個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

苦手克服は確かに大切ですが

2021-07-16 16:40:05 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

人間だれしも苦手なことはあると思います。私は虫が苦手で、夏になると見かけるようになる、あの真っ黒な「G」はもちろんのことですが、ほとんどの虫がダメです。みなさんも、現在はもしかしたらないかもしれませんが、子ども時代にはなんらかの苦手なものってあったのではないでしょうか。

その苦手だったものって、克服しようとしましたか?私の場合は、「虫が苦手でも生きていくことはできるから、まあいいか」といった感じで特に努力をしていません。他にも高い場所がが苦手な、いわゆる「高所恐怖症」でもありますが、これも高い場所に行かなければいいし、飛行機に乗らなければいいしと、少し不便ですが「まあいいか」ですますことができるので、特に克服しようとはしていません。

スポーツの世界はどうでしょうか?例えば毎日のようにニュースが入ってくる大谷選手が活躍している野球です。打者の場合、苦手なコースや球種があると徹底的に攻められますよね。特に現在ではスポーツの世界もデータ化が進み研究されつくされるので、それを克服し対応することが必要になっています。またサッカーの世界でも、おそらく同様でしょうが、例外もあります。私の好きなバルセロナのメッシは10代の頃からトップチームで主力として活躍してきましたが、基本的には左足しか使えませんでした。両足でドリブルしたりシュートしたりする方が有利に思えますが、メッシは左足一本で世界一の選手になります。それから右足でもシュートをするようになり、さらに異次元の選手になりましたが、彼の場合はおそらく不得意な右足を上達させることよりも、強力な才能を持った左足をさらに強化することを選んだのだと思います。そしてそれがほぼ上限に達したところで右足の練習をしたのでしょう(メッシ本人に聞いてないからわかりませんが)。


一方勉強の場合はと言いますと、「苦手克服」「弱点をなくそう」というフレーズをよく耳にしますね。もちろん私も使います。スポーツと異なり、勉強はほぼすべての人が経験しています。ですから教育の専門家ではなくても、ほとんどすべての人が自分なりの勉強に対するしっかりとした考えを持っています。学生時代に勉強してきて「この方法で勉強して学力が上がった」「もっとこうしとけばよかった」など様々な思いがあり、それを基に形成されていると思います。ただ気をつけなければならないのは、それはあくまでその人個人の経験上の考えであり、それがすべての子どもたちに当てはまることはないかもしれないという考えを持つことです。

そういう私も、塾での教え方や勉強法は私自身の経験による影響が大きいです。ただ私の場合は、私自身が勉強した経験に加えて様々なタイプの子どもたちを指導してきましたので、「これだけが正しい」「全員こうしなければならない」といった考えにはなっていません。

勉強は、特に小学生・中学生においてはすべての教科をバランスよく伸ばすことが求められます。いろんな理由がありますが、一番の理由は高校受験が挙げられるでしょう。一部の私立高校をのぞけば、大阪ではほとんどの高校の入試の科目は5教科です。その5教科の合計点数で合否が決まります。苦手科目があるよりも全教科バランスよく得点をとれた方が有利ですよね。高校に進学しても大きく勉強する教科が変わるわけではありませんから、早い段階で苦手・弱点を克服することは大切でしょう。

しかしここで大切なのは、苦手克服に固執するあまり、間違った勉強方法をとってしまい、逆効果になることがあるんだということを知っておくことです。小・中学生の場合、苦手科目=嫌いな科目です。嫌いだから苦手になったのか、その逆なのかはわかりませんが、とにかくその科目の勉強をするのが嫌なんです。みんなプロのスポーツ選手ではないのだから、苦手克服のために必要な「絶対に乗り越えてやるんだ!」という強い決意や忍耐力なんてありません。勉強が好きではなく、しかもその中でも一番嫌いな科目の勉強を「苦手克服だ!」といってそればかり勉強させてしまうとおもしろくもないし、疲れるし、効果が現れる前にやる気がなくなってしまうでしょう。私たち大人も自分が嫌いなことをばかりしていては、しんどくなりますよね。

子どもたちの学習する様子をじっくり見たり、コミュニケーションをとると、その子はどの科目が好きで(好きでなくても嫌いではない)、どの科目の能力が高いのかがわかってきます。そういう科目の勉強は比較的疲れませんし、勉強の効果が現れやすいです。ですので、まずはその科目の勉強をさせてあげ、学力を高めていくと、自信や達成感が得られ、勉強に対して前向きな気持ちになります。そういう気持ちになったところで苦手科目の勉強も同時に進めていくという方法もあり、スムーズに勉強を進めることができます。

その子の学力や性格にもよりますので、必ずしもこうするべきだとは思いませんが、少なくとも全員が同じ方法で苦手を克服できるほど簡単なものではないと考えています。どうして学力が伸びないのか、どうしてこの科目だけできないのか、もしかしたらそれは能力の問題ではなく勉強方法が間違っていることが原因かもしれません。その子に合った正しい方向で進めていくことで、結果的に苦手克服が早く達成できたり、あるいはこれまで勉強嫌いで勉強していなかったため気づいてあげることのできなかった素晴らしい能力・センスを見出すことだってあるかもしれません。バランスの良い学力も大切ですが、突出してできる科目があることも、とてもいいことだと思います。つまりは、全員が同じように学習するのではなく、その子1人1人にあった学習の仕方で、それぞれにあった学力の伸ばし方を選んであげることが大切なんだと思います。

ONE-SのHP


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