尾崎まことの詩と写真★「ことばと光と影と」

不思議の森へあなたを訪ねて下さい。
「人生は正しいのです、どんな場合にも」(リルケ)
2005.10/22開設

ちきゅうはまわっている

2009年01月23日 23時21分00秒 | 詩の習作
あなたをみていると
あなたはぼくをみているので
けっきょくぼくは
あなたのみているぼくをみているのだ
こうしてちきゅうは
おともなくまわっている
ひかりで

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日記

2009年01月23日 02時10分18秒 | 詩の習作
愛は死のように簡単だ
わたしは
死んでしまったということだ
わたしは
愛してしまったということだ

○月○日晴…
というような日記を
明日から
書けなくなるということだ

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金魚

2009年01月23日 02時00分29秒 | 詩の習作
望みを失ったら
鏡はいらない
口を自分の手で斜めに押さえろ
顔の内側から自分のぶ厚い面の皮を見ろ
赤黒いだろう
そしてぷっと吹き出せ 金魚!

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巨人の顔

2009年01月23日 00時10分59秒 | 詩の習作
死んだ顔には
目から川が流れ
山が刻まれ
鼻に日が昇り
額に日は沈み
また昇りしては
耳に雨が降り
雪が積もり
頬に春が来ては
口に花が咲き
眉間と顎に道ができ
電信柱が立つのである
村落に火が吹き
水が寄せたとしても
この風景はどこまでも
哀しい顔である
巨人の顔である
傷つくことのない傷痕
夢を見なくなった夢である

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