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レスピーギ:ローマの松、ローマの噴水、ローマの祭

2010-12-11 20:02:06 | CD


オットリーノ・レスピーギ:
・交響詩「ローマの松」
・交響詩「ローマの噴水」
・交響詩「ローマの祭」

指揮:ユージン・オーマンディ
フィラデルフィア管弦楽団

CBS/SONY: 30DC 788



 イタリアの作曲家レスピーギの代表作であるローマ三部作のディスクです。作曲の順番は、噴水、松、祭ですが、噴水はちょっと地味なのでディスクではこの順番になっているのでしょう。私はレスピーギの曲はこの三部作しかじっくり聴いたことがありませんが、いずれも師匠のリムスキー=コルサコフ譲りの色彩的な管弦楽法で、壮麗で楽しい演奏効果が味わえます。各曲は四部に分かれており、起承転結が明確になっています。

 「ローマの松」では、松そのものよりも、街に植えられた松が見てきた時代風景がテーマになっています。三部作では最もポピュラーで非常にわかりやすく描写的な音楽です。早稲田大学のオーケストラはこの曲をレパートリーにしていて、私も何度か聴きに行ったことがあります。曲の途中でトランペット吹きが舞台からスタスタと歩いて出て行ったかと思ったら舞台裏からソロを吹いたり、鳥のさえずりをレコードや笛で鳴らしたり、クライマックスでは二階観客席にラッパ隊がずらりと並んで高らかに演奏したりと、いろいろ面白いパフォーマンスができる曲です。

 「ローマの噴水」の初演は失敗したらしく、確かにちょっと地味だし、印象派的な書法もあって掴みどころがなかったりします。このようにエピソード性は希薄ではありますが、それでも噴水の水しぶきとキラキラした印象派的な音楽は相性はいいのではないでしょうか。実際私もこの曲の「真昼のトレヴィの噴水」の部分を聴いていたら、突然何か神々しいもの達が水面を渡って行くかのような映像がありありと浮かんできました。ひょっとしたら三部作の中で最も小細工の無い音楽性を持っているのかもしれません。

 猛獣がキリスト教徒を食い殺すという残酷でショッキングな音楽から始まる「ローマの祭」ですが、これらの中では最後に作曲されただけあって迷いの無い派手な音楽です。ただ、怒号や喧噪の表現、教会旋法、マンドリンのソロなど小細工が多くて何だか見世物のようです。私は好きなんですけどね。ちなみに、慶応大学のオーケストラがこの曲を演奏を聴いたことがあります。早稲田大学に対抗したのでしょうか? このディスクでは最後の部分で明らかに曲の途中で編集しているのがわかります。きっとトランペットのソロが音を外してしまったのでしょう。しかも音質まで変わっています。編集するのは構いませんが、もうちょっとうまくやってほしいです。



 YouTubeで見つけた動画。「ローマの祭」の最終部「主顕祭」で、もともと馬鹿騒ぎの音楽ですが、この演奏では終盤で狂ったようなスピードになるので笑えます。まともに演奏できているのでしょうか?


クラシックCD紹介のインデックス

【ゲームクエスト】クロスソード

2010-12-10 20:20:47 | ゲームクエスト
クロスソード(ネオジオ)

2007年11月20日掲載、現在は新たなネオジオ調達済み

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 ネオジオ故障しました。

 …もうホント悲しいですよ。約十年ぶりに本体復活させてから一ヶ月も経っていないというのに。実家から3本のソフトを新たに持ってきたというのに。投稿文のツカミとしては面白いけれど、私はネタでゲームライフを削るほど笑いを追及してはいないのですよ…。

 そんなわけで、新たに持ってきた3本のうちの一つが「クロスソード」です。持ってきてから1時間しかプレイしてないや…。ちなみにROM版では「クロスソード」ですが、CD版は「クロススウォード」と表記されています。登録商標の問題でしょうか?

