「長生きのコツ」
「一日にタバコ100本も喫うってほんとですか?」
「ええ」
「マティーニを一日5杯も?」
「ええ」
「何人もの女性と付き合ってるとか?」
「ええ」
「あなたのドクターはそれについて何て言ってます?」
「ドクターはもう死んでます」
「長生きのコツ」
「一日にタバコ100本も喫うってほんとですか?」
「ええ」
「マティーニを一日5杯も?」
「ええ」
「何人もの女性と付き合ってるとか?」
「ええ」
「あなたのドクターはそれについて何て言ってます?」
「ドクターはもう死んでます」
「男性とネコ」
女性がネコを好む理由が分からない。
ネコは気ままで、人の言うことをきかない。呼んでもそばに来ないし、
夜遅くまで外にいるのを好む。家にいると構われるのを嫌い、
寝てばかりいる。
言い換えれば、男性の嫌なところを、ネコでは好むのである。
春風亭小朝の噺、金子成人作「元禄女太陽伝」(げんろく_おんなたいようでん)によると。
名前をお熊、上州高崎の在、5人兄弟の末っ子、家が貧乏なで口減らしの為、高崎の宿に奉公に出されていた。
江戸からの風聞によれば、吉原と言う所があって、おもしろおかしく暮らせて、着るもの食べるものに不自由しないと聞き取った。
お熊さん転職を考え、どうしても吉原に行きたくなった。
当時は直接行けないので、女衒(ぜげん)に頼んだが、女衒も手を引きたいようなお熊さんだった。
炊事洗濯何でも出来るし、その間にお女郎さんをやらせてくれればいい、その上給金無しで良いとの提示で渋々吉原へ。
吉原の伏見一丁目栄澄楼の主人が喜んで引き取った。
左右が繋がった眉を真ん中で分断、名前を小春と付けて見世に出て2年。
頃は元禄の15年12月。
3人の男が大門に向かって歩いていた。
若侍が「男に生まれているので、これ以上男にならなくても良い」と、気が進まないのを2人が説き伏せて、これも討ち入りの稽古だという。
「本所松坂町にも頑強な門があり、ここ吉原でも大門を入らなくてはならない。
対する女性を組臥して初めて男でござる」、何か丸め込まれたようだ。
侍では困るので、幼少松之丞(まつのじょう)様と言われたので、下谷車坂町の松吉という町人になって登楼する事になった。
小春に声が掛かり、「若くて、いい男で、侍ではなさそうだし、女は初めて」だという。二つ返事で部屋に行くと、いい男が待っていた。
松吉だと紹介された「松っぁんと言えば松の廊下、そこでの刃傷事件、その結果仇討ちはあるだろうと話していたが、無いところをみると諦めたんだろうね。」
ムキになって否定する松っぁん。
「あんた、初めてなんだってね。大丈夫よ」、「かたじけない」。
この言葉で侍だとばれてしまった。が、目出度く同衾。
この松っぁんは、大石内蔵助(くらのすけ)の息子主税(ちから)であった。
翌朝、「また来てね」、
「もうこられないのです」、
「なんか気になる事があった。この眉でしょう。朝になると繋がっている事があるの」、「そんな事ではなく、西方にまいります」、
「縁起の悪い事言わないで。そう、夜の事で心配しているの、大丈夫よ、ちゃんと男にしてあげたから」。
それから、2日後、世話をしてくれた女衒が、いざこざからドスで刺されて亡くなった。吉原の遊女は門外に出られないが、小春は別格。
自分の意志で吉原に来たのだし、たとえ戻らなくても良いという待遇だったので、世話をしてくれた恩人だった女衒の通夜に出た。
翌朝は一面の雪。吉原に帰ろうと永代橋にさしかかると、大勢の人だかり。赤穂浪士の討ち入りだと分かった。
その中に松っぁんを見付けてエリの文字を読んだ「赤穂浪士、大石主税(しゅぜい)、ム?、税務署の人だったんだ」、
「主税は”ちから”と読むんだよ。大石内蔵助の息子主税だよ」。
大声で声を掛けた「松っぁん、敵討ちが出来て良かったね。こないだの晩も良かったよ。また来てね」。
顔を紅らめて通る主税であった。
とって返して、吉原の瓦版屋に飛び込み早刷を江戸中に配った。
『大石内蔵助の息子主税を男にしたのは、伏見一丁目栄澄楼の小春です』、もらった江戸っ子連中は我先に小春の元に押し寄せた。
運良く逢えた客は「えぇ、お前が小春?触らなくても良い。でもお前は運が良い女だな。まるで鬼の首を取ったみたいだな」、
「いいえ、取ったのは吉良の首」。
「結婚して第一番に家内がしたことは、私の秘書をクビにしたことです」
