曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

就職氷河期世代をどうしたらいいのか

2019-06-12 19:54:43 | 社会
政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案の中に、就職氷河期世代から30万人の雇用を創出する支援プログラムがあるらしい。
 
僕はまさに就職氷河期世代である。卒業までに就職が決まらず、半年ほど無職だった。最初の会社にバイトで潜り込み、しばらくして契約社員になった。正社員になりたかったが、それは叶わず転職を決意。最初から正社員の募集に応募して入社。そこを辞めてまた転職したが、次は契約社員。正社員にしてくれるという話で入ったのに、正社員化制度がなくなり、さらに契約社員制度も消滅して非正規全員クビ。また正社員のみ募集に応募する作戦で何とか今の会社に入れて現在に至る。
 
つまり僕は在籍した四社のうち二社で非正規だった。非正規だった期間は合計約9年。まあまあ長い。
 
契約社員時代に辛かったこと。一年契約だとかボーナスがないとかそもそも給料が安いとかもあるが、僕は正社員達と話が合わないのが辛かった。正社員達には同期入社の横の繋がりがあり、上にも繋がっていたが、僕はそれに入っていけなかった。そもそも正社員のみの会議やイベントが結構あり、その時間は一人で電話番。
 
その電話も、新入社員としての研修を受けていないので受け答えに自信が持てなかった。名刺交換など客先に行ってのマナーも分からなかった。これではまずいと思って社会人のマナー本を買って勉強したが、正式な研修を受けてないという引け目のようなコンプレックスのようなものはいまだにある。
 
政府は引きこもりの30~40代の雇用を支援といっているが、社会経験を今までに持てなかった人が、普通の企業に入社してもうまく馴染めるとは思えない。そういう支援で入ってきたそういう人、という目で見られるだろうし、会社も相応の扱いしかしないだろう。よほど能力が高ければ別だが、そういう人は20代のうちから正社員として働いている。
 
給料についてもそうだ。今から政府支援で入社する40代の人の給料はどの辺からスタートするのだろうか。新卒入社同世代と同じだけ出せるんだろうか。いや出せまい。同世代はもう管理職になっているのも多い。彼らと同じ額は出ないだろう。
 
というようなわけで、政府のお役人が机に向かって考えた今回の支援策は、うまくいかないと思う 。こんなやりかたでは、せっかく会社に入れても定着しない。
 
そこで僕は2つの案を提案したい。例によって曖昧で適当なアイディアなんだけど。
 
ひとつは、国家公務員として雇ってしまう。アタマは経験者を据えてもいいが、氷河期世代だけの部署を作る。どんな仕事をしてもらうかは考えてないが(おい)、彼ら(俺ら)が今こうなってるのはほとんど国のせいなので、責任をとってもらう。本当に何も考えずに引きこもってた人はともかく、彼らだって何か考えながら生きてきたはずだ。社会がどうあるべきかとか。そういう人達が集まったら画期的な事業が生まれるかもしれない。
 
三十万人ものおっさん達を一度に公務員化するのが難しければ 、国が資金を出して氷河期世代だけの会社を作らせる。妄想力だけは前後の世代に負けない連中だと思うので、それを実現化するとなれば、何か既存の枠からはみ出した事業を始めてくれるのではなかろうか。
 
もうひとつのアイディアは、在宅ワークだ。家で仕事するなら、出世したり結婚したりしている同世代、下手すると下の世代の正社員達とコミュニケーションをとらずにすむ。馴染む必要がない。そしておそらく、彼らはネットワーク越しなら饒舌だし、人によっては有能だ。これから5Gが来るからリモートの仕事はしやすくなるし、家でやる頭脳労働だって人手不足になるだろう。IT大国の中国・インドの人海戦術に対抗するには頭数が必要だ。
 
氷河期世代は、人生で最も充実していなければいけない20代30代を、国のせいで無為に過ごした。僕の友人知人でも就職に苦労し、職を転々とし、未だ独身の人も多い。今ごろになって氷河期世代を正規雇用しても、40代の家庭を持った中堅サラリーマンが誕生するわけではない。本当は、もう手遅れなのだ。
 
だが、何もしないよりはマシだ。でも、何か手を打たなければならないからとりあえず考えました的な、非正規の実情、中途採用の実情を何もわかってない今回の政策では、ほとんど効果がないと思う。まずは、今無職の氷河期世代から十数人を招いて有識者会議でも開き、現実的な対策を考えて欲しい。

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