 本作「クロスソード」については、発売当初はあまり興味がありませんでした。ゲームセンターで一回プレイしましたが、何か難しいなあと感じてその後はプレイしませんでした。

 しばらくして雑誌などを見ていると、「クロスソード」は凄いゲームらしい、熱いゲームらしい、1コインクリア者も多いらしい、ということがわかってきました。そんなことが頭に残っていたので、ゲーム屋でROM版を見かけた時に買ってしまったのです。

 主人公の剣士の背後から見た画面構成で、基本的に敵騎士やモンスターと一対一の斬り合いをするゲームです。主人公も敵も上段と中段の攻撃と防御が可能で、敵を左右に避けながら隙をついて剣戟を叩き込みます。この他、魔法や必殺技も繰り出せます。

 現在の3D化したゲームと比較したら非常にチャチに見えるかもしれませんが、とてつもない緊張感のあるゲームなのです。3Dゲームでは適当に暴れているだけで雑魚どもは倒せますが、本作では敵のほとんどがこちらの攻撃をガードします。したがって、敵の空振りの後、敵の攻撃をガードした後、敵が武器を振り上げた瞬間などを狙って攻撃しなければなりません。

 敵の攻撃を避けきれなかったらガードをしなければなりませんが、上段と中段のどちらかを一瞬で見切らなければなりません。敵はみな殺気がみなぎっており、ガードし損ねて瞬殺されることもしょっちゅうあります。殺気に圧倒されていては、満足にプレイできないでしょう。

 そんな私もはっきり言ってヘタクソです。今のところコンティニューせずに3面に進めればいいところです。そして、ヘタクソなのがなぜか非常に悔しいのです。本作がヘタクソだということは、例えば反射神経・集中力・判断力・操作技術・記憶力・観察力・分析力・発想力・向上心などゲーマーとして欠けてはならない決定的な何かが足りないのだ、という気がしてならないのです。

 だからと言って、義務感で本作をプレイしているのではありません。一瞬一瞬の文字通り真剣勝負の楽しさは、他のどんなゲームにも引けをとりません。大抵の敵にはどこかに隙が設定されているはずです。いずれは魔人ナウシズを倒し、クローレ姫を助け、何より私自身がゲーマーに成りたいと思います。

 強烈な殺気に勝るのは、ゲーマーとしての地力のみ! 力を身につけ、魔界の者どもを殲滅してみせよう! ネオジオ調達した後に!

ロングイェールビーン出張 その4

2010-12-09 19:31:12 | 旅行
ロングイェールビーン出張 その3の続き


ピラミッデンの奥の方は居住地跡です。
雪の対策かどうかわかりませんが、建物全てが高床式になっていました。


町の一番奥には文化施設跡があり、中に入れてもらえました。
ここは入口ロビーで、人が出入りしていた当時のポスターがそのまま残っています。
この楽器はバラライカでしょうか。となりの顔出しボードはイタいです。


体育館です。まだ現役で使えそうです。
すっかり廃墟になった部屋よりも、
こういう小奇麗な部屋の方がリアリティーがあります。
他にも音楽室や美術室、映画上映室などもありました。


文化施設前から眺めると、遠くに先ほど近寄った氷河が見えます。
手前は今までに見られなかったような芝生があります。
なんでも、ノルウェーに対して旧ソ連の優位性を見せつけるために、
ノバヤゼムリャから肥沃な土を運んで来たのだそうです。


前の写真の中央に写っている像の正面で、ロシア語でレーニンと書いてあります。
世界最北のレーニン像だそうです。
私としたことが、ソ連国旗を裏表上下逆に持ってしまいました。


芝生の真ん中の看板です。
アークティク・ウゴル(北極圏石炭鉱業社)、スピッツベルゲンと書いてあります。

つづく

【ゲームクエスト】パルスター

2010-12-08 19:32:06 | ゲームクエスト
パルスター(ネオジオ)

2007年11月2日掲載

参考:ビューポイントアール・タイプス

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 ようやく親元に置いてあったネオジオ(ROM)を自宅に運んできました。ソフトはとりあえず「ビューポイント」と「パルスター」を持ってきました。

 本作「パルスター」は横スクロールシューティングです。プリレンダリングによる精緻な画像と、丸ごとサンプリングしたゴージャスな音楽が特徴的です。プリレンダリングにしろサンプリングにしろ、他の専用機材で作ったものをデータ化してROMに格納する強引な技術です。大容量メモリが売りのネオジオROMならではの力技と言えましょう。

 さて、横スクロールシューティングに「下にしか撃てない武器」はよくありますが、縦スクロールシューティングに「左にしか撃てない武器」というのはそうそうありません。これはつまり、重力によるゲームフィールドの非対称性が横スクロールシューティングのゲームデザインに関わっているためです。他にも、画面の下の地面を敵メカが歩いていたり、上から障害物が落下してきたりもします。

