パルスター(ネオジオ)
2007年11月2日掲載
参考:
ビューポイント、
アール・タイプス
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ようやく親元に置いてあったネオジオ(ROM)を自宅に運んできました。ソフトはとりあえず「ビューポイント」と「パルスター」を持ってきました。
本作「パルスター」は横スクロールシューティングです。プリレンダリングによる精緻な画像と、丸ごとサンプリングしたゴージャスな音楽が特徴的です。プリレンダリングにしろサンプリングにしろ、他の専用機材で作ったものをデータ化してROMに格納する強引な技術です。大容量メモリが売りのネオジオROMならではの力技と言えましょう。
さて、横スクロールシューティングに「下にしか撃てない武器」はよくありますが、縦スクロールシューティングに「左にしか撃てない武器」というのはそうそうありません。これはつまり、重力によるゲームフィールドの非対称性が横スクロールシューティングのゲームデザインに関わっているためです。他にも、画面の下の地面を敵メカが歩いていたり、上から障害物が落下してきたりもします。
このような非対称性が地形攻略の必要性を生み、さらに地形の存在が特殊武器を生み出した、と言えるでしょう。したがって、「特殊武器を使いこなして、敵と地形の混合攻撃をいかに攻略するか」というのが横スクロールシューティングゲームのテーマになると思います。
なぜこんなことをわざわざ書くかといえば、本作は誰の目から見ても「アール・タイプ」にそっくりだからです。そして、似てるのが悪いのではなくて、基本のテーマに忠実なのが良い、と言いたいのです。「アール・タイプ」は基本を明確な形で示し、なおかつ極めた名作ですが、これに影響を受けたR系シューティングというものがいろいろあるのです。原点に立ち返り、原点を超える、というのがR系シューティングの目指すところでしょう。
本作の自機の特殊武器として、武器の選択が可能でシールドとしても使える「ボイジャー」と、全方向射撃できる「イオ」があります。いざという時は「ボイジャー」を完全分離してボムとして使うことも可能です。「イオ」は射撃方向の固定と解除が任意に行えます。まずはこれらをうまく使うのが基本です。
このほか通常武器として、各種ミサイル、ショット、溜め撃ちがあります。ショットは連射によってパワーが上がるのですが、この点が他のR系シューティングと趣を異にしています。基本にのっとったパターン化に加え、連射の力押しがなかなか面白いのです。
序盤は難易度も低いので、横シュー入門者にも楽しみながら上達できるでしょう。前述のように、グラフィック・音楽ともにネオジオトップクラスなので、多くの人に触れてもらいたい作品です。基本にして豪華、繊細にして大胆な本作は、シューティングの一つの頂点です。個人的には「ビューポイント」と共にネオジオで一、二を争うほど気に入っています。
さらに個人的な話。メモリ節約のためかROM版の音楽の音質が若干低いのですが、なぜか私はそのこもった音質のデジアナ感に萌えるのです! パイロットの山崎薫さんには萌えないのに。萌えどころ間違ってますか?