3月20日(木・祝)、3月末日まで、滋賀県立近代美術館で開催中のウィリアム・メレル・ヴォーリズ展へ行ってきました。
前日の晩からひどく降り続いた雨がようやくあがった正午過ぎ、瀬田に向かって車を走らせます。自他共に認める方向音痴な私。
「一号線を真っ直ぐ行けばいいから。」
誰に聞いても同じ答えが返ってくる瀬田までの道。私自身、何度もその道は通っているのです。さすがに、一本道。迷うわけがナイ。
ところが、なんだか様子がおかしいのです。確かに道なりに走っていたハズなのに、気付けば161号線(苦笑)。
ハイ。わたくし、期待を裏切りません!
そんなわけで、少し(?)遠回りしたものの、なんとかたどり着いた滋賀県立近代美術館。館内のスタッフの方が、「財政が逼迫しており・・・」という説明を訪れた方にされているのが聞こえましたが、そんなことを全く感じさせない、素晴らしい施設でした。
さて、みなさんはヴォーリズの建築をご存知でしょうか。
私は、あまりこのあたりのことに詳しくはなく、むしろ、ハチセで設計をお願いしている先生方の図面に、感動することの方が日常です。
ですから、有名な建築家の名前を聞いても、その有名な建物と一致しないことが多いのです。ヴォーリズ。確かに、その名前に聞き覚えはあるものの「ハテ?」といったのが正直なところでした。
そんな、ヴォーリズの展覧会を知ったのは、インテリアコーディネーターの資格取得の際にお世話になった先生から、ご案内を頂けたから。(取得後も、あつかましく色々相談に乗って頂いています。)案内のメールには、次のようにありました。
滋賀県の豊郷小学校で取り壊しが問題になりました。あの建築家(宣教師)の展覧会です。
(そういえば、ニュースで話題になっていた小学校があったなぁ~。)そんな程度の印象しかなかったものの、ヴォーリズの作品がどうこうよりも、「先生が勧めて下さる展覧会なら見に行こう」。といった感じでした。
そんな、全く無知なまま会場に足を踏み入れた私は、ヴォーリズの作品を改めて知り、驚きました。普段何気なく見ている建築物。それらの中に、たくさんの作品があったのです。
例えば、同志社大学 今出川キャンパス内 啓明館・アーモスト館・到遠館、関西学院大学、神戸女学院大学、明治学院大学 礼拝堂、大丸心斎橋店、それから、京都四条大橋のたもと、鴨川沿いに建つ中華料理店 東華菜館(京都市下京区四条大橋西詰)などなど・・・
ヴォーリズの建築は、日本のあちこちにあるので、きっとみなさん、どこかで目にしておられると思います。
そんなヴォーリズは、アメリカ・カンザス州に生まれました。熱心なキリスト教徒であり、現在の八幡商業高等学校の英語教師として1905年に来日、英語教育とともにキリスト教教育にも力を注ぎました。そもそもは建築家ではなく、教師だったのです。
しかし、時代は今から100年以上も遡る1907年、キリスト教教育に危機感をもつ住民たちの要請によって職を解かれてしまいました。ヴォーリズ、26歳の頃のことです。
それから、28歳で京都三条YMCAの一室に、建築設計監督事務所開業(後にヴォーリズ建築事務所開設)してから、1964年83歳で亡くなるまでに彼が設計した建物は、協会や学校、ホテルなど、1,600件にものぼります。
ヴォーリズが事務所を開業してからちょうど100年にあたる2008年に開催されるこの展覧会では、ヴォーリズが残した建築作品を写真や映像資料、模型や資料などから紹介し、生活との調和をめざしてヴォーリズが作り出した建築空間の特徴を学校や教会、商業建築や住宅などの作品のなかに見てゆき、建築をとおして理想の生活を築こうとした、ヴォーリズの活動と思想の系譜をたどります。また会場にはヴォーリズが軽井沢に設けた山荘を実物大で再現されています。
「理想の居場所を作る」ことに生涯をかけたヴォーリズ。その世界を体感することができる展覧会です。広大な敷地内にゆったりと建つ、会場である滋賀県立近代美術館とそれを取り巻く文化ゾーンも魅力的です。会期はあとわずか。
興味のある方は、滋賀県までお急ぎください。
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前日の晩からひどく降り続いた雨がようやくあがった正午過ぎ、瀬田に向かって車を走らせます。自他共に認める方向音痴な私。
「一号線を真っ直ぐ行けばいいから。」
誰に聞いても同じ答えが返ってくる瀬田までの道。私自身、何度もその道は通っているのです。さすがに、一本道。迷うわけがナイ。
ところが、なんだか様子がおかしいのです。確かに道なりに走っていたハズなのに、気付けば161号線(苦笑)。
ハイ。わたくし、期待を裏切りません!
