日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 春光 Harumitsu Katana

2010-10-10 | 
刀 春光


刀 備州之住長舩十郎左衛門尉藤原春光作元亀四年八月



 戦国の世が激化してゆく頃に活躍した長舩十郎左衛門尉春光(はるみつ)の、寸法の長い刀。春光は、同時代同国の祐定や清光に比較して作品が少ない。ところが戦国武将の注文打ちが間々遺されており、寡作ながら技量の高い優工であったことが想像される。祐定などに比較して一時代上がる感のある古風な作風を特徴としている。もっと高く評価されて然るべき刀工の一人。地鉄は詰んだ杢目鍛えで、映りが鮮明に立つところに大きな特徴がある。映りの働きはこの時代の備前刀には現われないのが特徴であるが、春光の明るい地鉄の質感からも、素材そのものが祐定や清光とは異なっていた可能性がある。刃文は湾れ互の目や本作のような逆足の盛んに入る互の目丁子で、刃中には小足、飛足、葉、その連続になる沸筋や砂流しが盛んに入るのが常。刃縁が複雑に出入りし、焼深く、刃縁のほつれも激しい。帽子は乱れ込んで返り、物打辺りの上部近くまで棟焼を施す。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