と若い経営者が言った。
「え、どういうことだね?きみの奥さんももと秘書をやってたんじゃなかったかね?」
「ええ、だからなんです」
志ん生の「びんぼう自慢」からナメクジ長屋
当時志ん生は柳家東三楼(とうざぶろう)と言って、金語楼とは兄弟弟子であった。預かった着物をまげて(入質)、師匠の三語楼には出入り出来なかったが、金語楼に頼んで寄席に出られるようになった。志ん生34歳で関東大震災の直後であった。
笹塚で一生懸命つとめていると、それから間もなくでしたよ。浅草の立花館てえ寄席の楽屋で、ョイショ(太鼓持ち)をやっている男が、
「店賃のいらねえ家があるんだが、誰かかりる人ァいませんかね」
と、わきの人に話をしている。タダの家なんて耳寄りな話ですから、
「えェ、そりゃァ、一体、どこだい?」
とわたしがきくと、
「本所の業平ですよ。電車の停留所はすぐ近いし、いま入ってくれりゃァ、家賃は本当にタダだって、大家ァいってますよ」
「大方、半分かしいだ、化けもの屋敷と違うかい」
「冗談じゃァありませんよ。長屋だが、六畳と二畳で、家ァ出来たてのホヤホヤですよ。ウソだと思ったら、案内してあげますから、見にいらっしゃいよ」
半信半疑で出かけましたよ。本当にそんなところがありゃァ、道端にダイヤモンドが落っこちていて、 ひろって来てもお巡りさんにつかまらねのと同じですから、その足でついて行ったんです。
するとどうです。まだ真新しい長屋がズーッと三十軒ばかりならんでいて、全部空家だが、電気も水道もある、たしかに六畳と二畳です。表通りの角の帽子屋さんが家主てえからのぞいてみると、おやじさんがいて、
「あんた、はなし家さんならちょうどいいや、いまなら家賃はおろか、敷金もいりませんから、ぜひ入ってください。そうして、大いに宣伝していただいて、長屋が一ぱいになれば、あたしんとこはもとが取れますから、こっちから、お願いしますよ」
てえから、こんなにありがてえ話はない。幸せを絵に描いたようなものですよ。
「それじゃア、お言葉に甘えて、あしたにでも引ッ越して参ります」
てんで、すぐきめてしまった。
笹塚での生活てえのは足かけ五年ほどですが、前にも申しあげたように、あっちこっちを四回もかわって歩いて、どこも家賃を払ったことがない。本当は、どこの家も六円か七円ぐらいの家賃なんだが、 払ったことがないから、いくらでも同じことです。
家賃が払えないくらいだから、米屋だの、酒屋だの、借りっ放しです。朝晩、大家と顔ォ合わすのがつらくってしょうかないから、うっかり水なんぞくみに行けないですよ。夜中にこっそり、かかァと二人で表の井戸へくみにゆくてえ始末です。
引っ越すのは、おあつらえだが、引っ越すについては、いくらかとなり近所へあいさつしなけりやァならないからゼニがいる。そのゼニがないんだから、逃げ出すよりしようがない。そこで、夜逃げをすることにきめたんだが、荷車ァかりるのにマゴマゴしていて、朝逃げになっちゃった。
荷物といったって、布団に風呂敷包みと、それに箱が二つ三つぐらいのものだから、何もありゃァしません。その上に喜美子ォのせて、前をあたしが引っぱる。かかァは清をおぶって、うしろから押す。美津子は、もうそろそろ学校へ上がろうてえ年だから、歩いてついてくるてえ道中です。
四谷あたりまで来るまでは、あとを迫っかけられてるんじゃァねえかと、そりゃァ心配でしたよ。よく、途中で、お巡りさんに声かけられなかったもんですよ。
業平へついたのは、もう昼もとっくにすぎた時間で、何しろ、九月の、まだ暑いさかりで、いやァ、ひや汗と両方で汗一ぱいでした。荷車は、友達があとから取りに来てくれましたよ。
「あとをたのんだよ」
てんで、あたしは、その晩、すぐ浅草の金車亭へ商売ェに出かけて行ったが、夜になって帰ってみる と、おどろきましたね。あたしんとこ一軒だけが灯が点ってるから、蚊の野郎が、そこんとこにだけ集まって、運動会をやってやがる。
「おう、いま、けえったよ・・・」
っていおうと思ったら、途端に蚊が二、三十も口の中へとび込んで来やがって、モノがいえやしない。 かかァなんぞ、破れ蚊帳の中で、腰巻一つになって、ベタンとすわってやがる。
二、三日たって、大雨が降ったら、こりゃアひどいですよ。泥がつまってるとみえて、ドブ板が浮き上がって、水が家ん中まで、「こんちわ」もいわないで入って来る。