そんなわけで、少し(?)遠回りしたものの、なんとかたどり着いた滋賀県立近代美術館。館内のスタッフの方が、「財政が逼迫しており・・・」という説明を訪れた方にされているのが聞こえましたが、そんなことを全く感じさせない、素晴らしい施設でした。
さて、みなさんはヴォーリズの建築をご存知でしょうか。
私は、あまりこのあたりのことに詳しくはなく、むしろ、ハチセで設計をお願いしている先生方の図面に、感動することの方が日常です。
ですから、有名な建築家の名前を聞いても、その有名な建物と一致しないことが多いのです。ヴォーリズ。確かに、その名前に聞き覚えはあるものの「ハテ?」といったのが正直なところでした。
そんな、ヴォーリズの展覧会を知ったのは、インテリアコーディネーターの資格取得の際にお世話になった先生から、ご案内を頂けたから。(取得後も、あつかましく色々相談に乗って頂いています。)案内のメールには、次のようにありました。
滋賀県の豊郷小学校で取り壊しが問題になりました。あの建築家(宣教師)の展覧会です。
(そういえば、ニュースで話題になっていた小学校があったなぁ~。)そんな程度の印象しかなかったものの、ヴォーリズの作品がどうこうよりも、「先生が勧めて下さる展覧会なら見に行こう」。といった感じでした。
そんな、全く無知なまま会場に足を踏み入れた私は、ヴォーリズの作品を改めて知り、驚きました。普段何気なく見ている建築物。それらの中に、たくさんの作品があったのです。
例えば、同志社大学 今出川キャンパス内 啓明館・アーモスト館・到遠館、関西学院大学、神戸女学院大学、明治学院大学 礼拝堂、大丸心斎橋店、それから、京都四条大橋のたもと、鴨川沿いに建つ中華料理店 東華菜館(京都市下京区四条大橋西詰)などなど・・・
ヴォーリズの建築は、日本のあちこちにあるので、きっとみなさん、どこかで目にしておられると思います。
そんなヴォーリズは、アメリカ・カンザス州に生まれました。熱心なキリスト教徒であり、現在の八幡商業高等学校の英語教師として1905年に来日、英語教育とともにキリスト教教育にも力を注ぎました。そもそもは建築家ではなく、教師だったのです。
しかし、時代は今から100年以上も遡る1907年、キリスト教教育に危機感をもつ住民たちの要請によって職を解かれてしまいました。ヴォーリズ、26歳の頃のことです。
それから、28歳で京都三条YMCAの一室に、建築設計監督事務所開業(後にヴォーリズ建築事務所開設)してから、1964年83歳で亡くなるまでに彼が設計した建物は、協会や学校、ホテルなど、1,600件にものぼります。
ヴォーリズが事務所を開業してからちょうど100年にあたる2008年に開催されるこの展覧会では、ヴォーリズが残した建築作品を写真や映像資料、模型や資料などから紹介し、生活との調和をめざしてヴォーリズが作り出した建築空間の特徴を学校や教会、商業建築や住宅などの作品のなかに見てゆき、建築をとおして理想の生活を築こうとした、ヴォーリズの活動と思想の系譜をたどります。また会場にはヴォーリズが軽井沢に設けた山荘を実物大で再現されています。
「理想の居場所を作る」ことに生涯をかけたヴォーリズ。その世界を体感することができる展覧会です。広大な敷地内にゆったりと建つ、会場である滋賀県立近代美術館とそれを取り巻く文化ゾーンも魅力的です。会期はあとわずか。
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