おそめ 読了。 苦界(クガイ)に落ちると、金満家の商品やコレクションのように扱われた昭和の花街の少女が、自らの感性と共感知性で築き上げた伝説的社交場 おそめ 、たしかによく知られた おそめ の華麗な著名人の遊びの現場も興味深い。しかしむしろこの本には別の魅力がある。歴史、そうした昭和の戦前戦後、銀座 川辺るみ子の『エスポワール』 や 上羽秀の京都木屋町『おそめ』 そして、おそめの銀座進出。繁栄の3 . . . 本文を読む
『すでに序章で 「坊っちやん 」について述べたように 、私には漱石の全作品を貰いている主題として 、日本の社会の中での個人のあり方の問題があると思われる 。それをこれまで論じてきた脈絡の中でいいかえれば 、漱石の作品の中で 「世間 」と 「世の中 」はどのような位置をもっているのかという問いとなる 。』
世間と個人の折り合いは、キョロキョロして決めるのがほとんどの普通の人の行動基準だろう。なに . . . 本文を読む
この作品は、小説家のスケッチノート見たいなものだ。
『信玄は大永元年 (一五二一 )の生れ 、謙信は享禄三年 (一五三〇 )の生れ 、信長は天文三年 (一五三四 )の生れ 。その活動の時期を同じくしている 。この三人は皆当時における一流中の一流の英雄共であったが 、その実力は信玄と謙信が伯仲し 、信長はやや劣ったのではないかと思う 。』
戦国第一世代の武田と上杉の二人と第二世代の信長との大 . . . 本文を読む
『明治三年七月 、薩藩士横山安武 (後の文部大臣森有礼の実兄 )が 、時勢に慷慨して 、時弊十ヵ条を指摘した諫書を政府に提出して太政官正院の前で自殺したことがあったが 、後に安武の碑が立つ時 、西郷は身参議でありながら 、自ら筆を取って 、その激烈な慷慨の情に共鳴同感する意味の碑文を草している 。安武の不満は西郷の不満であったのである 。』
西郷隆盛は日本国家再統一の父である。イタリアの統一 . . . 本文を読む
『その頃 、幕府がいよいよ五月十六日に江戸を将軍が進発するという軍令を出したことが 、京都に伝わって来た 。歩兵を従え 、砲兵は馬に砲を曳かせ 、老中四人 、若年寄四人が供をし 、従う大名は総督紀州藩主徳川茂承以下 、親藩 ・譜代合して十六家ということであった 。この時のことを 、松平春嶽がその著 「逸事史補 」にこう書いている 。「後で聞くと 、長州再征については 、幕府は大いに明るい見通しを . . . 本文を読む
パターンコンプリッション(以下「パタコン」)という自動処理に知的活動が制約されている「私」にどんな自由があるのでしょう。
直感とヒラメキの違いなど楽しい授業が続く。
基底核を育むことが直感を養う。それには時間がかかる。若者はどうすべきか?ヒラメキを武器とするのだ。
もっと脳を信じてみよう。
入力➕ゆらぎ= 出力
この出力は答えに近いことが多い。
私の考え出 . . . 本文を読む
勝海舟との初対面のあと長州征伐を巡り西郷は大いに変身した。時、処、位の構図が勝の言葉で変わった。幕府には号令する力がないと見切った勝海舟の慧眼に見開いたのだろう。
『勝という人は 、終始一貫 、日本対外国ということだけを考えて 、勤王 ・佐幕の抗争などは冷眼視 、といって悪ければ 、第二 、第三に考えていた人である 。明治になってからの彼のことばだが 、 「愛国ということを忘れた尊王など 、意 . . . 本文を読む
急に寒くなる。
『時、処、位を得なければ、空論』
『「どんな正しか意見じゃからとて 、時 (時代 ) 、処 (場合 ) 、位 (自分の身分 )をかまわんで押そうとしても 、出来るものではごわはん 。これをかまわず主張するのは空論でごわす 。すべて物事には段取がごわす 。勢いがごわす 。それを十分にわきまえて 、どこを押せばどうなる 、どこから手をつけてどう進むと 、見きわめをつけた上でなけれ . . . 本文を読む
海音寺潮五郎は斉彬の毒殺を推理している。何か証拠もあったらしいが、詳細はあえて語っていない。
海音寺潮五郎に一目置いて池波正太郎は
『海音寺潮五郎氏は 、 「西郷は 、斉彬が毒殺されたと信じきっていたらしい 」と 、いっておられる 。それはさておき … … 。』
と軽快に飛ばす。
「西郷隆盛」池波正太郎 より
『同志の者に命じて毒を盛らせたと 、ぼくは推理している 。人を . . . 本文を読む
オーラルケア関係で自治医大へー売店に置いてもらう事になりそう。海音寺潮五郎は一度も読んだことがなかった。出来事を並べる歴史教育は極力日本民族を意識させないが、愛国教育にはこういう小説を読むべきだろう。今であれば、ビジネススクールで教える期間指標と数値による典型的マネージメント方法論が朱子学。責任とリーダーシップから方法論を再構成して捉えるドラッカーの方法論が陽明学に相当する。
ちょっと長い引 . . . 本文を読む