日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

短刀 長舩能光 Yoshimitsu Tanto

2017-06-03 | 短刀
短刀 長舩能光


短刀 長舩能光延徳二年

 能光と銘の斬られた作はあまり見ない。清光の子が祐光銘を再興しようと考えたように、主流である祐光、勝光、清光、祐定などの他に、このような多くの備前刀工がおり、高い技術を保持して主流派の陰の働きを為していたのである。六寸四分、重ね二分。地鉄は板目肌の小板目肌が交じり、地沸が付いて細かな地景が交じる。刃文は浅い湾れ刃。帽子も調子を同じくして丸く返り、長く焼き下がる。焼刃は沸匂が強く明るく、足などの働きは控えめに、わずかに二重刃風の変化が窺える。凄く優れた出来だと思う。