業平ってえと、在原業平かなんか思い出して、知らないかたは、ちょいとイキなところだろうと思うでしょうが、とんでもない。もともと、池か沼だったところが、関東大震災のときからゴミすて場になった。そういうところを、そのままほォっておいては、衛生上よくないてんで、上に土をバラパラとまいて、バタバタと長屋ァおッ建てたんですな。排水だの、衛生だの、そんなこたァ一向にかまわないから、モノのわかった人は、見ただけで借りやしない。
住むつもりでやって来た人もあるが、二、三日住んでみて、いのちあっての物だねとばかり、すぐどっかへ行っちまう。そこで、まず家賃をタダてえことにして、カモをおびき寄せる。一軒住めば、あとは順々に埋まるだろうてえ家主の心づもりだったんですよ。
なんのこたァない、あたしがそのオトリみたいなことになったんですな。そういえば、注意してみると、はじめっから柱の下のところには、シミが一ぱいありましたよ。
あたしのあとから入った人は、タダじゃァありません。六円ばかり家賃がついている。
なるほど、これじゃァ、あたしんとこだって、タダでなきゃァ、二、三日で逃げ出したかもしれません。
東武鉄道に業平橋てえ駅があるでしょう。都電の通りにも業平橋てえ停留所があります。あの、都電の大通りから、ちょいと南のほうへ入った通りの、すぐ裏手ですから、地の利としちゃァ、そう悪かァない。
傘ァさしちゃァ通れないような路地ィ入ると、三軒長屋が六棟、四軒長屋が二諌、肩ァすぼめてならんでいる。あたしんとこは、手前から二側目の、四軒長屋の二軒目てえことになる。
台所と玄関と兼用の土間があって、となりが二畳で、奥が六畳、その向こうに廊下があって便所があって、たったこれだけの間取りです。となり近所、全部同じなんです。
そのうちにだんだん人が入ってくる。こんなところへ来る人てえのは、だいたい、生活が似ているか ら、気が合って、すぐ仲よしになる。あたしんとこの右どなりは、ビールの口金をくりぬく人、左とな りは時計の腕皮屋さんです。お向かいはてえと、お膳をつくる職人と、一銭コロッケ屋と、大工と左官がならんでいる。ほかに紙芝居屋だの、下駄の歯入れ屋だの、そういう人たちでした。
みんな気分がよくって、わるい野郎なんぞ一人もいない。
小学校もすぐ近くにあるから、美津子もそこへ上がりました。
あの辺はほんとうに蚊が多いとこですが、あたしの住んだところは、まして、そんな.ジメジメしたところだから、いるなんてえ生やさしいものではない。夜が忙しいから、ひる間はてえと、天井なんぞにはりついて休んでやがる。まっ黒に見えるほどいるんですよ。だから、蚊帳てえものは、いのちの次ぎぐらいに大事です。寝るときなんぞ、布団なんかなくたって、蚊帳だけあればいいてえぐらいのものであります。
あたしのとこも、笹塚から持って来た蚊帳ァあるにはあるが、もともと安物で、色なんぞすっかりあせている。そこへ子供が踏みぬいたり、あたしがトラになって帰って来て、乱暴にあつかうもんだから、 ところどころ破けている。そこを、かかァがツギをあててごまかすんだが、布がマチマチだから、花色木綿がはりついていたり、中にやァ赤ん坊のおむつのお古がくっついていたりする。
いるのは蚊ばかりかと思うとそうじゃァない、蝿がいて、なめくじがいて、油虫がいて、ネズミがいるってんですから、人間のほうがついでに住んでいるくらいのものであります。
地面か低くって、年じゅうジメジメしていて、おまけに食いものがあるてえことになると、なめくじにとっちゃァ、この世の天国みてえなところとみえて、いやァいましたねえ。虫の中の大看板はこいつです。
出るの出ねえのなんて、そんな生やさしいものじゃアありません。なにしろ、家ん中の壁なんてえものは、なめくじが這って歩いたあとが、銀色に光りかがやいている。今ならなんですよ、そっくりあの壁、切りとって、額ぶちへ入れて、美術の展覧会にでも出せば、それこそ一等当選まちがいなしてえことになるだろうと思うくらい、きれいでしたよ。
かかァが蚊帳の中で、腰巻一つで、赤ん坊ォおぶって、仕立物かなんかの内職をしていると、足の裏のかかとのところが痛くなったから、ハッとふりかえると、大きななめくじの野郎が吸いついてやがる。 なめくじがこんな助平なもんだとは、あたしゃァそれまで知らなかった。
