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旅の話、仕事の話、色々と書いてます。。。

産婦人科

2006-06-23 21:10:13 | 病院のシゴト
出身のナースがいる。先日、夜勤で一緒だったときに当時の話を聞いた。

産婦人科といえば生命の誕生、おめでたいイメージが強いが実際のところ

いちばん天と地の差が激しいエグイ科なのではないかと思う。

全ての命がこの世に誕生するわけではなく破棄される命もある。中絶。

妊娠5ケ月。子宮の中の赤ちゃんは既に人間が形成されている。それを

中絶する場合は陣痛誘発剤を使って産ませるのだと言う。てっきり私は

全身麻酔でも打って目が覚めたら全てが終わっているモンだと思っていた。

5ケ月でも産まれてくれば、「ほえ・・・」と泣くこともあるようで

そんな時はガーゼをそっと口元に当てるらしい。母親に聞かせられない

みたいな。そして通常は家族側で赤ちゃんを弔ってもらうのだが、どうしても

出来ない場合は病院側で行う。本来は医療廃棄物のはずだけど、彼女が働いていた

ところではなんと先生がはさみでジョキジョキと5ケ月の赤ちゃんを切り刻み

下水にじゃぁ~っと流してしまうらしい・・・・。多分、違法・・・だよね。

彼女が経験した中で一番キツイと感じたのは妊娠9ケ月。急に胎動を感じなくなった

なんかお腹がひんやりすると受診した妊婦さん。そう、赤ちゃんは既にお腹の中で

死んでいる。実際に妊婦のお腹に触ったら冷たかったそうだ。早く出さないと

腐るので母親の体も危険になる。そしてこれも陣痛を誘発させて産ませるのだ。

産まれても母親に掛ける言葉は見つからなかったと言う。

「産婦人科なんて全然キレイじゃないよ~」と彼女は笑いながら言うが

そこで働きながらナースになり8年も働いた彼女の笑顔の裏には何を思って

今、年寄りばかりの病院で働くのかなぁと思ってしまう。