 このような非対称性が地形攻略の必要性を生み、さらに地形の存在が特殊武器を生み出した、と言えるでしょう。したがって、「特殊武器を使いこなして、敵と地形の混合攻撃をいかに攻略するか」というのが横スクロールシューティングゲームのテーマになると思います。

 なぜこんなことをわざわざ書くかといえば、本作は誰の目から見ても「アール・タイプ」にそっくりだからです。そして、似てるのが悪いのではなくて、基本のテーマに忠実なのが良い、と言いたいのです。「アール・タイプ」は基本を明確な形で示し、なおかつ極めた名作ですが、これに影響を受けたR系シューティングというものがいろいろあるのです。原点に立ち返り、原点を超える、というのがR系シューティングの目指すところでしょう。

 本作の自機の特殊武器として、武器の選択が可能でシールドとしても使える「ボイジャー」と、全方向射撃できる「イオ」があります。いざという時は「ボイジャー」を完全分離してボムとして使うことも可能です。「イオ」は射撃方向の固定と解除が任意に行えます。まずはこれらをうまく使うのが基本です。

 このほか通常武器として、各種ミサイル、ショット、溜め撃ちがあります。ショットは連射によってパワーが上がるのですが、この点が他のR系シューティングと趣を異にしています。基本にのっとったパターン化に加え、連射の力押しがなかなか面白いのです。

 序盤は難易度も低いので、横シュー入門者にも楽しみながら上達できるでしょう。前述のように、グラフィック・音楽ともにネオジオトップクラスなので、多くの人に触れてもらいたい作品です。基本にして豪華、繊細にして大胆な本作は、シューティングの一つの頂点です。個人的には「ビューポイント」と共にネオジオで一、二を争うほど気に入っています。

 さらに個人的な話。メモリ節約のためかROM版の音楽の音質が若干低いのですが、なぜか私はそのこもった音質のデジアナ感に萌えるのです! パイロットの山崎薫さんには萌えないのに。萌えどころ間違ってますか?

手放したゲームたち その7 モチベーション上がりません

2010-12-07 19:23:40 | ゲーム
・LSD(プレイステーション)
【一言】自称ドリームエミュレータ。不思議な場所を歩き回って、そこで起こる出来事を楽しむことを要求される。動きも悪いし、ポリゴンのテクスチャをランダム?に変えてるだけ。アートぶってるのが片腹痛い。
【もう一言】変な音楽CD入り。


・SIMPLE1500シリーズ Vol.13 THE レース(プレイステーション)
【一言】SIMPLEなレースゲーム。SIMPLEゆえに、コースは基本的に2つ。2つゆえに、その中で多くのテクニックが必要。ゆえに小難しくなっている。急カーブ多し。立体感とか視点変更がイマイチ。
【もう一言】あまりにも頭に来て、一度ディスクを叩き付けたことがある。


・アシッド(プレイステーション)
【一言】3Dフィールド内で、放物線を描いて飛ぶボールを打ち出してターゲットを破壊するパズルゲーム。一見カッコいいが、弾数制限が厳しいとか、タイミング合わせが難しいとか、ジャケットがバカそうだとか。


・グレイトヒッツ(プレイステーション)
【一言】ビデオクリップを編集して売れる作品を作るというアイデアはなかなか面白いし、適当に作ったやつがそれなりに見えるのも嬉しい。ただネタ探しがめんどくさく、キャラが変な人形みたいで盛り上がらない。


・ザ・スターボウリングDX(プレイステーション)
【一言】人気声優達と一緒にボウリングを楽しむ!…って誰このオバサン達? それでいてアニメ声はキツい、って声優なんだっけか。4枚組のディスクのうち2枚はおまけなんだが、「文節スロット」、笑えねー。
【もう一言】以下に文節スロットの例を記す。これで笑える奴が怖い・・・。

 文節スロット! ごほうびに、面白いことしてあげようか!
 「ある日私は」
 「スタジオで」
 「宇宙人とお茶して」
 「富士山に向かって」
 「過ごしました」
 ね?面白かったでしょ?

 文節スロット! ごほうびに、面白いことしてあげようか!
 「ここだけの話ですが」
 「友達の家で」
 「二十日ネズミを買って」
 「納豆蕎麦についての議論を交わし」
 「大きく息を吸って,しゃがみました」
 ね?面白かったでしょ?


