個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

公立高校の入試制度も見直すべきでは

2018-10-15 10:04:35 | 不登校
おはようございます。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

他の地域でも同じかもしれませんが、大阪の高校受験は私立高校と公立高校のどちらかを選んで受験します。入試の時期は私立が2月上旬で、公立が3月上旬となっています。受験の仕方は、私立一本にしぼって受験する専願と、私立と公立の両方を受験する併願と2通りあります。私立専願のメリットは、多くの私立高校では専願の方が併願の受験生よりも合格基準点が低いため合格しやすくなります。

受験生は行きたい学校が私立なら専願で、公立なら私立をすべり止めにして、併願で受験するというどちらかを選びます。

私立か公立かを選ぶときに、重要なポイントの1つとして、その受験制度の違いがあります。公立高校では、中学校での内申点と本番の入試の得点の合計で合格が決まるのに対して、私立ではほとんどの学校で内申点は関係なく、本番の入試の得点のみで合否が決まります。ですので、定期テストの点数はよかったけれど、副教科の実技が苦手だったり、提出物を忘れていたりして内申点が5教科の学力と比べて低くなってしまった子は、公立受験では苦戦してしまいますので、私立専願にすることはよくあります。内申点は3年生の2学期の終わりには、だいたいわかりますので、それまで公立志望だったのに、あまりの内申点の低さで私立専願に切り替えた生徒も何人もいました。

副教科の実技が苦手なために高い内申点がもらえなくて偏差値の高い公立高校に受験できなくなる今の制度には疑問がありますが、それについては以前に書きましたので今日は別の問題点にふれます。

公立高校という選択肢がなく、私立専願の道しか選べない子がいるんです。それは不登校の子です。不登校の生徒は、出席していませんし課題も出していません。そして定期テストも受けていません。ですから自動的に成績をつけることができず、内申点が必要な公立高校に合格することはほぼ絶望になります。不登校の子でも、保健室登校をしたり、テストだけは受けに行ったりしている子もいてまして、そういった子は多少の内申点をもらえますが、十分な内申点かと言えばそうではなく、学力に見合った内申点をもらえる可能性は低いです。ですので、この子たちは「頑張って高校から学校に行くんだ!」と決意しても、最初から公立高校を省いて私立高校の中から受験校を探さなければなりません。

「出席もしてないし、テストもちゃんと受けていないねんから、内申点が低いのは当たり前や。ちゃんと頑張って学校に行って、提出物も出している子と差をつけなければ真面目にやってる子がかわいそうや」
すごくよくわかります。私も真面目に頑張っている子が評価される学校でなければならないと思っています。

ですが、学校が原因で不登校になった子もいます。たとえば、同級生による「いじめ」であったり、教師による暴言など。そんな子が同じ学校に行けると思われますか?

行けるはずありません。「いじめた」側の生徒や教師は何のペナルティーもないのに、被害を受けた生徒は内申点ももらえず、公立高校への道が断たれてしますのです。なんなんだ?この制度は?

「いじめ」が原因でなくても、学校に行けない理由はたくさんあります。他人からすると些細などうでもないような理由かもしれませんが、本んからしたら大きな大きな、抱えきれないほどの問題なんです。だれだって、学校に行かないといけないと思っています。でも行けないんですよ。それほどの大きなものを抱えているんです。そんな彼らが「高校からは頑張って学校にも行きたい」と決意しても公立高校には行けないのです。

もっというなら、例えば中高一貫校の中学生が、そのまま高校に上がらず、別の高校に受験したとします。ですが、内申点のつけ方は公立と私立とでは異なります。かなり有利な点数をつけてもらえることもありますし、その逆もあります。しかも、内申点に大きな影響を与えるチャレンジテストを私立中学の子は受けていません。公立の子はチャレンジテストで内申点が大きく左右されるにもかかわらずです。この時点で平等な受験ではないんですよね。

普段の頑張りを評価してあげる内申点というものの存在はあっていいと思います。特に小学生や中学生の間はテストの点数以外のところで評価することは大切です。ですが、あまりにも受験の合否に関わるウェイトが大きすぎて、一度レールから落ちた子はもとに戻れないようになっています。それでますますやる気も失ってしまう子どもがどれだけ多いか!

まだ10代半ばの子どもなんです。やり直すチャンスなんていくらでもあげましょうよ。何か大きな罪を犯したわけでもないんですよ。ただ学校に行かないという選択をしただけなんです。一番傷ついているのは本人です。そんな子どもが、もう一度学校に行こうと頑張っているんですから、それを応援してあげるのが優しい社会なのではないでしょうか?

少子化にもかかわらず、不登校の子どもの数は減少傾向にありません。それどころが増えています。小学校からの英語教育や大学受験の新テスト導入もけっこうですが、もっと根本的な部分の見直しを早急にしないとなにもかもが無意味に崩壊してしまいます。日本の教育の在り方を今こそみんなで考えていかなければならないのではないでしょうか。

ONE-SのHP


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