しずくな日記

書きたいなあと思ったときにぽつぽつと、しずくのように書いてます。

巡礼、懺悔の旅 奈良の旅 その2

2014-03-31 22:59:38 | 日記
2日目の今日。
朝5時20分起床。
朝からみんなに小川珈琲店のコーヒーを淹れる。
濃くて、でもスッキリしてて美味しいコーヒーだった。さすがは京都の有名店コーヒー!


6時40分にチェックアウト。
55分発のJRに乗って、吉野へ。長い旅。
JR桜井線で高田まで、JR和歌山線に乗り換えて吉野口。

ここから近鉄吉野線に乗り換え、吉野へ。すんごくのんびりしてる。
しかも朝早過ぎて、誰もいない。

しかも、近鉄電車は空きすぎてて、座席で寝てる人いた!




吉野に到着したのは8時50分ぐらい。
まだ人がいない。
私たちが吉野を後にした昼頃から人が増えてきていた。

吉野は、古く飛鳥時代から修験道の聖地といわれ、どの季節でも美しい景色が見られるパワースポットでもある。

自然を敬い、神も仏も大事にするという日本の心が残るこの場所は、心に巣食いそうになる傲慢を叩き出してくれるような気もした。
自然の中に人間が「お邪魔します」と入って行くような感じなのだ。


たまたまいたバスに乗り、中千本という場所の桜本坊へ。

ここは予定にはない場所で、たまたまバスの終点だったからきただけなのだけど、しだれ桜がとても美しい。
しかも今日は空が青くて桜色が映える。






途中、参道にあるお豆腐屋さんを覗いたら、
「これ持って帰って!」と、
作業中のおばあさんにオカラを一人一袋、タダでもらった。
手に取るとまだ温かい。

お豆腐屋さんで出来たての豆腐ドーナツを買い、温かい出来たて豆乳を飲んだ。
めちゃくちゃ美味しいんだなこれが!!

元気が出てきた。

さて、ここから地図上で近い如意輪寺に行くのだけど…。
参道には「ここから500m」とあったので安心して向かったら、えらいことになっていた。

これは直線距離にして500mだったのでは??と気づいたときは、
もう戻るにはもったいないところまで来てしまっていた。

修験道の聖地というだけある。

アップダウンのきつい、足元の悪い山道を歩かなければ行けなかったのだ。
息が切れてくる。

なんでいつもこうなるんだろ?


お地蔵様~!!



やっと門!20分かかる。500mは絶対嘘!!

山深過ぎ。

そしてもと来た道を戻り、参道へ。



このお堂、不思議な形。

胃薬?のお店。ガマくんが店番!


辿り着いた金峯山寺・蔵王堂。
ちなみに金峯山寺は「きんぷせんじ」と読む。ユネスコ世界遺産。


まだ桜が咲いてないんだよね、寒くて。





拝観料を支払うと、秘仏・金剛蔵王権現立像の開帳の特別拝観のプレゼント?か布バックとお札をいただく。
こういう旅のときって、お土産やペットボトルやら、細々とした持ち物があるから、まとめられる小さい布バックって便利だし嬉しい。
まあ、赤い文字で『金峯山寺』って書いてあるから普段使いはできないけども…。


秘仏はガイドブックの写真から。
本物はやはり巨大でど迫力!
小さな障子のしきりの中から、懺悔してお祈りができた。
左から「過去」「現在」「未来」を意味する仏像らしい。


今回の旅、寺社仏閣に詣でることがあったら、母のことをお願いしようと思っていた。
十数年前、母は胃ガンで手術をしたのだけど、つい最近、定期検査で食道に異常が見つかり、細胞検査を受けていた。
その結果がわかるのが今日だった。


