田沢湖 湖畔の杜通信

湖畔の杜レストランORAE《番猫『ミミ』のわがまま雑記考》

秋田の伝統野菜「亀の助ねぎ」に思う

2014年11月08日 | ミミのつぶやき
好評を頂いております「ORAEの伝統野菜プレートセット」ですが、明日11月9日で終了です。

この度、伝統野菜を調達するにあたり、湖畔の杜レストランORAEではどうしても「亀の助ねぎ」を使いたいと言う想いがございました。
この「亀の助ねぎ」は石橋ごぼうの種を継承している石橋家で育成されたネギです。
「亀の助ねぎ」は、越冬させて春に食するねぎで、言わば2年越しのねぎとでも言いましょうか。。。

この春ねぎを何故、秋に使うのかです。

それは何故か。
「柔らかさが格別」だからです。

越冬させる事によって身持ちが良くなるとか一層甘さがのると言った事があるかと思いますが、
本来は今頃食していいねぎなんだと思います。

今回「亀の助ねぎ」を譲って欲しいと言うお願いをさせて頂く度に石橋さんから言われた事があります。

「柔らかくて食べてどうかな。赤くなって日持ちもしない」

正にこれなんです。

生産者の方はこの性質が短所と考えていらっしゃるわけです。
それはそうです。
日持ちしないものは流通にのせる事が出来ないわけですから。

でも、そこに大変なヒントがあります。
それは「今だけ、ここだけ」と言う絶対なる価値です。
流通にのせられないからこそ生まれる価値があるわけです。

伝統野菜はそんな宿命のもと、自然淘汰されていったものが殆どです。

かつて当たり前だった「今だけ、ここだけ」。
今はこの「今だけ、ここだけ」、これが掛け替えのないない価値です。

伝統野菜は地元で消費し、地元で食す。
その伝統野菜を食べたいと思う方には、当地にお越し頂く。
湖畔の杜レストランORAEは、それが伝統野菜の価値なのではないかと考えます。

まずは地元秋田の方に「亀の助ねぎ」を通して、この事をわかって頂きたかった。。。
その想いから今回「亀の助ねぎ」を使わせて頂きました。

流通にのらない素敵な野菜。
伝統野菜の長所です。




005w
柔らかくて美味しい「亀の助ねぎ」
今回は焼きネギでお愉しみ頂きました





  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする