シリアのアサド政権を軍事面で支援するロシアのプーチン大統領は7日、米国による攻撃に激しく反発した。ペスコフ大統領報道官は「大統領は『主権国家に対する侵略であり、国際法違反だ』と考えている」と述べ、米国を厳しく批判した。今回の攻撃で、プーチン氏が目指してきたトランプ政権との関係改善への期待は完全に裏切られた。米国のティラーソン国務長官が12日にロシアを訪問し、ラブロフ外相らと会談する予定だが、激しいやり取りが予想される。ロシア外務省は7日、シリア上空で米ロ両軍の安全を確保するための合意について、効力を停止すると発表。2015年10月以降続いた両国による飛行計画などの情報交換が中止される。両軍の偶発的な衝突の恐れも出てきた。
米国防総省は6日夜(日本時間7日午前)、米軍が巡航ミサイル「トマホーク」59発をシリアの同国空軍基地に発射したと発表した。シリアのアサド政権が同国北西部での空爆で化学兵器を使用したと断定し、対抗措置として軍事作戦に踏み切った。市民への無差別攻撃に対し、トランプ米政権は、軍事力の行使もいとわないとの姿勢を強く打ち出した。米軍のアサド政権に対する直接攻撃は初めて。