■□■カムイミンタラ■□■

旅の話、仕事の話、色々と書いてます。。。

叫ぶ

2006-05-08 14:38:36 | 病院のシゴト
夜勤の入りで出勤すると新患さんがいた。脳梗塞後遺症による療養目的。

早い話が最近の病院は長期入院が出来ないのでたらい回しですな。

このじぃさん、若くて体もデカイ。しかしながら自力で立つことは出来ない。

食事も排泄も介助が必要なのだ。それはいいんだけど、恐ろしく要求が多い。

初対面だったので「今日の夜の当番です」と挨拶に行ったらいきなり

「看護婦さん、血糖値、血糖値、いくつ?」と聞かれてなんじゃこの人はと思い

何モノですか?と聞けばナースコール抜いてありますとの返事。笑。ようは困ったちゃんだ。

この病院での初めての夜、どうなる事やらと思ってたら案の定大変だった。

コールが抜いてあるから「看護婦さん、看護婦さん」と声を出す。5分と立たないうちに呼ぶので

対応しきれないしそのうちみんな無視し始める。そうすると「お~い。お~い」と声を出す。

この声が異様にデカイ。他の病棟にまで響き渡る。耐え難いほどのデカイ声で諦めずにひたすら呼ぶ。

4人部屋にいるのだけどほかのボケボケのじぃちゃんまでが「うるせぇよ」と声を出す。

向かいのベッドには心不全で危ないじぃちゃんが叫ぶ声にあわせて唸っている。(数日後、

このじぃちゃんは激しい嘔吐とともに失見当が激しくなる、叫ぶ声のストレスだよ)

夜中の12時を過ぎても止まない。眠剤は内服、点滴とどちらもいっているのに全く効かない。

さすがに困ったのでナースが当直医に連絡を取る。非常勤の先生だが精神科の先生のため

この手の患者はお手の物らしい。とある薬を静注している最中にコテっと寝てしまった。

ある意味、怖かった。ほんの何ccか入れている最中に秒単位で人間って寝てしまうんだと思うと。

あんまりにも爆睡しているので朝、覚醒しなかったらどうしようかと思ったけどこれが見事に

覚醒した。さすが医者と思った瞬間であった。