脇差 長舩盛光
脇差 銘 備州長舩盛光應永二十三年八月日
長舩盛光(もりみつ)の一尺五寸強の脇差。この頃から後の脇差と呼ばれるような寸法のものが造られるようになった。地鉄は応永杢の現われた板目肌で、密に詰んだ中に肌目が地景によって綺麗に現われている。鎬寄りに乱れた映りが淡く立つ。この柔らか味のある地鉄の質感を、できるものなら現品を直接手にとって鑑賞されたい。刃文は腰開きの互の目乱で、匂明るく焼刃冴え、刃縁から匂のほつれが刃中に広がり、逆足状に働いて刃境は複雑。刃中には繊細な金線が匂を切って流れる。応永備前の標本的な美しい作である。
脇差 銘 備州長舩盛光應永二十三年八月日
長舩盛光(もりみつ)の一尺五寸強の脇差。この頃から後の脇差と呼ばれるような寸法のものが造られるようになった。地鉄は応永杢の現われた板目肌で、密に詰んだ中に肌目が地景によって綺麗に現われている。鎬寄りに乱れた映りが淡く立つ。この柔らか味のある地鉄の質感を、できるものなら現品を直接手にとって鑑賞されたい。刃文は腰開きの互の目乱で、匂明るく焼刃冴え、刃縁から匂のほつれが刃中に広がり、逆足状に働いて刃境は複雑。刃中には繊細な金線が匂を切って流れる。応永備前の標本的な美しい作である。