どうかどうか、悪いものでありませんように。

今回、こんなにたくさんの寺社仏閣にいくとは思わなかったけど、
全部の場所で同じことをお願いした。


金峯山寺の帰り、ロープウェイに乗り込む直前に、母からメールがきた。


レベル1で、手術ではなく投薬治療で様子を見ると。
とりあえず、ほっとしたよ、と。


ほっとしていいのかどうかはかりかねるけど、手術しなくてもいいなら、悪くはない。


悪くなければ、京都旅行にいこうと約束していたので、メールで、

「じゃあ、行こうね! 宿探すから。」

と書くと、

「うん、やった!楽しみ!」

と帰ってきた。


そういえば、一つ、すごいことがあった。

昨日、一番最初に行った安倍文殊院で、おみくじをひいた。
寺社仏閣にはいろんな種類のおみくじがあるので、3人で軽い気持ちでひいたのだけど、開けてみて驚いた。


大吉に驚いたのではない。
私、かなりの確率で大吉をひくラッキーさんなのだ!じゃなくて…。


和歌に驚いたのだった。

今年1月にもおみくじをひいた。
おみくじはTwitterに載せた、これ。


上と見比べてみて欲しい。
全く同じだったのだ。


たくさんおみくじがある中で、同じものをひくなんて。
友達も驚いていた。

「もうひくな、頼るな、
こういうわけだから、やるべきことをしっかりやりなさいよ!」

ってことかも、と思った。

母のことは心配ではあるけど、そんなに今は心配しなくても良さそうでほっとしたし、
大吉だなって思う。

なんだかよくわかんないけど、ありがとうございます。


吉野の自然は、人間を超えた何かがある気は、確かにした。


神も仏もいるかいないのか。
人は何かを信じて頼りたい、辿り着くものが欲しいって思うから架空のものを設定しちゃうのかもしれないけど、
まあ、いるって思ってた方が、張り合いがあるってものだ。

で、日本の神様や仏様が、とても美しい景色の中にとけて在るのかなと思うと、
木々の中にいることをとても幸せに感じた。

国宝や世界遺産をたくさんみてこの感想はなんなんだ、だけども、
なんとなくまだまだ自分って小さいな、
いろんなものに支えられてやっとこさなんだな、と感じた旅だった。


P.S.

一日目の唐招提寺にいらっしゃる『千手観音立像』。
これ、ほんとに手が千本近くあるらしい!(953本)。
すごい迫力だったのに、紹介し忘れてしまってました。
写真はもちろんパンフレットから。
これも国宝です。


















巡礼の旅? 奈良の旅 その1

2014-03-31 22:01:37 | 日記
3月30日、31日と今年度最後の二日間、いつもの友人たちと3人で奈良旅行へ。
宿泊先と新幹線だけはとっておいて、行きの新幹線の中で行き先を決めるといういつものパターンで。

最初は、奈良でのんびりカフェにでも、という軽いノリだったはずなのだけど…。
そういうワケにいかないのが、私たちの旅なのだ。


春休みでもあるし桜の時期でもあるので、
ちょうどいい時間帯の新幹線は予約した2月にはすでにいっぱいで、新横浜発6時18分に。

家を出たのは朝5時。まだ周囲が暗い。
始発から二本目の電車もガラガラだった。

心配だったのはお天気。
全国的に太平洋側は『春の嵐』になるとの予報だった。

新横浜から京都、そしてJRで奈良へ。
新幹線の中で雨脚が強くなってくる音を聞く。

JR奈良駅に着いたころには結構強い雨になっていた。
それにしてもJR奈良駅と近鉄奈良駅がかなり離れてるなんて知らなかった。

JR奈良駅に直結している、宿泊先のホテル日航奈良へ荷物を預け、
徒歩で10分ほどで近鉄奈良駅。
ほんの少し歩いただけなのに、靴の中が雨でぐっしょっりとなった。

新幹線内で、どこへ行く?という話し合いの中で出てきたのが、
仏像を観に行きたい!という意見。
あれ?今回はもっと軽い感じじゃないの?と思ったけど、
どうやら新聞記事や雑誌で、春の特別開帳などの情報をみて行きたくなってしまったらしい。
特に吉野の金峯山寺の秘仏である金剛蔵王権現立像の特別開帳。

新聞記事の切り抜きを、友達は持ってきていた。これは本気だ。


奈良には国宝級の仏像がたくさんある。
正直、今回は寺社仏閣の話が直前まで全くでなかったので、
カフェや雑貨屋さん巡りメインなのかなあと思っていたけれど、
蓋を開けてみれば、がっつり寺社仏閣メインの旅となっていた。
プラス、華やかな桜の景色と。


前々回(?)の京都・奈良の旅の時に、
京都とは街のスケールが異なるから注意!ということを私たちは学んだ。

地図上では近いところにあるように感じられても、実際かなり距離があったり、
駅から異様に遠かったりするのが奈良の寺社仏閣だ。

加えて交通網も便利ではない。
1時間にバス一本、あるかないかだったりする。
そこが京都とは大きく違うところだ。
なので、タクシーをメインに使うことにした。3人で割ればそれほどでもないはず。

まずは国宝があるという阿部文殊院へ。JR桜井駅からタクシーに。

ここは、奈良時代の遣唐使 安倍仲麻呂や陰陽師で有名な安倍晴明が生まれた寺院でもあり、陰陽道の源流でもある有名な寺院だという。
っていうか、安倍仲麻呂の子孫が安倍晴明だって!
知らなかった!! 知らないって!

