尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

重力

2006年04月02日 21時30分39秒 | 詩の習作
「重力」

頭が重い
と感じている
手の平がある
それは僕の首であろうか
僕を乗せている
地球であろうか

心が重い
と感じている
手の平がある
それは僕の胃であろうか
僕を包んでいる
宇宙であろうか

手の平を見ていると
この平らな白い魚は
いつも何かを
乗せてきたように
丸まってくる

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ベンチ

2006年04月02日 14時51分13秒 | 詩の習作
 「ベンチ」

人間嫌い
じゃないけれど
冬空の下
公園のベンチに
恋人たち
子どもたち
誰もいないことは
いいことだ

おまけに
ベンチの影だけが
乾いた砂地に
くっきりしていることは
もっとよいことだ

突風が吹いても
光も影も
ベンチの形で
それ以上のことは
しゃべらない
コメント (2)
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刃物

2006年04月02日 10時01分48秒 | 詩の習作
 「刃物」


誕生日
女に切れ目がはいり
頭が出てくる

入れ墨
背中に切れ目がはいり
女を入れる

そして、いつか

流れる時間に
切れ目がはいり
わたしは帰る

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夜の犬

2006年04月02日 09時29分28秒 | 短詩集
 

 「夜の犬」

流れ星が来ると
しっぽをふる

夜は
なんと胴の長い
犬だこと

天の川を
ふっている

 
  (3/28「夜の犬」を加筆・削除して短詩にしました)

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