順当に結ばれた浩之とあかり。
二人の間に産まれた男の子が、小学校に通うようになった。担任の教師から、あかりへの家庭通信。
「あなたのご子息はたいへん利口な子なのですが、暇さえあれば女の子と一緒にいるのです。私はこの困った癖をやめさせようと努めています」
あかりから、教師への返信。
「ぜひとも成功させてもらいたいものです。そして、その方法を私にも教えてくださいませ。私はもう十何年もの間、彼の父親の同じ癖をどうにかして直そうと努めてまいりました」
順当に結ばれた浩之とあかり。
二人の間に産まれた男の子が、小学校に通うようになった。担任の教師から、あかりへの家庭通信。
「あなたのご子息はたいへん利口な子なのですが、暇さえあれば女の子と一緒にいるのです。私はこの困った癖をやめさせようと努めています」
あかりから、教師への返信。
「ぜひとも成功させてもらいたいものです。そして、その方法を私にも教えてくださいませ。私はもう十何年もの間、彼の父親の同じ癖をどうにかして直そうと努めてまいりました」
学校を卒業し、十数年たって浩之は酒場で論理学を学んだ志保と再会した。
「久しぶりだな。論理学ってのはどういったもんなんだよ?」
「やって見せてあげようか。あんたんちには芝刈機がある?」
「ああ、あるよ」
「ということは、広い庭があるわけね?」
「ああ、うちには広い庭があるな」
「ということは、一戸建てね?」
「ああ、一戸建てだな」
「ということは、ご家族がいるわね?」
「ああ、あかりと結婚して2人の子供がいるぞ」
「ということは、あんたはホモじゃないわね?」
「ああ、そうだなホモじゃないな」
「つまりこれが論理学なのよ」
「ふ~ん、そんなもんか」
翌日、浩之は友人の雅史に言った。
「論理学を教えてやろう。雅史の家には芝刈機があるか?」
「いや。ないよ」
「ということは、雅史はホモなんだな!!」
ある日、雅史がエクストリームチャンピオンだった浩之を訪ねた。
浩之と雅史は酒を傾けながら、寛いでいた。
雅史「綾香さんは?」
浩之「ホテルの大ホール借り切って、一日中お詫びパーティだってさ」
雅史「あぁ、来る途中で見掛けたけど、すごい人ごみだったね」
雅史「今日の用事はなんだい?」
浩之「ちょっと、つきあって欲しくてな」
浩之「綾香は、とてもよく出来た女性だ。俺には勿体無いぐらいだ。
ついこの間、痛感したよ」
雅史「あの事か。思い切ったことをしたね」
浩之「発端は二人で献血した結果に、エイズの陽性とあったんだ」
浩之「いつ罹ったのかわからないから、俺は謝罪と引退会見をしたよ」
浩之「その時、綾香もカメラの前で一緒に謝ってくれたんだ」
浩之「その後、けじめのつもりで関係を持った女を招待して謝った時も、一緒だった」
浩之「おかげで、俺の過去の遍歴が全部、綾香にばれちまったよ」
浩之「けど、どの旦那もいい人ばっかりで、苦笑いしながら許してくれたよ」
浩之「で、おまえを招待するとき、綾香は『えっ? 佐藤君の旦那さんなんて知らないわよ』だってさ」
雅史「はは、だから、男しかいなかったんだ」
浩之「ん?」
雅史「それじゃ、結構な費用がかかっただろうね」
浩之「まぁな」
雅史「一番先に、僕に相談してくれれば二人とも無駄金使う必要もなかったのに」
お互い結婚した、耕一、冬弥、浩之の三人は今日のお昼ご飯ついて語り合った。
耕一「俺の弁当は唐揚そぼろ弁当だ。妻の初音は料理上手で
安値でボリュームがあって美味しいので元気が沸くるよ。」
冬弥「俺はお昼はサンドイッチだけど。妻のマナは料理を作るのは嫌だと
駄々をこねるのでお昼は自分で作ったのでちょっと疲れ気味だね・・・」
浩之「俺の昼飯はうまい棒×5だ・・・妻の志保は超浪費家で
自分は無駄使いばかりしやがるくせに俺の小遣いを大幅に削るので
絶望に打ち浸される思いだ・・・」
Q、綾香がSEXをするのに最も少ない月は何月か?
A、2月
久しぶりに葵とあった坂下は、二人もの相手から言い寄られているとの悩みを打ち明けられた。
最初は「羨ましいねぇ」とからかっていた坂下だったが、思いの外深刻らしい。
「一体相手は誰なんだい?」
「…藤田先輩なんです」
「なんだって? あいつはこの前、綾香と結婚したばかりじゃないか!
全く綾香も何やってるんだ。綾香に告げ口してしまったらどうだ?」
「それが…もう一人の相手というのが綾香さんなんです」
雅史も壮年となったとある一日、電話が鳴った。
雅史「はい、佐藤ですが」
??「俺、俺、俺、俺だよ、父さん」
??「ヤクザの車と事故起こして、金を100万円払わないといけないんだ。助けて」
雅史「今すぐ、払うから待ってなさい」
??「この口座に払えって言ってるんだ」
雅史「あぁ、待ってなさい、今メモを取るから」
メモを片手に、外に出た時、浩之と出会った。
浩之「よぉ、そんなに慌ててどうしたんだ?」
雅史「大変だ! ぼくたちの息子が事故を起こしたんだって!」
試験の前日に夜遅くまでいちゃいちゃしていたせいで、寝坊して受けられなかった和樹と瑞希。
再試験は『やむを得ない事情』がない限り認められない、とのことなので、
2人で示し合わせて、教授に直談判することにした。
「実は教授、高瀬の実家のお母さんが急病で倒れたので、俺が車で送って行ったんです」
「そうなんです。幸い大した事がなかったので、すぐに戻ってこられたんですけど、
帰りに車がパンクしちゃいまして……」
腕組みをした教授は、鷹揚に頷いて、こう言った。
「ま、それではしょうがないな。よろしい、明日再試験をしよう」
翌日、別々の個室に通された二人の前に、試験問題が配布された。
問一(配点5点)
夏目漱石の作品を一つ挙げよ。
問ニ(配点95点)
パンクしたタイヤはどのタイヤだったのか解答せよ。
雛山家のすき焼き
雛山家に、来栖川家から新年のお祝いとして特上の牛肉と各種野菜が届けられた。
ご丁寧に『すき焼きにしてお召し上がりください』というメッセージと写真付きの
レシピも添えられていた。
が、現代日本の一般的な家庭の平均所得を大きく下回っている雛山家の悲しさ。
『すき焼き』なるものは見るのも初めてであった。
とりあえず理緒はレシピどおりに『すき焼き』を作り上げた。
未知の料理とはいえ、鍋から発せられるその匂いだけで雛山家の面々にも
『すき焼き』なる料理の美味さが想像できた。
理緒と良太、そして母親ですき焼き鍋の鎮座した食卓を囲んだ瞬間、玄関の戸を叩く音がする。
お預けを喰らった形で理緒は玄関に出たが、訪問者はなんとホームレスであった。
「いい匂いがしたので、せめて料理のダシガラでもいただけませんか?」
程度の差こそあれ、生活の厳しさを身を以って味わってきている理緒は二つ返事で引き受けた。
食卓に戻った理緒は、鍋の中の肉や野菜を根こそぎ手近の容器に入れ、玄関に佇むホームレスに渡した。
ダシ汁だけが残った鍋を前に、呆気に取られている良太と母親に向かい、理緒は満面の笑顔を浮かべて一言。
「スープのダシガラまで食べるほど家は貧乏じゃないじゃない」