
U氏は園芸界のレジェンドとも言える方で特にラン科植物については、造詣が深い。
私にとって師匠とも言える方である。
しかし、昨年ご逝去されてしまった。とても悲しい事である。
U氏には、栽培方法というより園芸に対する哲学、日本の園芸界の歴史、特にランの歴史
など沢山の事を私に教えてくれた。これは私にとって大きな財産でもある。
初めて温室にうかがった時は、沢山の見たこともないランが咲き誇っており
まるでパラダイスのようであった。
ランを探しに南米をお供させて頂いた事もある。
丁度その頃は、氏の集大成でもあるマスデバリアの本の制作中であった。
沢山の思い出がある。
悲報を聞きお線香を上げさせていただくためご自宅を訪問させて頂いた。
後年は、園芸も引退され温室はもう見る影も無くボロボロであった。
折角なので温室を見せて頂く事にした。
ご家族の方に訊くと何もありませんよとおっしゃっていたが、数株のピンギキュラを見つけた。
何年も水をやっていないし、これ生きているのですかと訊かれたが
何とかなりそうなのでいただいて帰ることにした。
その株が今日の写真、元気になり花を咲かせるまでになった。
ピンギキュラの生命力には驚くばかりである。