今度は石井寛訳を読んでみる。
まず、なぜ内村鑑三が中江藤樹を選んでいるかということ。このことをおさえておこう。
『現代の教育システムー徳を押し付け、天才を仕込もうとする教育システムは、我々の心にはびこる野卑なるものを押しとどめることができるのでしょうか。今こそこの国は多くの藤樹を必要としているのです。』
内村鑑三の問題意識は、これに尽きるのではないでしょうか。この本はキリスト者として欧米人に . . . 本文を読む
いきなり引用で申し訳ない。
『これに関して面白い国際比較デ ータがある 。日米英の 3カ国で 「あなたの国では 、新しいビジネスを始めて成功した人は 、高い地位と尊厳をもつようになるか ? 」と聞いたところ 、アメリカとイギリスでは約 8 0 %の人が 「 Y e s 」と回答しているのに対し 、日本では 「そう思う 」という人が約半数しかいない 。また 「新しいビジネスを始めることが望まし . . . 本文を読む
『小説の場合は 、人の作品に仮説を当てはめて研究したりはしませんけど 、書いていくうちに自分なりの方法論ができました 。まず最初に二千字で梗概をつくる 。二千字にならなかったらまだネタが足りない 。二千字に収まるように書くと 、大事な部分だけが残るんです 。プロット表もつくって 、どこで誰が何を知るのかっていうことまで全部組み立てたうえで書き始めます 。イマジネ ーションを使わなきゃいけない部分 . . . 本文を読む
メルマガでも三橋さんは、珍妙な学説を気持ちよくぶった斬ってくれています。ちゃんと教えないことだけを選んで本にすると、憲法、国家、国境、不法占拠、政府、移民、経済が面白くなる。まず経済は経国済民で総所得を増やすための、政府の仕事、民間は交易と経営にすぎないこと。福祉は単なる分配ではなく、国民国家を前提としなければ成り立たないこと。運命同伴者としての国家国民という立派なナショナリズム。
. . . 本文を読む
この映画、池部良と高倉健の殴り込みシーン誰もが覚えていることだろう。三島由紀夫も市ヶ谷の最後の日(1970年(昭和45年)11月25日)に仲間と口遊んだこの曲。
私は鶴田浩二と高倉健に関する日下部氏の評価が全く違うことに注目して読んでみた。
鶴田浩二が表向き内省的、抑制的印象をもっていたが、読んでみるとそんな思いは映画スターをみる勝手な観客のイメージで。女に手の早いスケコマシは、鶴 . . . 本文を読む
二宮尊徳の逸話に興味をもったので、尊敬する童門冬二の著作から、「経営学」を手にしてみた。知っているようで意外と二宮尊徳を知らないのは、偉人伝で知ったつもりでいるからなんだなと反省する。実際、江戸時代のどの辺の人物だったのか考えてみたこともなかったのは我ながら浅学の極みである。
いつものように、そうだったのかと思うところから引用。
『尊徳 (徳を尊ぶ )というのは金次郎の号だ 。名づけたのは藩 . . . 本文を読む
西郷隆盛に関して、内村鑑三は、西洋のオリバー・クロムウェルに相当すると言っている。100年以上前の1908年英文発表された本書である。
今も大西郷の評価は分かれる。
死後墓を暴いてまで25年間さらし首にされたオリバー・クロムウェルと同様、英雄であり大罪人であった時代に書かれた事を考慮して評価するが、本当に時代に流れてあせていない大西郷を、代表的日本人のいの一番とした内村鑑三はさすがであると思う。
. . . 本文を読む
1500日からちょっと休んで、再開後2000日目、脱皮をしようと思う。
カエルは脱皮をしないのだ。
第三の直感とか、隠された次元とか、書いてるうちに心が同じところに居着いてしまう。
いつ死ぬかわからないから捨てるものと捨てないものを整理します。
捨てるもの
古い靴
スキー板
何年か前に買ったアウスレーゼ
そして
捨てられるものに接している自分自身。
どこかで、イチ . . . 本文を読む
何年ぶりに読んだことだろう。この作品は最初に読んだのは学生の頃、それも買って読んだわけではなく。もちろん金原瑞人訳でもない(当然か、ちなみに娘は芥川賞作家の金原ひとみ)
寮生活の同居者(←このひとの2008年時点の人と柄はここ参照)の本棚から文庫本(記憶では中野好夫訳)、40年近い昔、まえにも述べた学生時代「されど我らが日々」同様に勝手に借りたものだった。その時の印象と感想は全く理解の外だった。 . . . 本文を読む
企業は成長を続けなければならず、自分で成長できない局面になれば、成長自身も買うことができる。その典型がLBOであり、その嚆矢がマクリ ーン ・インダストリ ーズによる形式的手続きによる、買収と借入れを同時進行で完了させるトリック劇だった。 . . . 本文を読む
シマジ主義の本である。島地氏語録と言えば、言わずと知れた、愛すべきシガーとシングルモルトと大人の悪戯(わるさ)などを、チャーチルなどを見本に自己正当化する人生という遊び(冥土までの暇つぶし)の教本である。
知る悲しみを笑う悲しみ。それほど暇つぶしに成功していない私の推薦ですが、よろしければどうぞ。
引用から。
「マルタ島には自慢すべきお宝が3つある。第一のお宝は、16世紀のヨハネ騎士団と . . . 本文を読む
いつものように引用から。
「イエズス会の宣教師フロイスの著書 『日本史 』では 、 「以前はこの国々では 、一人旅をする者にとっては 、昼間といえども道路は万全ではなかったが 、彼 (注 :信長 )の時代には 、人々は殊に夏は夜間でも安全に旅ができた 。荷物を傍らに置いて 、道端で横になって眠っても大丈夫だった 。まるで我が家にいるような感覚で 、一人旅ができた 」といった記述がある 。江戸時代 . . . 本文を読む
ウクライナ債権についてこのようなニュースが流れている。『米駐在のポートフォリオマネジャーは「ロスチャイルドが債権者団体として参加しないかと尋ねてきたが、われわれは断った」と明らかにしたうえで、「依然として戦争中にある国の債務を適切に分析できない」と説明した。この関係筋は事態が流動的であることを理由に匿名を希望した。』 . . . 本文を読む
いつものように心に留まる言葉から。
「道なんてどうでいい、主義の問題なんだ、とフンボルトは応えた」
「全てを変えてしまうことになったその日、彼は奥歯の痛みのせいで正気を失ってしまいそうであった。」
「私には、ユークリッド空間は、『純粋理性批判』が主張するようにわたしたちの直観の形式それ自体ではなく、それゆえにすべての経験の基礎となるものではなく、むしろ一つの虚構、美しい夢ではないかと思えるの . . . 本文を読む