・トンズラくん(プレイステーション)
【一言】トンズラくんを操作してブロックを積み上げ、トンズラちゃんに会いに行くパズル。猿の知能テストみたい。オープニングムービーは正視できないほどキツい。音楽は東京スカパラダイスオーケストラ。
【もう一言】昭和のスクールメイツ・・・。


・パワーレンジャー ピンボール(プレイステーション)
【一言】パワーレンジャーは、日本の戦隊モノの戦闘シーンと、アメリカ人によるドラマ部分をくっつけたもの。それがさらにピンボールになって、もうわけがわからん状態。ハードレベルはイライラする。
【もう一言】イージー、ノーマルはノーコンティニュークリア。


・ファイロ&クロード(プレイステーション)
【一言】アメリカンカートゥーンアクションシューティング。グラフィックは妙に印象に残るが、爽快感はなく変に小難しい。動きもヌタヌタしててストレスがたまる。ビシバシステムの吹き替えも神経逆なで。


・マッド パニック コースター(プレイステーション)
【一言】高速で走るトロッコをレールから外れないように操作するアクションゲーム。邪魔する敵も出現し、爆弾を投げて倒すこともできる。グラフィック、サウンド、題材、難易度など、明らかに海外市場向け。
【もう一言】ひょっとしたら面白いのかも。


・モータルコンバットトリロジー(プレイステーション)
【一言】アーケードで話題になった実写取込みアメリカン残虐格闘の集大成。なんの実写って、いい歳したコスプレ外人。けれど半分くらいがアメリカン忍者で、色違いの使いまわし。残虐フィニッシュムーブが笑える。
【もう一言】売っちまったけど、今これプレミア付いてるんだよね・・・。


・ロボトロンX(プレイステーション)
【一言】古典的洋ゲーの続編のはずが、なんか別のゲームが混ざったみたい。フィールド上に掃いて捨てるほど現れる敵を8方向に撃って倒す。無茶な敵キャラ数で、動きがコマ落ちしすぎてトビトビ。


・熱血親子(プレイステーション)
【一言】ファイナルファイトタイプのアクション。もうキャラとか技とか攻撃のつながりとかゲージとかそのまんま。まあクジラの背中で戦うとか変な見どころはあるが。ケースに「超・燃ゑる」とか書いてある。

【ゲームクエスト】10101 "WILL" The Starship

2010-12-06 19:17:08 | ゲームクエスト
10101 "WILL" The Starship(プレイステーション)

2007年10月3日掲載

参考:里見の謎

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 2006年8月、国際天文学連合総会にて冥王星が惑星から準惑星へと降格になった。これについて、意外にもクラシック音楽界が沸き立ったのである。なぜなら、イギリスの作曲家ホルストの作品である組曲「惑星」には冥王星がなかったからだ。冥王星発見以前に作曲されたためである。この一件によって、組曲「惑星」は科学的基準によって名実ともに完全なものとなったのである。

 組曲「惑星」は本来は占星術における惑星の性格を表した音楽であるが、大編成オーケストラによる壮大なスペースサウンドが魅力の人気曲だ。その旋律の一つを使って、近年では平原綾香が「ジュピター」を歌ったのは有名である。ポップスとしても通用する「惑星」の通俗性を軽視する自称「クラシック通」も多い。だが、構築的なオーケストレーションや意外性のある構成によって、クラシック音楽は初めてという人はもちろん、真の「通」にも十分に楽しめる名曲だ。

 前置きが長くなったが(この先も長くなるが)、そんな組曲「惑星」をBGMとしたがために、かえって空しさを増大させてしまったショボショボのゲームが本作「10101 "Will" the Starship」である。わかりづらくて憶えにくいタイトルとしては、「チャタンヤラクーシャンク」に次いで日本で2番目だ。

 本作は、あの「里見の謎」のサンテックジャパン(サウンドテクノロジージャパン)の第二弾である。プレイヤーが期待すべきベクトルも定まろうというものだ。ちなみにBGMの「惑星」はもちろん生音ではなく、プレステ内蔵音源だ。さすがサウンドテクノロジー! 以下では、BGMとなる組曲「惑星」を足がかりに、ゲーム内の各パートを述べよう。

★第4曲:木星──快楽をもたらす者

 輝かしく壮麗な「木星」は、組曲中で最も盛り上がる有名な曲である。祝典的な響きの中、プレイヤーの立場とゲームの目的が告げられる。地球人の末裔「ノア」の一人としてプレイヤーは最新鋭宇宙船“Will”を指揮し、謎の敵対勢力「ケアス」と戦うのだ。続いて、同行するクルーたちの紹介だ。いまひとつ頼りにならなそうな面々であるが、後述するがこれがまた本当に頼りにならんのだ!

