大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

山岸幸一さん

2009-10-07 17:54:37 | 日記
 彼は自分のイメージ通りのものをつくり出すために、桑畑を耕し、蚕を飼い、繭をつくり、真綿を掛け、糸引きをし、草木染めの原料となる植物を育て、灰汁をつくるための樹木を植え、それぞれの季節に糸を染め、機で織るまでをすべて自分1人の手で行っている。
 特に山岸さんの創作を代表する紅花染めは、夏に紅花餅をつくり、冬に糸を染めて一年寝かせ、それを3年繰り返すため、繭から反物が織り上がって世に出るまでには実に6年の月日がかかるという。生業とするには無理があまりにも多いということは、山岸さん本人もたぶんご家族も重々承知しているはずだ。でも、自分が納得のいくモノをつくろうとしたら、そうするしかないのだろう。自然の恵みを生かすために人間界の都合を捨て、自然のサイクルの中に溶け込んでしまった人。どこにも妥協や嘘のない作業を一心に繰り返す姿は禅僧のようにも見えてくる。

『蚕からの着物づくり 天の虫 天の糸』より引用


http://okawara.vox.com/ でも『大川原有重の日記』を綴っています。どうぞよろしくお願いします。