「こんなきわどいところにあるんですか!?」
「そう、この楽㐂食堂までが熊谷、サイゼリアからが深谷なんだよ」
2月4日、熊谷の職場・市民活動支援センターからの帰り、立正大のイシイくんを乗せて来た。目的はバーガーキング籠原店。支援センターのクリハラさんから「1週間限定ワッパージュニア半額キャンペーン」の情報をきいたのだ。
「(故郷の)熊本じゃ、バーガーキングなんて想像上の店ですね。サイゼリアだってありませんから」
クリハラさんによれば、
「1人5個限定だから、ドライブスルーを2周する熱狂的なマニアもいる」
バーキンのワッパーだ。
この深谷の東端の小さなモールに、おそらく名称はない。住所はたしか合併のときに「幡羅町」となり、それまで郡の名しかなかった「幡羅」が初めて町名になった。なお、深谷の学校名、旧村名、地区名のうち、「豊里」「八基」「大寄」「南」「藤沢」はいまだ町名がなく、「花園」「(単独の)川本」も合併で町名のない地名となっている。
このモールは、サイゼリア「深谷店」とTSUTAYA「籠原店」、バーガーキング「17号籠原店」で構成。深谷市にある「籠原店」はほか「フォリオ籠原」の「ファッション市場サンキ籠原店」「ダイソーフォリオ籠原店」「フレッセイフォリオ籠原店」があり、フレッセイには「熊谷市地域振興券は使えません」という掲示まであった。「籠原駅」は熊谷市にあるが、「籠原」は深谷市にもある。
集合の記号で表現すると、
{(籠原∈熊谷市) ∧(籠原∈深谷市)}∧{籠原⊂(熊谷市∨深谷市)}∧(熊谷市∧深谷市=∅)
合っているかどうかわからないが、これはすごい状況だ。
「あのでかいマンションにクリハラさんは住んでて、あそこは深谷市東方。TSUTAYAの向こうの川が暗渠になった道を行けば籠原駅だよ」
そういってイシイくんをおろし、保育園にコウくんを迎えに行く。駐車場の感知ライトに今日もみつかって福川沿いを帰る。その途中、
「ミカン買わなきゃ、でも、ファーマーズ6時で閉まっちゃうよ。ヤオコー行くか」
と東通り線を南にリターン。幡羅公民館あたりまで来ると、
「ウルトラマンの絵本きっと出てるよ。行ってみればわかるよ」
と講談社「ウルトラ特撮パーフェクトムック」次号の話をしだしたので、約1時間ぶりにTSUTAYA籠原店へ。やはりVol.38恐竜戦隊コセイドンはなかったが、2,000円近いウルトラマンティガのムックの立ち読みに没頭。5歳児、もう本屋で立ち読みかと感心しながら、こっちも反対側の棚のポパイの映画ムック、オリジナルラブ特集のミュージック・マガジン、ベース特集のレコード・コレクターズなんかをペラペラ。で、
「母さんが待っているから早く帰ろう」
とマイファーストビッグ「ドラえもん ゆけ! タイムマシン!!編」300円でだまして帰ってきた。
食事が終わって、コウくんが。
「あ、ドラえもんだらけだ」
この日本最高のマンガ作品をテーマでくくった傑作集は、00年代にWOWOWが制作した「巨人の星 花形満編」と並ぶ名リミックスといえる。タイムマシン編のトップにドラえもんだらけを持ってくる編集者魂には敬意を表したい。
それから、本庄の店の常連さんカレンママにもらった一升瓶の箱を開けるとこちら深谷の西の端丸山酒造の金大星。ちょっと前カレンママに、いちばん好きな酒で結婚式の鏡開きも金大星だったんですよと話したことを思い出した。ありがとうございます。
それから今日の寝床の絵本は昨日のイソップ童話から「ドラえもんだらけ」になり、昨日父親の付添で行った行田総合病院の待合で読んでいた北村紗衣『批評の教室』にドラえもんだらけがよく引き合いに出されたクリストファー・ノーランの『TENET』が出てきたなと思い出した。
深谷のあけぼの、深谷だらけ。
夕食時の妻の提案「議員になってお金もらうんだから、深谷の話を書て発信しなよ」に、それもそうだと思っての第一稿。立春の日にはじめられたのはうれしい。
シリーズタイトルはドラえもんだらけにちなんで「深谷だらけ」。かなりそっけない文体で書いていこうと思ってます。