日本では渋滞は基本的には車の数の多すぎだと感覚的に理解できる。つまり、何らかの理由で同じ場所を沢山の車が通過しようとするために起きてしまう。
ボルネオでも同じだ。コタキナバルの街中の渋滞、特に海岸通りの中央市場の前は午後の4時過ぎからは大渋滞で身動きが取れない。サンダカンでも、タワウでも多かれ少なかれ渋滞は見られる、が、所詮は規模の小さい街なので、街の中の渋滞など高が知れている。それに、時間が立てば自然消滅するわけだし。
問題は、ボルネオでは渋滞が別の理由で頻繁に、特定の時間帯とは無関係に起きることだ。場所は上り坂部分で、上り坂は至る所にあるので、渋滞も至る所で起きている。然も、その原因はたった1台の車のスピ-ドが極端に遅いために起きてしまう。
ボルネオでは車の保守管理が不十分なのと、長期間使われるためだと思うが、ピストンリングが摩耗しすぎて、圧縮が出来ないので、上り坂でパワ-不足になる貨物車やタンカ-が非常に多い。文字通り、歩く速度以下しか出せないので、カ-ブの多い山道では、さすがに勇猛果敢のマレ-人でも追い越しは恐ろしいらしい。
あっという間に、30台や40台の渋滞が成立する訳で、どこかで2車線部分がない限り、解消できない構造になっている。
大型車でも、観光バスは見ても新しいとわかるし、パワ-もあるので問題ない。
で、このパワ-不足は普通の車でもかなり頻繁にみられる。すべて年式の非常に古い車両で、そんな小型車が、同じようにパワ-不足の直後についているような場合、わずかのチャンスで追い越しをかけたい元気のよい後続車でも諦める他ないので、ボルネオの山道では常に渋滞があると考えて構わない。
往々にして、たった1台の老朽車が原因だ。車検など、もしかしたらないのかもしれない。。。
更に腹立たしいのは、結局怖くて追い越しが出来ないまま、先頭のボロ車に皆ついていくわけだが、上り坂の頂上まで来ると、そのボロ車が完全に息を吹き返して、何事もなかったかのようにすいすいと走り始めるので、下り坂でも容易には追い抜きが出来ないことだ。
というか、じゃんじゃん飛ばすので、それまでの渋滞で積みあがった数の車が前に仕えているし、それだけでも追い越しは難しいのに、次の上り坂が来ると、また同じことの繰り返しになる。本当に腹立たしいボルネオの渋滞だ。