
先日テレビで「トナラー」という言葉を知った。ガラガラの駐車場なのに、自分の車の隣に止める人や、空いてる電車なのに隣に座る人、空いてる映画館なのに気づけば隣にいる人、などの意味らしい。
すごくよくわかる。上に挙げた例、全部経験がある。もちろん被害者として。
僕は職場に行くのに始発駅から乗るので、電車では端の席に座ることが多い。他が空いてるのに僕の隣に座るのは、出入口に近いからかなあ、と思っていた。
駐車場については、端から順に詰めていきたい人の可能性があるとテレビで言っていた。なるほどねえ。
映画については、その時はホモかなと思った。特に何も起こらず、最後までそのまま二人で並んで見た。あれは何だったのだろう。
僕はそれらのトナラーの心理が全く理解も想像もできないので、その番組で何か画期的なことを教えてくれないかなと期待して見ていた。すると、出演していた有識者が可能性の一つとしてこう言った。
「トナラーには空間認識力がない」
どこが広くてどこが狭いかを認識する能力がない、あるいは著しく劣っているというのだ。なるほど! まさに「その発想はなかった」だわ。
その時僕は、あれに似てるなと思った。
電車で出入り口付近で立ったまま動かず、乗り降りの邪魔になる人がいるじゃないですか。押しのけられて初めて、あ、すいません、みたいな人たち。ああいう人たちは「気を遣う、という回路がない」と、これも以前テレビで説明してるのを見たんですよ。
脳に「気を遣う」回路が備わっていない。生まれつきのものであると。もちろん悪気はない。
なんかその説明が腑に落ちたんだよね。なるほどそうか。彼らの行動は全く不可解だったけど、そう言われれば理解できる。
それ以降、僕はその手の人に遭遇した場合、そういう回路がない人なんだと考えるようになった。何でだろう、何でかなと首を捻ることが少なくなった。以前書いた「何も考えてない人」という記事の人も、このパターンなのだろう。
でも世の中にはいろんな人といろんな行動理由があるので、不可解行動の全てを「回路がない」で済ませるのは危険だということも分かっているつもりだ。