インドの青年映画監督シュリプラカシュ(33才)は、ドキュメンタリー映画「ブッダの嘆き-ウラン公害に立ち向かう先住民」を三年半かけて一九九九年に完成させた。インドの独立と同時に、核の廃棄物ダムのために家は壊され、人も動物も植物も、見たことのない奇形や病気、死にさらされている先住民の実話をリアルに描いている。東京で開かれた第八回地球環境映画祭でアースビジョン大賞に選ばれた。彼は賞金の百万円で、最新のカメラを秋葉原で求めた。その一ヶ月後、私に国際電話が入った。「せつ子、とても悲しい。今日もまた一人子どもが死んだ」。私達日本人が、少々暑いとエアコンのスイッチを入れて電気を使う影に、世界の限られた地域で被爆者が産まれる。ウラン採掘現場から、東海村、元核実験場から風化の地域、核兵器の生産現場から解体現場まで・・何千、何万、何百万の人々が今も危険にさらされていることを私達は自覚せねばならない。シュリプラカシュは、この受賞は、世界のこのような辺境で苦しんでいる弱者達の受賞なのだと言った。多くの危険の中で制作された「ブッダの嘆き」は彼の苦労による勇気と愛の贈り物だ。
(坂口せつ子)
(高崎市民新聞2001年8月23日)
せつ子は「すてきな命が輝くまちづくり」を目指しています。
せっちゃんの明るい「かきくけこ」
(坂口せつ子)
(高崎市民新聞2001年8月23日)
せつ子は「すてきな命が輝くまちづくり」を目指しています。
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