個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

みんな自分のことで精一杯で他人のことなんて見てないんですけどね

2017-12-07 11:15:53 | 不登校
こんにちは。堺市西区上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

気がつけばもう12月で、毎年のように言ってますが、今年もあっという間に終わってしまいます。ONE-Sを開校して2年、塾の仕事を始めてからですともう19年となります。足腰も弱くなり、体力がなくなってるのも納得ですね。

大学を卒業後、引きこもっていた頃の私からしたら、こうして20年近くも塾の仕事を続けることができているのは奇跡のようなものです。

引きこもっていたときの私は、とにかくすべてにおいて自信をなくしていました。そして、自分の欠点や弱点を必要以上に気にしていました。

他人と比べて、なぜ自分はこんなに何もできないのか、みんなは働けていいなー、どうして自分は働けないんだろう。吃音を気にしていた私は、たまにお店にいって店員さんと話したり、電話に出たときに、ちょっと吃ってしまったり、滑舌が悪くなってしまったりしたときには、「ああ、この人俺のこと変な人やと思ったやろな」と落ち込んだものでした。

いわゆる人生のレールから落ちてしまったとき、自分をみじめだと思っているので、そのみじめな自分を他人に知られたくないという思いから、プライドだけは高くなり、強がったり、自分は他人より劣っているわけではないと思いたいため、人の目を気にしすぎてしまいます。自意識過剰な状態になるんですね。そんなところまで他人は自分のことは見ていないのに、自分のことをよく見せようとか、もっと評価してもらおうとか考えてしまうのです。

働き始めた20年前には、ようやく働けることができた嬉しさと、なんとかこの塾を継続させていきたいという気持ちで無我夢中でした。5年ほど経過し、経営的にも気持ち的にも余裕がでてきた頃でも、「どうやったら、生徒たちにうまく教えることができるか」「もっと満足してもらうにはどうしたらいいか」といった仕事のことや「ばあちゃん、最近調子悪いみたいやけど大丈夫かな」「親父、仕事うまくいってるんかな」などと自分の家族のことや、そして友人のこと、自分の将来のことなどで、頭の中はいっぱいで、他人と比べて自分はどうだとか考えている時間などなく、ましてや自分の弱点や欠点に対していちいち落ち込んでいる暇などありませんでした。

みなさんも同じではないでしょうか。人と接する仕事をされている方は、「お客様に喜んでもらうこと」を一生懸命考え、ものづくりの仕事の方は「いかに、よりよい商品を生み出すか」を毎日考え、子育てされてる方は毎日自分の子どもの育て方をあれこれ悩みながら、必死で子どもと向き合っている。自分のことや、自分の家族、仕事のことで頭がいっぱいで、他人のことはそんな気にして見ていないですよね。「あの人服のセンス悪いわ」「あの人趣味がないみたい」「あの人髪の毛薄いな」「あの人滑舌悪いな」なんて細かいことなんて、絶対に他人は見ていませんし、気にもしていません。

ですが、ひきこもっている子は、時間が有り余っていますので、そういうところに目がいくため、自分も他人に同じように見られていると思ってしまうんです。思春期の不登校の子どもたちは、この傾向がより強くなります。「なんでそんなことまで気にするの?」というのがたくさんありますが、これは一般の人たちには、おそらく理解できないことかもしれません。

ですから、「そんなん別に気にせんでいいよー」と言ってあげたところで本人は納得しません。状況が変わらない限りは、ずっと同じことで悩み続けます。ただいつか、本人が状況を変えようと頑張るときが来ます。不思議なものでどのタイミングかはそれぞれ異なりますが、現状に心から満足していない子にはその時が訪れます。そのタイミングを逃さずに、背中を押しながらというよりは、横について一緒に歩きながらサポートしていくのが、塾や学校そして親の役目だと思います。

私自身もそうでしたが、彼らもきっと何年か後には当時のことを振り返り、「なんでこんなことで悩んでいたんやろうな」という日が来ます。その原因は本人もよくわからないでしょうが、1つ言えるのは、不登校やひきこもりで、いろいろと苦しい思いをし、絶望とともに生きていた日々は、きっと社会に出て生きていくために必要な成長の時間なんだと思います。成長のスピードは個人差があります。私のように社会に出るのに十分な能力が成長しきってない人には、その力を伸ばしていく時間が必要だったんです。ですから、成長しきった段階で動き始めることができ、そのときには十分な力が備わっているはずですので、力強く生きていくことが必ずできます。そしてこの成長には1つ大きな副産物があります。それは、他人に優しくなれるという能力も自然と身につけることができることです。自分が経験してきた苦しみや辛さを嫌というほど味わっていますので、絶対に他人を傷つけたりはしません。本人はもちろん、ご家族も苦しくつらいでしょうが、その先にはみんなが大きく成長した明るい未来が待っているはずです。その未来を信じて、ともに歩いていきましょう。

ONE-SのHP


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