米FDIC、ファースト・リパブリックを近く管理下に
米国中堅銀行のファースト・リパブリック銀行は、2023年第1四半期に約1,000億ドル(13兆5000億円)の預金が流出したと発表した。
[ワシントン 4日 ロイター] - 米地方銀行の株価が下げ止まらない中、米規制当局に対して、銀行セクターを支援するためのさらなる措置を講じるよう圧力が高まっている。
ウォール街の幹部やアナリストは、規制当局に対し、預金保護強化など支援策を検討するよう要求。介入のみが危機の連鎖を食い止めることができると主張した。ただ当局が直ちに介入するかどうかは不明だ。
UBSの銀行アナリスト、エリカ・ナジャリアン氏は「投資家は最も脆弱と思われる残りのプレーヤーを注視している」と指摘。「市場が銀行破綻を拡大させる前に連鎖を止めるべく、財務省と連邦準備理事会(FRB)が介入すべき時期に来ているのではないか」などと述べた。
4日の米株式市場では、複数の地方銀行の株価が10%以上急落し、銀行持ち株会社パックウエスト・バンコープは約51%安で引けた。パックウエストは4日、戦略的選択肢について、複数のパートナー・投資家候補と協議していることを明らかにした。
アクティビスト(物言う投資家)のネルソン・ペルツ氏は、英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙に、預金保険は拡充されるべきと主張。著名投資家のビル・アックマン氏も、規制当局が保険制度を拡大しなかったことが「棺桶にさらに釘を打ち込んだ」などとツイートした。
The US Regional Bank Crisis Visualized 📊 pic.twitter.com/hoOqrFycvo
— Markets & Mayhem (@Mayhem4Markets) May 5, 2023
長期でみるとこんな感じ一度銀行信じが預金を入れてもこの有り様
2023/04/27 株価5.69ドル
続報
事実上引導を渡されたファースト・リパブリック・バンク
米銀行規制当局は、統一金融機関評価システム(UFIRS)に基づく米地銀ファースト・リパブリック・バンクの格付けを引き下げる可能性について検討している。実施されれば、同行は連邦準備制度理事会(FRB)の緊急貸出制度へのアクセスを制限され得る。
連邦預金保険公社(FDIC)は同行に対し、財務強化につながる取引をまとめる時間を与えてきた。ただ、取引がまとまらないまま数週間が過ぎ、FDICの高官は「CAMELS」格付けと呼ばれる制度に基づくものを含む同行の評価について、連銀窓口貸出制度および先月新設された「バンク・ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)」の利用を制限し得る水準に引き下げるかどうか検討している。協議に詳しい複数の関係者が明らかにした。
FDICは決定には至っていない。また、同行幹部がバランスシート強化措置を講じるのを待っており、こうした見解についてまだ警告していない。協議の非公開を理由に関係者のうち数人が匿名で語った。
ファースト・リパブリックの広報担当者とFDIC、FRB、米財務省の報道官はいずれもコメントを控えた。