尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

形見

2006年04月29日 22時19分39秒 | 詩の習作
どうのこうの
ということではない
ウインクして
子どもを驚かす
今日の形見に

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ランナー

2006年04月29日 22時08分49秒 | 自選詩集
表彰式は
とっくに終わり
観客も帰ったのに
日没の競技場の外周を
一人でひたひた
走り続けている

そのような約束を
僕は走っている

足を止めれば
空まで静まりかえり

これは夢ではないかと
寝ないで疑ってみたが
やっぱり窓から
ひたひたと
朝がやってきて
僕はまた走り出す
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヘビースモーカー

2006年04月29日 21時55分40秒 | 詩の習作
言葉はたいてい
誰にも理解されずに
消えてゆく
しかし
煙草の煙のように消えていく
言葉の外に
私はどこに
あるのだろうか

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パンセ

2006年04月29日 00時16分09秒 | 少年詩集
パンセと名付けられた子犬が
駈けてきて一生懸命
しっぽを振っている

かわいいでしょ
だから僕を食べないで
何かちょうだい

ほんとうに君はおいしそうだ
でも、思い出したよ
むかし、むかし
同じようなこと言いながら
そんなふうに笑って
人を見あげていたことがあったよ

しっぽは振れなかったけどね
かわいいパンセ




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする