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インテリアコーディネーターのブログ。
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8月26日 住宅外観コーディネート

2005-08-26 | イベントレポート
KMEW HOUSING SEMINAR に行ってきました。
今回は、「ポストシンプルモダンとは」というテーマで外観デザインの動向についてのお話でした。

講師は、株式会社アレス建築設計事務所の井上要先生で、クボタ松下外装さんからセミナーのご案内を頂いた折には、先入観から男性の設計士さんだと思っていましたが、壇上に上がられたのが女性で少し驚きました。

そういえば、ここ最近のセミナーで講師として登場される方が女性だというケースが多くなったように思います。

先生は、すごく個性的なファッションでそれだけでもすごい存在感でしたが、恐らく私とはだいぶ歳が離れているハズなのですが、感覚がすごく新しくて、あつかましいですが、おそらく良く似た部分でインテリアやデザインに感銘を受けられるのではないか。と嬉しくなりました。そういう人を見ると今は、私自身が素直な感性でものを見れば、若い感覚として捉えられて当然ですが、これから歳を重ねるにつれて、感覚の巾を拡げていきたい。という気持ちを強めます。

さて、本題のデザインについてですが、その内容は以前に投稿した「私の流行論」と少し重なるところがあります。

流行の出所は、海外であったり、雑誌であったり、誰かが意図的に発信します。その動きに気づき、良いと思った人がそれを真似て流行を拡げます。
大体10%の人たちが認め始めた頃に流行の種から芽が出、80%の人たちが注目し始めた頃が流行のピークになります。ピークを迎えた流行は、やがて廃れまた10%の時期を迎えるようです。

現在の流行の中心にあるのは「シンプルモダン」です。
箱型のシンプルなすっきりしたかたちの外観・片流れのシャープな屋根の形状やパラペット状に立ち上げた壁、金属サイディングを利用した外壁・・・などなど。確かに最近良く見かけます。

現在は、この流れを中心に「スタイリッシュモダン」「南欧モダン」「グリークモダン(スパニッシュ風)」「和モダン」という風に「モダン」を基盤にしながら「和風」であったり「南欧風」であったり住まい手や施工者のコンセプトに合わせてデザインのイメージに変化をつけているような感じです。

次の流れは、「ほっとするどこか懐かしいモダニズム」というのが井上先生の見解でした。イメージを言葉にすると「ナチュラルモダン」に始まり「アジアモダン」→「北欧モダン」と続き「ドラマチックモダン」へと流れていくのでは?というものでした。

確かに、「アジア」や「北欧」は、私も注目したいデザインイメージです。「食」では「アジアンフード」が大流行していますし、エステやホテルのイメージに「バリ」に代表されるようなリゾート感覚のインテリアが取り入れられています。
「北欧」の流れは、インテリア雑誌からも良く見受けられます。京都にも「アクタス」が登場しましたが、アクタスの家具に注目が集まるのも「ヤコブセン」や「イームズ」などの20世紀モダンであるデザイナーズ家具の影響のようです。

そして「ドラマチックモダン」・・・。
ここへの挑戦は、少し勇気がいるところのように感じました。
私は、今現在の段階で、ここを提案して受け入れてもらえるかどうかと考えると少し不安を感じます。
「ドラマチックモダン」とは一言で言うと「ミスマッチの組み合わせ」です。
具体的にはトーヨーキッチンのヘアステンレスのスーパーモダンのキッチンとジョージ・アンやロココ調の家具やシャンデリアといったクラシカルなインテリアとのコラボレーション。
確かに、その空間をイメージするとそれはそれで美しい空間だと感じました。

この現象。実はファッション業界ではスデに一般的になっていて、私もそういえばそれに近いファッションえおすることもあります。
「ユーズド系」のジーパンと「シルクやシフォン系」などの上質なトップスの組み合わせ。なんとなく当たり前に良いと思ってしているファッションが、その構成について紐解くと「ミスマッチ」の美であることに気づきます。

更に先生は、これからの時代は「万人受けする住宅は売れ残る」と言われていました。
きっと、何にとってもそうなのでしょう。「流行」は絶えず存在し続けますが、最近の世の中は個性が強く出る時代になってきたように思います。

では、ハチセの住宅がどこを追いかけているのか?
そのことについて考えてみました。

流行の芽・種を捜していた時代



流行しているものを追う時代
もまれて定着しているものを拾う時代

恐らく今現在は、今の流行に従って進んでいるような気がします。

実は、2001年頃から急激な勢いで流行の芽を捜した時代がありました。現在流行のピークに存在する「スタイリッシュモダン系」の建物「和モダン系」の建物をたくさん提案した時代です。
その頃は、少し前を走り過ぎてしまい、プロ受けはするものの万人受けせず、思うように販売に繋がらなかったような印象が残ります。その反省を生かし、少しデザインの提案の歩みをスローダウンさせたのですが・・・。

2005年を迎え、年数にして、たった4年かも知れませんが、住宅をとりまく背景は大きく変化しているように感じます。スタイルの取り入れ方についてどの部分を提案していくのか。じっくり考える必要がありそうです。