 このゲームはメッセージが全てフルボイスで読み上げられる。しかも声優はやたらと豪華だ。飯島愛も声優に初挑戦! まあそんなことが売りになるなんてゲームとして間違っているんだけど、サンテックジャパンの意気込みは買おう。

 また、平原綾香など多くのアーティストが使った旋律は、イベントシーン等で聴くことが出来る。

★第2曲:金星──平和をもたらす者

 静かで美しいBGM「金星」が流れるのは、ゲームのメインとなるフィールド画面とブリッジ画面である。「平和をもたらす者」の文字通り平穏な時が過ぎる、わけではなくて、これらがこのゲームでもっとも心の平静を乱す部分なのである。

 フィールド画面の宇宙は2次元平面である。これはひょっとして物理学で流行の「超弦理論における次元の巻き上げ」ですか? そしてどうやらこの平面宇宙には階層構造があるようだ。宇宙の階層構造なんて仰々しいが、要するに2次元マップにおける○階建てのタワーのようなものだ。それを宇宙でやってしまうなんて、私のゲーム暦の中では「クルーズチェイサー・ブラスティー」以来かもしれない。しかも我が最新鋭艦“Will”は止まれないし、ゲーム初期では鋭角的に曲がれない。さらに障害物で囲まれていたりしたら大変だ。体育館の中でブレーキの利かない自動車を運転しているような感じだ。

 フィールド画面からブリッジ画面に切り替えると、艦長の位置から艦橋内部を見渡した画面になる。ここでは各クルーに指示を出し、装備を整えたりできる。他にも船体の各機能のチェックをさせるコマンドがあるが、明らかに船が異常な行動をしているのに、こいつらときたらプレイヤーが指示しなければ気づきもしないらしい。人に言われなければ何もやらないなんて、お前たちはイマドキノワカモノか! しかも結構頻繁に異常事態になるからたまらない。船もクルーも全部取り替えてくれ!

 止まれない最新鋭艦“Will”は移動するだけでもかなりの量のエネルギーが必要である。これを回復するには、敵と戦ってVP(経験値と金を兼ねたポイント)を稼がなければならない。このことから、(1)勝手に移動してエネルギーを消費、(2)敵と戦ってVPを取得、(3)VPを消費してエネルギー補給、というエンドレスワルツと言うよりはバミューダトライアングルのような沈没船プレイが要求されるのがわかるだろう。だがこれを幾分か回避する手段もある。ブリッジ画面にしておくと移動しないですみ、敵も勝手に現れてくれる。索敵すると効率アップ。いたって暇なプレイだが、序盤のVP稼ぎには不可欠だろう。

★第1曲:火星──戦争をもたらす者

 組曲の冒頭を飾る好戦的な「火星」は、5拍子のリズムを持つ緊迫した音楽であり、戦闘シーンにこそふさわしい。宇宙戦争というテイストにベストマッチしたBGMに乗り、遠距離用の主砲と近距離用の副砲を使い分け、敵を撃破せよ! 3Dシューティング画面で敵を狙い撃つ戦闘シーンは本作の売りの一つだ!

 …などと書けば威勢はいいが、3Dとは言っても敵は画面上の決まった軌道をせかせかと移動するだけだ。決まった軌道、つまりは実質1次元だ! 捕捉した敵には必ずヒットするというシステムも、3次元の奥行きを無視したものとなっている。照準は2次元的に動かせるが、それを考慮して大目に見ても、せいぜい1.5次元といったところだろう。お世辞にも3次元とは言えず、文字通り「低次元の争い」である。

★第6曲:天王星──魔術師

 「天王星」は幅広いダイナミックレンジと千変万化する曲想を持ち、どこか狂信的な雰囲気がある。私が一番好きな曲だ。浮遊感のある奇妙な旋律のもとで、アイテム取得(拾得)イベントが始まる。だが、アイテムの動きがBGM以上に浮遊感があり奇妙なので、慣れないとうまく拾えないだろう。

