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12月1日 2007年問題

2005-12-01 | 豆知識
一体どんな不具合が起こるのだろうか。そんな心配を少し他人事な目線で眺めていた1999年の年末。大騒ぎされた2000年問題は、然したるトラブルもなく今日に至っています。

さて、2007年問題もいよいよあと1年にせまりました。
今日は、このことについて考えてみようと思います。

2007年問題とは、「リタイヤメント・バブル」などとも言われ、団塊の世代が定年を迎え始めることで予想される問題のことを言います。

団塊の世代とは、第二次世界大戦直後の1947年~49年にかけての第一次ベビーブームで生まれた人たちのことを言います。前後の世代に比べて人口比が極めて高いため、元・経済企画庁長官で作家の堺屋太一氏が「団塊(=多くの物が集まってできたかたまり)」にたとえ、タイトルにした小説、「団塊の世代」によって世間に広まりました。

団塊の世代はその数の多さから様々な社会現象を起してきました。物心ついたころから競争社会の中で育ち、安保騒動や大学紛争を経験。ベトナム戦争や共産国家の崩壊を目の当たりにしてきました。

社会に出てからは「企業戦士」ということばで知られるように、出世競争の中で日本経済を支えてきました。

高度成長期に採用され、終身雇用と年功序列で賃金の安定を保証する代わりに企業への忠誠を求められた一方、バブル崩壊後は、成果主義の社会の中でリストラの対象となりました。

このように考えると団塊の世代と言われる人たちが常に時代の中心として話題になっていたように思います。

さて、そんな団塊の世代が一斉に定年を迎えると具体的にどのような問題が起こるのか?

毎日新聞の調査によると47都道府県の職員だけでも2007年からの3年間で12万5946人が退職し、退職金は3兆4645億円に上るそうです。私はなんとなく、大きなお金が市場に出まわり、経済が発展する明るい予測に偏っていたのですが、この問題にまつわる資料を読み深める内に、「問題」とされる意味を知りました。

まず、大量リタイヤが日本経済に及ぼす影響を試算するとGDPが16兆円も減少すると言われています。その理由は、①年金負担の増大②福祉コストの増大③技術力の低下などがあげられます。

2000年問題は、コンピューターシステム上の問題でしたが、今回は「ひと」が関わっていますのでより難しいと考えられます。

そんな中、当の本人たちの85%が定年を楽しみにしているといいます。
堺屋太一氏もこれからの10年間を「団塊の世代にとってのゴールデンエージ」と呼んでいるように、これまでの「定年」のイメージとは違い、「老後」という感覚は少ないようです。
体力とお金はそのままに「時間」という自由まで手に入れたまさに最強の集団です。

定年後にお金をかけたいこととして「旅行」や「外食」、「住宅のリフォーム」などというデータに基づき、企業は彼らをターゲットとした商品企画もすすめているようですが、次に時代を担って行かなければならない私たちが、この問題に飲み込まれることなく、明るい未来を創造したいものです。

参考文献
 平成17年11月25日 日本経済新聞
 平成17年11月25日 毎日中学生新聞
 平成17年1月4日  朝日新聞
 平成17年1月号   人材採用情報サイト DISCO HR-PLAZA 
 平成17年5月    ニッセイ基礎研REPORT

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