大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

歌舞伎座解体に思う

2010-03-29 14:31:07 | 能・歌舞伎
 昨日は久しぶりに歌舞伎を見てきました。坂東玉三郎さんの演じる巴御前は、とても艶やかな姿でした。衣装も豪華で玉三郎さんのこだわりを感じました。あと一ヶ月で歌舞伎座が解体消滅するのはとても残念を通り越して憤りを感じます。私の周りでは、歌舞伎座の解体について賛成する人は誰一人いません。たいがいの人は、「どうして壊すんだろうね?」と首をひねっています。国立劇場や新橋演舞場で歌舞伎をみても特別感動しないような気がするのは錯覚でしょうか。歌舞伎座で歌舞伎をみるというのは、『日本らしさ』の残っている建物の外観と会場の独特な雰囲気も含めて、『歌舞伎を楽しむ』ということではないのでしょうか。日本の重要文化財の消失と言っても過言ではないと思うのですが…。マスコミでも歌舞伎座の解体について、反対の意思表示が表面化していないように思うのですが、とても不思議です。高層タワーが作られ、その一角に新しい歌舞伎座が入居するそうですが、歌舞伎の人気は後退するような気がします。おろかな、経済功利主義者が愚行をくり返す日本の哀れな姿だと思います。歌舞伎役者の誰一人、歌舞伎座解体に反対の声を上げない、もしくは声を上げることを許さない歌舞伎界もお気の毒だと思いますが、日本人の貴重な財産が消えるんだな、と思うとすごく残念です。新しい建物は、大変高名な建築家の設計だそうですが、単なるお金儲けのくだらない人間として、きっと歴史に名を残すと思います。京都の南座でこれからは歌舞伎を見ようかな、と思っています。

御名残三月大歌舞伎

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