 宇宙に最新鋭以上の装備品が落ちているのも変な話だが、これを拾わないとパワーアップできないので文句は言うまい。しかしながら、拾えても拾えなくてもコケにされるようなコメントをフルボイスで拝聴することになるのは、文句が喉まで突き上がってくること請け合いだ。

★第3曲:水星──翼のある使者

 「水星」は軽快なスケルツォ風の楽曲である。中間部に一瞬見せる重層的な側面も印象的である(ゲーム中のあるイベントで使われている)。この曲は主にスペースコロニー内で流れる音楽であるが、「いらっしゃいませーっ!」のボイスがこれまたBGM以上に軽快、というか場違いで、プレイヤーは腰砕けとなろう。

 コロニーやステーションではエネルギー補給、アイテム鑑定、セーブが可能であり、頻繁に立ち寄ることになるだろう。オペレータは美人ぞろいだが、階層によっては宇宙ハニワが出てきたりするので油断はできない。また、エネルギー補給は容量の小さいエネルギーパックを装備しているとVP支出を抑えられるというワンポイント攻略から、まるで本作のテキトーに作られたプログラムが透けて見えてくるかのようだ。

★第5曲:土星──老いをもたらす者

 憂いに満ち、打ち鳴らされる鐘が印象的な「土星」は、組曲の中でも最大規模である。シリアスで厳しいが、暗くはなく、余裕も感じさせる。イベントシーンでイントロが使われているのみであるが、そのイベントシーンとは、クルーの中でただ一人ご老体の「ドク」が巻き込まれるものである。選択肢によってはほとんど素通りできるようであるが…。

 宇宙の階層の幾つかでは、クリアのためにイベントをこなさなければならない。ちなみに本作は、クリアしてもエンディングは無く、いきなりスクリーンセーバー風の映像と島紘子の歌が素敵なスタッフロールが始まる。さらにクリアデータで再開すると、新たな武器やイベントが追加された続きがプレイできる。

 さらに真のエンディングでは、ドクが地球の衝撃の歴史を語ることになる。その時に、タイトルの「10101」の意味が明かされるのだが、なんだか納得ができなかった。

★第7曲:海王星──神秘主義者

 女声合唱を伴い、無限の恒星間空間へと消えていくかのような組曲最後の「海王星」だけは、ゲーム中で確認されていない。ひょっとしたらイベントの選択肢によっては聴けるのかもしれない。その確認は皆さんにお任せしたい。この曲だけ使われていないのはおかしいが、このゲームがおかしいのはこれに限ったことではないので、気にしないことにしよう。

 以上、茶化して書いた部分もあるが、私は本作を意外と気に入っている。ケース裏には、シューティング、RPG、アドベンチャーなどと書いてある。それだけを見ると、本作はそれらをごった煮にして自己満足に浸っているジャイアンシチューのようなゲームに思われるかもしれないが、実はそんな浅はかなものではない。プレイヤーは艦長として宇宙船の全てを把握して的確な指示を出す、言わば「宇宙船運営シミュレータ」なのである。

 近年のゲームで、本作以上に、宇宙の深淵を自在に駆け巡るゲームが果たしてどれほどあるというのか?

 本作はファミコンの「スターラスター」に近いとの評をよく聞くが、私個人としては太古のパソコンゲーム「スターフリート/B」を思い出した。この作品は、性能の低い当時のパソコンの内部に3次元宇宙空間を再現した夢のゲームであった。戦艦のエネルギー量や兵器をマネージメントしながら敵を倒し、宇宙の広さと未知の危険に挑むという構成は、本作がそのまま受け継いでいる。

 このように、本作は古いゲームを進化させたものだ。だが進化の途中で3次元の宇宙空間は次元を一つ落っことし、代わりに拾ったのが「だめで、ございましたのねぇ。おほほほほほ」という飯島愛のボイスだったのはすこぶる残念だ。それでも私は、何かおかしな点はあっても本作を好む。カメラ視点の「ドラマ」ではなく、プレイヤー視点の「ゲーム」があるからだ。

 クラシック(古典的)なゲームには、クラシックな音楽が合うのかも知れない……。

 ……と言えれば格好がついたんだがなぁ。完璧に音楽に負けてるよなぁ。

時々ダライアス 瑣末な更新1025万

2010-12-05 19:25:05 | ゲーム


 つい数日前にEXTRAで1024万に更新して、それからたったの1万点も記録更新していないのに記事にしてしまおうという意地汚い根性!

