義妹は50代の若さで病気で亡くなってしまったのだが、その何日か後、寝たきりのお姑さんの世話をするために義実家にいた私は不思議な音を聞いた。
カタカタカタカタという軽い音をたてながら、見えない何かが玄関の扉を開けずに義実家の中に入ってきた。その見えない何かは、お姑さんの寝ているベッドがある応接間の中を、カタカタカタカタと音をたてながらくるくる回っている。
このあたりで私は、これは義妹がお母さんに会いに来たのかなと気がついた。
しばらくすると、見えない何かは音をたてながら応接間から玄関に面した廊下に出て、そこから2階に上がって行った。2階には義妹の部屋がある。階段の下から耳を澄ましていると、見えない何かは義妹の部屋のあたりでくるくる回っているようだった。
やがて、見えない何かは階段を下りてきて、ダイニングキッチンに入り、玄関同様閉まったキッチンの窓からスッと出て行った。私は霊感なんてないのだが、あれは義妹だったのだろうと思う。
なので今回も、カタカタカタカタと音をたてながら、見えない父が帰って来るのだろうかと思っていた。
ところが、今週の木曜日のことだ。午後、裏庭に干した洗濯物を取り込みながら畳んでカゴに入れ、温室のサッシを開けて家の中にカゴを置こうとした時、私のすぐ目の前を通り過ぎる人の足が見えた。
黒っぽいズボンに白い靴下を履いた男の人の足だった。夫だと思い声をかけようとしたが、足は立ち止まることなく視界から消えた。廊下の突き当たりにあるトイレに、水の出具合でも確認しに行ったのかなと思い、そのまま洗濯物のカゴを部屋の中に置き、折り畳み式の物干し台や何かを片付けて温室の扉を閉めた。
洗濯物のカゴを抱えてけんこう会館に行くと、夫は渡り廊下のあたりで片付けをしていた。
『あれ、いつの間に?』と思いながら、夫の足元を見ると靴下が黒い。いやいやいや、靴下の色が違うやん。さっきの誰やねん。
夫に「あっちに誰かいた」と言うと、「気持ち悪いこと言うなあ」とか言いながらも、一緒に確認しに行ってくれたが、誰もいないし玄関も窓も鍵がかかっている。
でも、生前に父がよく履いていた靴下とは色や材質の感じが違っていたし、父より少し小柄な人のようにも見えた。だから夫だと思ったのだが。
その後は誰かの足も見ていないし、気配も感じない。いったいあれは誰だったのだろう。(害のない)幽霊なら怖くないが、人だとめっちゃ怖いわ。
父なら父で、義妹のようにもうちょっとはっきりわかるように現れてほしい。あ、もしかして何度も現れてくれてるけど、こっちが見えてないのかしら。それなら本当に申し訳ない。霊感なんてないもんなぁ、私は。
我が死んだおふくろは、夢にしか出て
くれないなあ…w
私はあまり野球は見ないのですが、うちの夫は阪神ファンです。名古屋人なのに😄