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ぬいぐるみ

2006-02-02 19:09:46 | 病院のシゴト
ベットの周りに人形やぬいぐるみが置いてある事がある。

入院している子供のベットの周りにはよく見かける風景だが

年老いてもそれは変わらない。

ある老女が毎日、抱えて寝ている人形はスイッチを入れると話し出す人形。

日時や誕生日なども設定出来るようでスイッチオンにする度に

「日にちを入れてね!」「誕生日を教えてね!」と話し出す。

放っておくと、「いち がっつぅ、いちにちっ!」と勝手に正月に設定されて

しまう。もちろん誕生日も正月になる。

そして、突如として「ハッピーニューイヤー!」「お誕生日おめでとう!」

と叫び出す。ときおり「むにゃむにゃ、むにゃむにゃ」とか「う~ん」などと

意味不明の独語が始まり、ボケ老人顔負けの不穏っぷり。

だもんで、うるさいから夜にはスタッフにスイッチを切られてしまう。

そして毎朝、スイッチを入れ直される。それのくり返し。

だからこの老女の周りでは毎日が正月。もちろん、そんな事は彼女には

理解できていないけど。なんたって、この人形に自分の食事を食べさせて

しまうぐらいですから。だからこの人形の口の周りは常に濡れて汚れているのだ。

「このお人形は何て言う名前なの?」「さぁねぇ、なんだろうねぇ、忘れちまっただ」

てな調子。彼女自身、非常に小柄で可愛らしい顔つき。だもんで毎夜、人形を

抱きかかえて寝ている姿はとても微笑ましいのである。 

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