 とはいえ、ダライアスばかりなのも生臭いので、最近のゲームライフについて紹介。

ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット(公式サイト
 今年後半、一番やり込んでいる作品。以前に現状を報告したようにやり直しデータで進めており、現在は渡航許可証も取らずに自由行動。セイボリーの嫌いなものをマーク。ハト時計ブレストを装備。前回取り逃がしたア・マモール遺跡のプレートを取得。ゴールドーン廃坑の発掘品はあと一つ。ディスクの読み込みが悪いので、早くクリアしたいところです。

眠ル繭
 プレステの3DダンジョンRPG。雰囲気はクーロンズ・ゲートとバロックを合わせたような感じ。グラフィックやサウンドは神秘的で美しいのですが、動きがイマイチ。出て来た敵は、梅干し、人参、イクラ・・・。戦闘シーンはアーバンチャンピオンを思い出しました。とりあえず地下7階まで進んでいます。この雰囲気に慣れればかなりのハマり要素がありそうなので、いずれじっくりレビューしたいですね。

その他
 究極タイガーは8面まで。ガンダム無双2をちょいちょい。JavaScriptでの新作に着手するも、ゲームとして成立するのか直感的にわからない状況、年内にできるかな?

【ゲームクエスト】グラディウスIII&IV ~復活の神話~

2010-12-04 19:12:04 | ゲームクエスト
グラディウスIII&IV ~復活の神話~(プレイステーション2)

2007年10月1日掲載

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 1989年に発売されたアーケード版「グラディウスIII」は飛び切り過酷なシューティングゲームでした。私は発売数年後にようやく一周クリアしました。大変苦しかったですが、それでも試行錯誤は楽しかったのです。

 そんな苦労をしてもなお、プレステ2版で自己新記録を目指して、今でも時々引っ張り出してはプレイしています。その緊張感によって何回プレイしてもだれる事がなく、現在でも楽しめるゲームであると考えています。

 まっとうな方法で「グラディウスIII」を一周クリアし、エンディングを観たプレイヤーはこう考えるでしょう。ゲームは全てのプレイヤーにエンディングを見せる義務はない、と。

 これは、クリアした者の特権意識ではありません。ゲームの「競技性」が失われないでほしいとの思いなのです。ジャンル問わず、ゲームとは対戦相手、競争相手、CPUとの競技です。

 クリアしなくても楽しいし、クリアできればもっと楽しい。競技とはそういうものだと思います。そう考えてプレイしていると、突然すごい記録が出たりするから不思議です。そして……

 「名プレイ」を語りたい。

 人並み超えたセーブデータを刻み込みたい。

 そう思った瞬間、人は「ゲーマー」になるのです。

 ……なりたくないですか……。そうですか……。

スティーヴ・ライヒ:八重奏曲、他

2010-12-03 18:19:13 | CD


スティーブ・ライヒ:
・大アンサンブルのための音楽
・ヴァイオリン・フェイズ
・八重奏曲

ピアノ:スティーヴ・ライヒ
ヴァイオリン:シェム・ギボリー


ECM: 827 287-2



 ライヒと言えばミニマル。ミニマルと言えばライヒ。テクノや民族音楽とも相性が良いミニマル・ミュージックというものを世間に認識させたのは、一応クラシック畑に分類されないでもないスティーヴ・ライヒその人です。

 もともとライヒが作曲するにあたってのコンセプトとして、作曲家の個人的な情緒を一切排除し、なおかつ演奏者の解釈や偶然性に頼らずに作曲家が完全に制御する、というものがありました。その結果として出来たのが、テープに録音した人の言葉(意味は重要でない)を2トラック同時にひたすら繰り返して流し、一方のトラックがちょっとずつずれていくという、「それの何が音楽なの?」と疑問を抱かずにはいられない作品でした。本ディスクではヴァイオリン・フェイズがその系譜になります。

 その後ライヒは方向を修正し、基本的な音パターンを繰り返しつつもアンサンブルが色彩的に変化していくという、より「音楽的」な作品を作るようになります。それはまさに長大な織物のようであり、とても耳に心地よく、それでいて強靭な発展性を持っていたのです。クラシックの1ジャンルである現代音楽は、音楽の形式や権威をブチ壊そうとしていながら、逆に個人の作曲技法の中に閉じこもって行きました。私のような好き者ならそれも面白いのですが、作曲者以外には知りようがない理屈で固められた音楽など聴きたがる人は少ないでしょう。ライヒが発掘したミニマル・ミュージックによってクラシック音楽が聴衆の耳に戻って来た、という面もあったと思われます。

