尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

正月の夢

2009年01月12日 01時05分49秒 | 詩の習作
自分のお葬式に参列した
仏さんは金ぴかの絹のお布団にくるまれている
まっぱだけで向こうを向いて横たわっていた
ちょうど女の人が顔を覗きこんでいたが
僕の位置からは見えなかった
しかし自分だと分かった
白粉を上半身にまぶせられていることまで分かった
お焼香が終われば、お刺身のお弁当が出るらしい
名前も忘れてしまったが
覚えのある顔の小学校の友達とかたくさんいる行列のなか
足を踏み踏みしながらロバのように順番を待っていた
誰も哀しんでいなかった
早く終わってお弁当を食いたいらしい
死ぬとはこんなもんだろうと
あるいはお焼香の作法は前の人を真似ようとか
妙に生々しい思いでお焼香の順番を待っていた

起きてから
こんな夢を見ても
まだ生きていられることが不思議だった

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