最近のCMで、「センベイの数だけ幸せがある~」と歌っているのがある。
どこかのおセンベイの宣伝だ。
しかしなぁ…
これって、どこかで聞いたセリフだ。むかし、そういう歌があった。
あ~ん、何だっけなぁ…? 記憶の糸をたぐる。
お、そうだ、森進一が歌っていた演歌の「酒場舟」なんだよ。
♪ 女の数だけ幸せがある~
女の数だけ涙がある~
そんな歌詞だったかな~。
…か、どうか曖昧なので、ネットで「酒場舟」の歌詞を調べてみた(僕もヒマだ)。
1980年というから、30年前の歌だ。
それほどヒットした歌でもなかったように思う。
歌詞は、少し(…というか、だいぶ)記憶違いのところがあった。
正しくは次のとおり。「酒場舟」のそれぞれの後半部分です。
1番
♪ 男の数だけふるさとがある
男の数だけ初恋がある
ヤレヤ エンヤラ 酒場舟
2番
♪ 女の数だけふるさとがある
女の数だけ悲しみがある
ヤレヤ エンヤラ 酒場舟
3番
♪ 夜明けの数だけ思い出がある
夜明けの数だけ安らぎがある
ヤレヤ エンヤラ 酒場舟
とまあ、こんな具合です。
センベイの数だけ幸せがある~は、このパクリ…じゃ~なくて、パロディなんだろ。
それとも、こういう歌があったとは知らずに、CM作者はこれを作ったのか?
そんなことは、ないだろうね。 メロディも同じだもん。
でもまあ、ナントカの数だけナントカがある~ というのはいかにもノリがいいし、
またどんなCMにでも使えそうで、これをパロった人は、やっぱり、プロだ。
まあ、これに限らず、近頃のCMは、バックに懐かしい曲が流れることが多い。
はぁ~? どこかで聞いたな、この曲…って感じである。
この間は、ザ・ピーナッツの曲が流れていた。
今の若い人、ザ・ピーナッツを知ってんのか…?
しかし、考えてみれば、CMは若い人だけを対象にしているわけではない。
どちらかと言えば、中高年のほうが、モノを沢山買う、いいお客さんであろう。
だったら、むかし流行った曲を流すと、インパクトも強くなる…ってところか。
CMは、一瞬、一瞬が勝負である。
瞬間的に商品をテレビ視聴者に刷り込むには、原体験に訴えかけるのが効果的…
そういうデータがあるのだそうだ。
特に中高年は、過去のことにドキドキすることが多いそうである。
懐かしい曲を聴くと、若い頃の自分を思い出して、脳が気持ちよくなるらしい。
言われてみれば、自分もその傾向が強い。
そして、テレビのそのCMに目が行き、商品が刷り込まれる…
それが、CMに懐メロが使われることが多くなった理由だとか。
なるほどなぁ。
「センベイの数だけ幸せがある~」を聴きながら、大いに感心する僕である。
しかし、…そのセンベイが、いったい何のセンベイのCMなのかわからない。
見ても聴いても、すぐに忘れてしまう。
このごろ、物忘れが激しい。
男の数だけ物忘れがある~
ヤレヤ エンヤラ 酒場舟 ♪
やっぱり、ヒマか、僕は。