 私はこのディスクを聴きながら都会を歩くのがとても好きです。「大アンサンブルのための音楽」や「八重奏曲」は似たような音のパターンを繰り返して無機的に聴こえるようで、実はちょっとずつ音楽が変化していき、全体として大きな流れが存在しています。このことが都会の風景の移り変わりに重なるのです。ドライブにもいいかもしれませんね。



 恐らく同じ音源の「大アンサンブルのための音楽」の動画。作曲者もピアニストとして参加しています。爽やかな曲ですが、6拍子の曲が途中で5拍子に変わり、また6拍子に戻るあたりがちょいと捻っています。


クラシックCD紹介のインデックス

【ゲームクエスト】SIMPLE1500実用シリーズ Vol.16 猫の飼い方 ~世界の猫カタログ~

2010-12-02 19:03:52 | ゲームクエスト
SIMPLE1500実用シリーズ Vol.16 猫の飼い方 ~世界の猫カタログ~(プレイステーション)

2007年8月14日掲載

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 今回の「非ゲーム」ソフトは「SIMPLE1500実用シリーズ Vol.16 猫の飼い方 ~世界の猫カタログ~」です。猫は好きですが、集合住宅に住んでいるため飼うことが出来ず、せめて映像だけでもと購入したのです。

 主なメニューは、猫を飼う際の注意点等をテキストで学ぶ「猫の飼い方」、世界の飼い猫42種の詳細データが閲覧できる「世界の猫カタログ」、飼い猫の映像が鑑賞できる「にゃんにゃんムービー」の3つがあります。なぜか「にゃんにゃんムービー」という字面に不穏な空気を感じます。メニュー画面で小判が回っているのも、何が言いたいのでしょうか。

 非ゲームソフトでもゲーム的な部分を持つことはよくあるのですが、本作でも猫の名前当てクイズがあります。「世界の猫カタログ」にある写真を見て、その種類の名前を当てるクイズです。全問正解すると追加の「にゃんにゃんムービー」を観ることが出来ます。

 猫の種類の名前当てクイズなんか、ゲームと呼ぶほどのものではありません。単なる記憶力テストです。が、その記憶力テストが、30代半ばの私の前に巨大な壁として大きく立ちはだかるのです!!

 記憶力が減退しているのか、生活習慣なのか、カタログを一目見て覚えるようなことはとてもじゃないができません! 特徴的な猫もいるのですが、多くはみな普通の猫に見え、さっぱり区別がつきません! 最近になってようやく「ガンダムSEEDシリーズ」のモビルスーツを見分けることが出来るようになった程度の私には、過酷なミニゲームです。

 カタログのうち半分くらいは、私もかわいいと思える猫です。ですがあと半分はどうも私のかわいさのツボからはずれているようです。中には全身の毛が無く、猫はおろかケモノも通り越して、もはや宇宙人とも思える種類もあります。そういえば、ケースの裏側に「こんな猫がいたなんて!」と書いてありました。

 クイズはランダムに10問です。選択肢はなんと20もありますので、当てずっぽうではまず正解しません。やはり確実に覚えていくのが全問正解への近道のようなので、クイズとカタログをひたすら往復します。それにしても、私は猫と触れ合うことで和みたいのであって、猫博士になるつもりはないのですが・・・。

 有給休暇をとった平日の真っ昼間、30代半ばのオッサンが、猫の名前当てクイズに没頭しているなんて目も当てられません。ですが、クリアできないのはもっと悲惨です。そしてついに、たった10問のクイズに対して1時間の苦労の末に、ようやくクリアです! 解除されたムービーは・・・、他のムービーと同じ猫な上に、ツボからハズレていました。

 しかもメモリーカードへクリアデータを保存する機能がありません。後日ムービーを観たくなったらまたクリアしなければなりません。そのたびにあの苦労を乗り越えなければならないのです。ですが一度観たらもう十分です。「実用シリーズ」というには、おかしな点が多いと感じました。

 けれども、何よりおかしいと感じるのは、私がこのムービーを観たのはこれで二度目だということなのです・・・。