で、ここには快慶作の 『渡海文殊菩薩群像』という国宝がある。
仏像の写真は基本的には撮れないので、下の写真はパンフレットから。


桜井駅から離れていて、しかも雨だったこともあり、人は少なく、とても落ち着いた雰囲気。

着くとすぐ、温かいお抹茶とお菓子をいただく。とっても美味しい!
ちなみに参拝した人全員に丁寧に振舞われる。

のんびりと昼前まで見学し、タクシー会社直通の無料電話でタクシーを呼ぶ。バスがほとんどないし、
周辺には見どころがたくさんあるものの、その一つ一つの距離が離れている。

桜井駅近くは『山の辺の道』などをはじめとする古道があり、この道々に見どころが点在している。

次に行ったのは、聖林寺。タクシーだと10分もかからない。
ここには同じく国宝の『十一面観音立像』がある。
テレビの『美の巨人』などでも紹介された古寺ということだけど、あまりに交通の便が悪いためか、
なんと私たち3人しかいないという大変贅沢な状態で国宝を拝見することができた。
とても静かで、鳥の鳴き声しか聞こえない。






徐々に空にも晴れ間が。



最初に出迎えてくださったのは十一面観音様ではなく、『子安延命地蔵菩薩』様。

これはパンフレットの写真。
実物がものすごくでかいの!!
そして、触れられるくらいの距離で無造作に置いてある。

地蔵菩薩様を堪能したあと、
フェノロサや岡倉天心も絶賛し、
ミロのヴィーナスとも比較されるという『十一面観音菩薩』様のところへ。

もちろんこれもパンフレットの写真だけど、これも大きい。
指先や身体つきが優雅。
顔は知り合いにいそうだなあと思ってしまったけど…スミマセン。

天平期の仏教彫刻の傑作であり、顔が天武天皇の孫である智努王という人のお顔なんだとか。

ここは本当に大好きになった。
ワサワサしてる心が穏やかになってくのがわかる。


ここから先、桜井駅まで帰って法隆寺に向かうか、それともこの周辺を回るか迷う。

明日は吉野方面に行くから、このまま法隆寺に行かなければ、もう行けないとわかっていたから。
タクシーの運転手さんに話してみると、
「法隆寺は16:30で閉門だったと思うから、今から行ってもほとんどみれないよ。」とのこと。
その時点で15時過ぎ。
電車もすぐにはないし、行くにも時間がかかるし、法隆寺をみるにも2時間は欲しいと聞いていたので諦める。
奈良は広いから、しかも見どころがものすごく多いから、とにかく時間が足りない。

じゃあどうする?ということに。
桜井の古寺で最も有名なのが、山を登ったところにある談山神社というところだと教えてもらった。

確かに、ガイドブックにも紹介されていた。大化の改新で大きな役割を果たしたところだそう。

しかし。

かなり山を登る…。

タクシー代、かかるよね、とお互い目で会話。
しかしせっかく来たのだから、と腹をくくっていくことにした。

まあ結果、往復で4000円かかったけどね!!







談山神社は、大化の改新で有名な中大兄皇子と中臣鎌足が極秘の談合を行った場所として有名らしい。

とにかくものすごい山の中なの!!
霞まで出てた…。
わりと暖かい日だったにもかかわらず標高が高いから寒いのなんの!

