位置
しずかな肩には
声だけがならぶのでない
声よりも近く
敵がならぶのだ
勇敢な男たちが目指す位置は
その右でも おそらく
そのひだりでもない
無防備の空がついに撓み
正午の弓となる位置で
君は呼吸し
かつ挨拶せよ
君の位置からの それが
最もすぐれた姿勢である
石原吉郎
「サンチョ・パンサの帰郷」(昭和39)所収
この詩は私が京都の大学時代に愛誦していた詩です。かなり石原吉郎さんを追っかけていた事があり、著書もだいたい読みました。望郷と海というタイトルの本は特に感銘を受けました。
『石原吉郎全詩集』が花神社という出版社から発行されているのですが、この本がどうしても欲しくって神保町や京都の古本屋さんを百数十軒探しまわった事がありますね。真夏の大阪、高槻辺りのデパートの書籍売場でこの分厚い詩集を見つけたときは小躍りして喜びましたね。(今はインターネットで瞬時に好きな本を見つける事ができ大変便利な社会になりましたけど足を棒にして本を探す、という行為も結構良いと思うんですけどね。)
しずかな肩には
声だけがならぶのでない
声よりも近く
敵がならぶのだ
勇敢な男たちが目指す位置は
その右でも おそらく
そのひだりでもない
無防備の空がついに撓み
正午の弓となる位置で
君は呼吸し
かつ挨拶せよ
君の位置からの それが
最もすぐれた姿勢である
石原吉郎
「サンチョ・パンサの帰郷」(昭和39)所収
この詩は私が京都の大学時代に愛誦していた詩です。かなり石原吉郎さんを追っかけていた事があり、著書もだいたい読みました。望郷と海というタイトルの本は特に感銘を受けました。
『石原吉郎全詩集』が花神社という出版社から発行されているのですが、この本がどうしても欲しくって神保町や京都の古本屋さんを百数十軒探しまわった事がありますね。真夏の大阪、高槻辺りのデパートの書籍売場でこの分厚い詩集を見つけたときは小躍りして喜びましたね。(今はインターネットで瞬時に好きな本を見つける事ができ大変便利な社会になりましたけど足を棒にして本を探す、という行為も結構良いと思うんですけどね。)