これだけたくさん食べ歩いているので、日本蕎麦の沖縄的な問題は縷々レビューの端々に書いてきた感がある。
簡単に言えば「沖縄は日本蕎麦不毛の地」だった。もともと、ラーメンもそうだったし、うどんは未だに蕎麦と同じだと思っている。沖縄の麺は「沖縄そば」で完結しているんだ。それが「ラーメン」文化の浸食で「沖縄そば」自体も昔の「沖縄そば」とは全く異なる次元に突入しつつある。それはそれで良いことだと思っているのだが、日本蕎麦や饂飩は相変わらずお店は少ないままなのだ。それでも、ここ3年間不在だった間に、少しだけ日本蕎麦専門店も数えることができる程度に増えた。
そんなnobutaの沖縄不在中にオープンしたお店の一つに、浦添市港川の「和ノ実」さんがある。
港川という地区は、外人住宅地と日本人居住地が混在していたうえ、国道58号線を挟んで内陸側がメイン、海側は米軍の土地返還などで徐々にではあるが脚光を浴びている土地と言える。
その海側、スーパーかねひで、ヤマダ電機が並ぶ58号線の一つ裏手の新興住宅地にお店が存在するんだけど、30年近く沖縄に住んでいて一度も踏み入れたことのない場所になる。
この日は、車検で車をメイクマンに一時預けた後、オープン時間の11時30分着のために、ホロホロと未開の地を歩いてお店に向かった。

すると、団地の外れにお店を発見した。すごく大きな平屋に見えた民家(高級)に近づくと、その民家の下にお店があることが分かった。つまり、通り沿いからは平屋に見えた家は2階建てで、その1階部分がお店という造りのようだ。外観からもお洒落な民家なのだから、1階の店内もどうなっているのか期待できる。しかし、お店の入口からは広くはなさそうな感じのお店でもある。
扉を開くと、凄く広い平屋だと思っていた建物の1階なのだから、当然のように広い。しかも迷路のような店内になっている。
若いお店の女性の方から入口入ってから左手側のお好きなテーブルを勧められた。


そこはテーブルの形が異なるが4人掛けのテーブルが数卓ある部屋だった。さらに、そこから奥の部屋に入ると、そこは6人掛けテーブルが2卓。これまた趣が部屋ごとに異なり綺麗である。更に奥に進む。てっきりトイレなおかと思ったら、奥には個室が数室あり、これまたお洒落なんだよ。なんか、さらに先がありそうなのだが、迷子になりそうだったので元の部屋に戻ると、その女性の方から暖房が効いている入口を入ってから右側の部屋もあると教えてもらった。
この日は、内地に寒波襲来で沖縄も寒く、珍しく10度程度という極寒だったから、暖房の効いた部屋で食べることにした。
そこは4人掛けテーブル2卓と厨房に繋がる部屋であった。そうそう、後で分かったのだが、最初に向かった奥のお隣は、「和ノ実」さんの別邸が昨年秋に併設されているんだそうだ。
別邸なので、入口が違うそうなので、帰りがけに見たのだが、同じ建物(平屋に見えた例の豪邸)の1階部分にあって隣接しているのが分かった。
「別邸」を建築するのだから、相当な人気店なんだろう。そもそも、別邸じゃない方も部屋数もテーブル数が半端ないしね。
そこで、お店の女性と色々と話を聞くことになった。
まずは、ディナーである。

店内に貼ってあるチラシを見る限り、夜は4,000円の飲み放題コースや飲み放題ぬきの4,000円のコースなどがあるし、お店の雰囲気からしても、夜利用が多いものと感じるので、こんなところにやってくるお客さんは、帰りは皆、運転代行なのかという点である。もちろん、そうなんだろうけど、58号線近くに新築の高級マンションが立ち並んでいるので、その方々も相当多いらしい。
今もかねひでの隣の広大な土地に大和建設のマンションが建つ感じだったしね。
高層マンションが建てば、建つほど、このお洒落なお店に来るお客さんが増えるんだろう。
だから、子供を遊ばせる部屋もあるとチラシに書いてあるんだろうな~。
さて、ランチメニューが出てきたので確認すると、おでんもやっているんだとか。こんな寒い日にはおでんも単品でオーダーしたくなるだろうけど、nobuta家も昨夜からおでんを作っているので、おでんは注文しなかった。また、デザートで蕎麦プリン150円というのがあったのだが、こちらのお店の前後でベーグルやタルトを食べる計画(実際、お店に来る前にベーグルを食べた)だったので、次の機会にすることにした。
メインの日本蕎麦は、
ざる蕎麦、かけ蕎麦 700円
炊き込みごはんセット 900円
かき揚げセット 1200円
和ノ実セット 1,300円
となっている。セットには小鉢が付いているのだが、それは日によって変わるそうだ。
ベストな選択は、店名の付いた和ノ実セットなんだと思うんだが、前後にも食べる予定のnobutaにはさすがに無理。
そこで、炊き込みご飯セットで我慢することにした。
ただ、150円プラスして蕎麦大盛にしてもらった(笑)
出てきたが、最初の写真になる。
素晴らしいと思ったのは、小鉢が刺身だったことだ。しかも、「ひらまさ」なんだと!
こういうサービス感まであると、お店の質が高いと思ってしまう。実際、そうなんだけどね。炊き込みごはんは、蕎麦湯と一緒に最後に食べるとして、まずはざる蕎麦大盛から頂く。
これは二八だな。すごくキレがあって美味い。沖縄でこのクオリティの蕎麦が出てくると嬉しくなる。
沖縄は水が美味しくないから、なかなか水が影響する蕎麦が美味しく出来上がるって至難だと思うんだよね。
それにしても美味い二八蕎麦だな~。
すぐに完食。蕎麦つゆは濃いめではないが、蕎麦にピッタリな味わいだった。
途中、つゆを追加してもらったので、蕎麦湯で美味しく飲み干した。それと一緒に食べた炊き込みご飯は、結構、あっさりした味わいだったが、これまた美味しい炊き具合だったので、この1,000円程度の蕎麦ランチは素晴らしくレベルが高いといえる。
最初に日本蕎麦のお店が徐々に増えたと書いたが、日本蕎麦=高い値段設定でも許されるという雰囲気もあるので、この金額で提供していただけるだけで有難いところだ。
いずれにせよ、お店の雰囲気も良いので、次は夜訪問で宴会利用だろう。
そういえば、終夏に訪問した新都心の蕎麦屋でもそんなコメントを書いた記憶がある。
それだけ蕎麦が美味しいお店が増えたという裏返しだろう。
美味しかった。
御馳走さまでした!!
浦添市港川330-5