時の権力者である蘇我入鹿を倒すのだから、こんな山深いところまで来て相談しなきゃいけないほどのことだったわけだ。

中臣鎌足が藤原姓を与えられ、藤原氏がここから始まるし、大化の改新によって中央統一国家や文治政治が完成したというわけだから、歴史的に大きな意味がある場所なのだ。


タクシーの中から撮影。
こんなのがずーっと続く道。
こんなとこまでよく来たよなー。昔の人は。


もう今日はこれで寺社仏閣は回れないかなと思っていたら、
タクシーの運転手さんが、
「薬師寺と唐招提寺ならここから近いし、行けるよ。」と教えてくださった。

近鉄桜井駅から電車で西ノ京駅に。
駅を出るとすぐ、薬師寺や唐招提寺がある。
そして、後でガイドブックを見直していたら気がついたのだけど、
2つとも世界遺産だった…。

閉門時間が早い唐招提寺から先に。
唐の鑑真を祀ってあるからなのか、中国からの観光の人がたくさん。





桜がとても綺麗だったけど、背景が曇天の灰色なのが少し惜しい。

5分程度歩くと薬師寺。
赤が華やかな印象の金堂。


こちらは西塔。
白鳳時代からある東塔は平成30年まで解体修理中。
東塔はその美しさから『凍れる音楽』とも言われたそう。

東院堂という建物では、
聖観世音菩薩とコラボして、長渕剛の奥さんの志穂美悦子さんがフラワーアレンジメントを展示していた。
花々と仏様、まさに極楽のイメージだ。

それにしてもすごい、この建物も国宝なのにー!!


風か強くなってきた。

爽やかな色の金剛力士像。
これは撮影大丈夫だった。



ここも桜が美しい。
桜、最近じっくりみてなかったから、可愛らしくてふわっとしてる様に魅入られる。
潔い、というより、桜って可愛い。



ちょうど17時。閉門直前まで薬師寺にいた。
近鉄西ノ京駅から近鉄奈良駅へ。

ならまちをブラブラしながら買い物しよう、という話だったけど、奈良の夜は意外に早かった。

18時に閉まってしまう店が多く、あまりたくさんのお店には行けなかったけど、友達が行きたがってたここには行けた。

ここのお弁当包みとペットボトル入れをもらったことがあるけど、可愛いし使いやすいしで重宝してる。

友達が買い物したいとかなり熱心なので、ならまちで20分ほど別行動。
私はたまたまみつけたコーヒーショップでモカコーヒーをテイクアウト。
のみながら歩く。

写真がぶれてしまったけど、ならまちのサブロクというコーヒーショップ。個人経営の小さいショップみたいだけど、コーヒー、とても美味しかった。
途中で合流した友達の一人も、
私が飲んでると欲しくなったようで、コーヒーを注文。
買い物してる友達を探してそぞろ歩き。

それにしてもならまちの夜はほんとに早かった。。どんどん閉まってく19時前。ならまちはどんどん光が消えて暗くなる。


夕飯は友達が予約してくれたお豆腐づくしのお店へ。





お豆腐のコロッケやら、お豆腐そのものやら湯葉やら。
最後のプリンも豆乳だし、カフェオレも豆乳入り。
お腹に優しくて、腹八分目。


来年度の授業のこととか、クラスの悩みとか、いろいろ話す。二人は、来年度は三年担任だ。

私たちの旅も京都奈良、岐阜、出雲に続いてもう4回目になるけど、
悩みや授業改善に関するマジメな話もいつもかなりする。
実際、授業を組み立てていく際に、意見を参考にしたりしてる。
こういう話ができる友人に恵まれたのは幸せって思う。


そういえば、ならまちの民家の軒先に目に付いていたこれ。何だろう。
気になる!


お店の人にこれってなんですか?って聞いてみたら、
この地域では普通に使われている魔除けだという。
写真がブレブレでみにくいけれど、
人がブリッジしたみたいな形のものがいくつかぶら下がっている。
とても不思議な形をしてる。

まだ知らない日本がたくさんあるらしい。

歩いてホテルへ帰る。
途中、スーパーに寄って朝ごはんや、その他欲しいものを各自購入。
私はオニギリと小川珈琲店のドリップコーヒーを購入。
朝に飲みたい。そしてご飯食べたい。
友達はオニギリとイチゴ購入。もう一人は、バナナとヨーグルトと豆。
家での食習慣が出てるから面白い。


翌朝は6時55分発の電車で吉野へ行くから、
朝ごはんをゆっくりホテルで食べていられないのだ。
吉野、同じ奈良県でも2時間ほどかかる。


そういえば昼ごはんも食べず寺社仏閣めぐりをしていたのだった。
お腹空いたと思った…。

朝が早かったこともありぐったり。
お風呂に入って23時頃、みんな倒れるように就寝。

どうしてもいろいろ行きたいから、強行軍になってしまう。
でも、一日で2つの世界遺産を回れる奈良って、恐るべし!