倉庫番ベーシック2(プレイステーション)
2007年12月26日掲載、本文中の「倉庫番」をリスペクトしたゲームとは
TPG-1(仮)のこと(リメイク)
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今から20年以上も前の話です。私が中学生になった1984年春、友人がパソコンを持っていたのを見て欲しくなり、両親にねだってパソコンを買ってもらいました。そして分厚いパソコン雑誌を買うようになりました。雑誌の半分は広告でしたが、パソコンの世界を学ぶために全てのページをなめるように読んでいたのです。
その時点ですでにパズルゲーム「倉庫番」は発売されており、当然広告にも載っていました。画面写真は非常にシンプルで、それ故に一瞬でルールを理解し、これは凄いゲームに違いないと直感したのです。ですが、当時「倉庫番」を購入はせず、まわりでは誰も持っていませんでした。にもかかわらず、「倉庫番」をリスペクトしたゲームを自分で作り、友人にプレイさせていました。今思えば、この時にプログラミングの基礎を学んだのかもしれません。
時は流れて大学4年生のころ、研究室のパソコンに「倉庫番」が入っており、そこで初めてプレイしたのでした。そしておそらく難しいステージをセレクトしたバージョンだったのでしょう、プレイしている人はほとんどいませんでした。私はあこがれの「倉庫番」を目の前にしてちまちまとプレイしていたのですが、大学院受験の時期が近づいてきました。勉強しなきゃな~と思っていた時に、研究室の大学院生にこう言われたのです。「入試前にクリアしろ、入試も合格しろ」と。
応援されてるのか邪魔されてるのかよくわかりませんが、私はここでクリアに向けて本気で取り組むようになりました。入試まで時間がありません。試行錯誤していればクリアできる、なんて考えでは時間がかかり過ぎます。そこで考え出したのが(まあ誰もがやっているでしょうが)、最後の一手を特定してから手順をさかのぼる、という手法です。最後の一手がわかれば解法のコンセプトが明確になるのです。もともと完全ロジックのパズルなので、凝った解法が設定されるほど打つ手が決まってくるのです。このおかげで、難しいはずの後半ステージほど容易にクリアできました。
ほどなくして全ステージクリアし、大学院にも合格して、その後現在まで人並みの生活を送ることができております。プログラム作成技術も役に立っています。もし大学生当時、「倉庫番」をクリアすることが出来なければ、勉強に手がつかない→入試不合格→やる気なくす→大学中退→引きこもり、というルートを辿っていたに違いありません。
このように「倉庫番」は私の人生のベースになっているとも言えるのですが、最近中古ゲームショップでプレステの「倉庫番ベーシック2」を見かけたので、安くはなかったけどなんとなく買ってしまいました。腕自慢のプレイヤーが作った難しめのステージが100面収録されています。腕(頭)が鈍ってなければいいなあと思いつつ毎晩プレイしていたのですが、10日ほどで全部クリアしてしまいました。「もう終わり? 金損した!」などとは思いませんでした。むしろ、「倉庫番」の教えが今でも自分の中で生きていることが確認でき、大変うれしく思ったのでした。
今から十年後でも、「倉庫番」はゲーム業界にあり続けているでしょう。それほどのゲームであることは間違いありません。そして、またその時に難しいステージがたっぷり詰まった「倉庫番」をプレイしたいと思います。