最強の男たち出現で「イスラム国」も壊滅か? イラクのシーア派義勇兵が戦闘訓練開始!
日本人ジャーナリスト後藤健二氏に続き、ヨルダン人パイロットのモアズ・カサスベ中尉がイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」(以下、IS)によりむごたらしく殺害された。そして4日、BBCはヨルダンの刑務所に拘束中だったISのメンバー2名の死刑が執行されたと伝えている。歴史、宗教、利害関係が複雑に絡み、血で血を洗うアラブ情勢は、これまで日本人にはあまり身近な話題ではなかったかもしれない。しかし今や決して遠い国のできごとではすまされなくなってきている。
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■祖国を守るために続々と立ち上がる若者たち
とはいえ、今の日本で誰かが「国家平和のために武装する」と気炎を上げたとしても、なかなか共感しづらいだろう。もちろん、就職活動の失敗から過激派組織の戦闘員になろうとして未遂に終わった学生もいたが、あくまでレアケースに過ぎない。だがイラクでは今、それまでごく普通の生活を送っていた若者たちがISから祖国を守るため戦闘準備に名乗りを上げているのだ。
英「Daily Mail」の電子版によれば、バクダッドの南、ナジャフ砂漠では目下、想像を絶する凄まじい戦闘訓練が繰り広げられている模様だ。
鬼上官にライフルの銃口を突きつけられながら、燃え盛る炎を飛び越え、砂地を死にもの狂いで這いずり回る不慣れな若者たち。彼らはイラクの正規軍兵士ではなく、自ら志願して地獄の訓練に参加した、いわばボランティア戦士たちだ。彼らの多くは、昨年6月のイラク、シーア派最高位聖職者アリー・スィースターニー氏による嘆願に応じて集まってきた者たちで、バクダッド市内の軍事センターには今も若者たちが入隊を希望し続々と詰めかけてきているという。その数、数万人。彼らは異口同音に繰り返す。「神のおぼしめしのままに」――
また「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙などは、同国でマイノリティとして迫害され続けてきたキリスト教徒さえも「自分たちで領土を守る」と武器を片手に立ち上がっていると伝えている。この「イラク・クリスチャン民兵組織」は、国の治安部隊となる段階を経て、昨年ISに奪われた領土を奪還することを最終目標に掲げている。
■「イスラム国」に引き寄せられる若者たち
この一方でISに自らの身を投じる若者たちも途絶えることはなく、すでに世界80カ国から約15,000人もの戦闘員が集結しているのも事実だ。
「シーア派ニュース」によると、イギリス・マンチェスター出身の双子へレーン・シスターズは自らを「ジハードの花嫁」と名乗っているという。ザラとサルマは17歳。日本なら遊びたい盛りのギャルだろうが、彼女たちはISの戦士と結婚するためにシリアへ渡ったのだ。姉妹は昨年6月にイギリスを出国して以来、ツイッターでたびたび話題になっている(現在はアカウント停止)。コーランの言葉や手作りピザの写真をアップするかと思えば、拳銃やカラシニコフ自動小銃を手にした「セルフディフェンスの訓練」風景もアップしている。なお、結婚したIS戦闘員の夫たちはすで殉死しており、彼女たちは17歳にしてすでに未亡人となってしまったようだ。
不穏なニュースから目が離せない昨今だが、ゲームなどで体験した「戦場もどき」しか知らない日本の若者が「準備はできている」と立ち上がる日がいつの日か来てしまうのだろうか。それこそ「神のみぞ知る」に違いない。
(文=佐藤Kay)
※画像は「YouTube」より