節池だ。東京都の壮大な治水事業で、神田川水系の洪水被害を防ぐ為に、杉並区、中野区、新宿区から、最終地は日本橋川に合流させて東京湾に流し込む壮大な計画らしい。
「水を制するものは国を制する」
私たちが訪ねた「神田川・環状七号線地下調節池」は、取水施設:川から洪水を取り入れ、地下トンネルまで導く施設。調節池トンネル:取水施設から流入した水を貯水する施設。管理棟:流入や排水設備等の運転操作や監視制御を行う施設。これらの施設で構成されている。
整備事業の経緯は次のようである。
延長4・5キロメートル、内径は12・5メートル。神田川、善福寺川及び妙正寺川の洪水約54万㎥を貯留する事業だという内容も含めて、この事業の意義について30分ほどパワーポイントを駆使し動画等も示しながらレクチャーを聞いた。別室では模型を使って水がどのように集められるのかをみることができる。
その後、地下43メートルまで降り、巨大なトンネルが掘られている中間地点に立った。
水は空ではなく、防火用水として貯水されている。気温は20度以下で寒い。照明は一つもなく、説明する管理者の方二名が照らす、サーチライトのように明るい携帯電灯がたよりだ。
いつも持ち歩いている LED携帯ライトでは足下しか照らすことができなかった。
そこを去る間際に、全部の照明を切って、暗闇体験をさせてもらった。これがいちばん恐い体験だった。隣に立っている人の存在もまったく消えてなくなるのである。
こうした巨大空間のなかでは、市販されている携帯のミニライトでは、周りを照らし出すことができなくて、恐怖に駆られることを知った。
この施設が出来てから、洪水の被害は減ったらしいが、施設があることすら、知らなかった。
この施設を溢れさせるような大洪水が起こりませんように。
なにより暗闇体験が出来たことが有益だった。何も出来ない。
30分ほどして地下空間lから上がってきて、再びセミナー会場に戻った。
質疑応答がなされたが、そのなかで興味深い話が出た。
「去年の3・11の地震が起きたその時に、地下トンネルに作業員がいたのですが、地上ほどの揺れを感じなかったそうです。あれだけの巨大施設で、地下全体が揺れるようです」
「まぁ、そうですか」
としか言いようがなかった。
さて、武蔵野市、杉並区、中野区に田畑があり緑が多かった時代から、次第に住宅が建てられ市街地となることで、洪水による被害が大きくなった、という説明はよくわかる話だった。東京の町が西へ西へと伸びていった結果、もたらされた人災かもしれないと考えると複雑な思いに駆られる。
何が起きても不思議はない。
とりわけ、繰り返しになるが、暗闇を失った東京の暮らしで、いちばん恐いのは「大規模停電」であることを改めて思い知らされたよい体験だった。
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