今日は13日の金曜日ですね。
僕がいつまで経っても忘れることができないのが、昔々、大昔の映画、
「13日の金曜日」です。
あのシリーズの第1作目の映画は、ホントにホントに、恐かった。
今もあの映画を思い出すとぞっとします。
映画が上映されたのは1980(昭和55)年の8月でした。
その後この映画のシリーズは10作以上製作されましたが、この第1作を超えるものはない。と僕は思っています。
そこで、その大昔の映画の話ですけど。
僕はこの映画の試写会を申し込み、運良く当たったので、一人で大阪御堂筋の会館へ出かけて、その映画を見たのです。
試写会だったので、映画の始まる前に、舞台に著名な女性アナが出てきて、この映画の成り立ちや概要を説明してくれました。そして、最後に気になる言葉を残したあと、舞台を下りたのです。
その気になる言葉というのは…
「皆様、この映画が完全に終わるまでお席を立たないでくださいね」
という言葉でした。
つまり映画が終わって、エンディングロールになった時にも、そこで立って出て行ってはいけない、ということです。僕はそれを何となく聞いていたのですけど。
そして映画が始まった。
「13日の金曜日」シリーズは多くその後沢山ありましたけど、僕が見たのはその第一作目でした。
そのストーリーを紹介しますと…
あるキャンプ場の近くの湖で一人の少年が溺れて行方不明になった。その事故が起きたのが、13日の金曜日だった。その後、そのキャンプ場では奇怪な殺人事件が次々に発生し、さらにキャンプ指導員の男女2人も殺害される。そして、そのキャンプ場は閉鎖される…
そんなことがあってから何年か後に、そのキャンプ場が再開されることになった。何人かの若い元気な指導員候補生の男女がこのキャンプ場を訪れた。そして、そこでまた、その男女が次々と殺されていくのだ。(この殺され方が、また恐い)
最後にたった一人生き残ったのが、アリスという女性だった。
震えながら恐怖の夜を過ごすアリスのところへ、一人の見知らぬ中年の夫人が現れた。その夫人は、以前キャンプ場の湖で溺れた少年の母親だった。彼女が言うには、息子が溺れかかっていたとき、キャンプ場の指導員たちは遊びほうけていて、結局、見殺しにされて息子は死んでいった。それを恨んだ中年夫人は、2人の指導員を殺害した。そして今回の連続殺人も、自分の犯行である、と、恐るべき事実をアリスに告げたのだった。
ギャッ! この母親が犯人だったの? と驚くアリス。声も出ないほど、恐怖で身がすくんだ。そしてそのアリスに、母親が襲いかかってきた。
すさまじい格闘の末、アリスはなんとか相手を倒す。どうにか一命をとりとめたアリス。そして、いよいよ映画はラストシーンに入る。
夜が開け、それまで暗かった映画の画面もパッと明るくなり、朝日を反射してキラキラ光る美しい湖に小舟が浮かんでいる。その小舟の中から、アリスがすくっと身を起こして微笑んだ。
見ていてホッと胸をなでおろすシーンでしたね。
犯人の女(母親)は死んでしまった。
遠くからパトカーのサイレンも聞こえてきた。
自分を助けに来てくれたのだ。
舟の上で「あぁ助かったのだ」という安堵の表情で両手を広げ、天を仰ぐアリス。そしてエンディングロール画面に変わった。映画は終わったんですよね。
出演者、製作者らの名がスクロールされる。字ばかりのスクリーンを見ながら、そろそろ席を立つ観客もいた。
あぁ、恐かったなぁ。でも、最後の一人(アリス)は助かってよかった。そう思いながら、バッグを持って席を立とうとした瞬間、スクリーンには、再び先ほどの湖の小舟の光景が映し出された。
映画はまだ終わってなかった?
そして驚くべきシーンが。
湖の中からいきなりガバっと、泥だらけの小さな子供のような生き物が飛び出し、舟にいたアリスに飛びつき、ギュっと首を締めたのだ。
「キャ~~~!」
と叫ぶアリス。
同時に観客からも悲鳴が上がり、映画館全体がどよめきました。
僕も思わず「わぁっ!」と叫んでしまった。椅子から転げ落ちるかと思ったほどです。いや~、このときは、本当に、本当に驚きましたね~
もう、映画は終ったはずだったのに、まさか、最後にそんな仕掛けが待っていたとは。
「皆様、この映画が完全に終わるまでお席を立たないでくださいね」
と、試写会の最初に女性アナが言ったのは、このことだったのだ。
と、まあ、そのときのことを、今も生々しく思い出すのです。
僕は、これまでの長い人生の中で、これほど恐い映画のラストシーンをいまだにありません。
試写会が終り、電車を乗り継いで帰途につき、藤井寺の駅から家まで歩きました。時間はかなり深夜に近く、人影のない道路をテクテク歩きながら、今見た映画のラストシーンがどうしても頭に浮かんでくるんですよね。
心臓が凍りつくような恐怖感に駆られる。
家に近づいてきて、溝のある薄気味悪い道に出た。そこを通るのが、もう恐くて恐くて仕方なかった。(もともと僕は大の恐がりなんです)
僕はそこから一目散に走った。なりふり構わず、思い切り走った。もしかして、溝の中から泥まみれの子供が自分の首に飛びついてくるのでは!
ぎゃぁ~
ぎゃぁ~
と、心の中で悲鳴を上げながら、一目散にわが家へ疾走したのです。
とまぁ、
そんなことで、13日の金曜日が来る度に、その映画を見た恐怖の夜のことを思い出すのです。今日も思い出したのでここに書きました。
なんだかねぇ。
死ぬまで忘れられそうにないかも、ですね~
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