なめくじといったって、そこいらにいるような可愛らしいのじゃァない。五寸(15cm)くらいもあって、背中に黒い筋かなんかはしっているのが、ふんぞりかえって歩いている。きっと、なめくじの中でも親分衆かいい兄ィ分なんでしょうねえ。
もうそんな奴になると、塩なんぞふりかけたってビクともしやしない、キりで突いたっててんでこたえない。血も出やしない。血も涙もねえ野郎ってえのは、きっとあァいう奴のことをいうんでしょう。 しようがねえから、そんなのを、毎朝、十能にしゃくっては、近くの溝川(どぶがわ)へ捨てに行くんだが、出てくる奴のほうが多いから、人間さまのほうがくたびれちまう。
夜なんぞ、ピシッピシッと鳴くんですよ。奴さんにすれば、歌でも歌ってるつもりだろうが、あいつは薄ッ気昧のわるいもんでしたよ。
なめくじは、別にあたしの家ばかりじゃあない。長屋じゅう同じなんですよ。一つしかない水道の回りに朝なんぞみんな集まっては、
「ひょっとすると、東京のなめくじが、みんなウチの長屋へ集まって来てんじゃないかねえ」
なんて話をしている。
そういう具合でありますから、長屋の中には秘密なんてえものがない。なんでもかんでも素通しです。仲がいいんですよ。
醤油を切らしたといえば、となりがかしてくれる。お荼がないといえば、向かいの人がかしてくれる。となりが魚のアラを買ってくると、こっちから大根を出して煮て、そいつをわけ合ってたべるてえ具合で、お互いに都合しあって暮らしている。
誰か体の具合でもわるいてえと、まわりのおかみさん連がドヤドヤッとやって来て、くすり屋へ走ってくれる。湯タンポをもって来てくれる。長屋のすぐ裏手が製氷会社だから、そこへかけ合って、氷を 一貫目ばかり持って来てくれるってんで、そりゃァ人情てえものがありましたよ。
だから、みんな、長屋じゅうが一軒の家みたいでしたよ。夫婦喧嘩も、子供のいたずらも、どこの家へ客が来たなんてえことも、すぐにわかってしまう。
人の心のふれ合いてえものは、暮らしのよしあしとは違いますねえ。お互いが理解し合って、助け合て、一緒になって笑ったり、泣いたりする。あたしなんぞ、いまでもあの時分の、なめくじ長屋の生活てえのが、とってもなつかしく思い出されてきます。
後年、息子の志ん朝は「親父はけっして貧乏でなかった。好きな事をして遊び歩いていた。貧乏だったのは母親と私たちだった」と、述懐していました。 志ん生自身も笹塚とここ業平の事は後になっても、細かい事はあまり語りたがらなかった。
殺し屋なのに
腕利きの殺し屋は、ある男を殺すよう依頼を受けました。
殺し屋は、まず男の生活パターンを調べました。
すると、朝はぴったり7時に起床、7時半からジョギング、8時半出社、19時帰宅というように、時計のように規則正しい生活を送っていました。
殺し屋は思いました。
「これなら楽勝だ。1人になるジョギングのときを狙おう。」
そして決行の日の朝が来ました。
殺し屋は銃を用意してジョギングコースが見渡せる場所にスタンバイしました。
ところが、7時半を過ぎたというのに男はいっこうに現れません。
10分が過ぎ、20分が過ぎ、ついに8時になりましたが男は現れません。
殺し屋はつぶやきました。
「ヤツの身に何事もなければいいが・・・」
マーフィーを探せ
イギリスMI6の諜報部員がアイルランド潜入中に連絡を絶ちました。
彼の消息を追うべく最優秀の諜報部員がキャップのデスクに呼ばれました。
キャップは言いました。
「マーフィーは変幻自在に姿を変える。」
「だから姿かたちでは決して見つけることは出来ない。」
諜報部員は尋ねます。
「それでは、どうやって彼を捜せばいいんですか?」
キャップは答えます。
「彼は、なぜか本名しか使わない。」
「だからそれらしいマーフィーという名のやつを見つけたら、合言葉を使え。合言葉は・・・」
なんとかアイルランドに潜入した諜報部員は、マーフィーの足取りを追って、小さな町の酒場に入りました。
諜報部員はバーテンにチップを渡しながら言いました。
「ちょっと聞きたいんだが。」
「ここらにマーフィーってやつはいないか?」
バーテンは答えた。
「あぁ、いるとも。」
「向かいのパン屋の親父はマーフィーだ。角の銀行の頭取もマーフィーだよ。」
「そこのテーブルで寝ている酔っぱらいもマーフィーだ。」
「この町はマーフィーが多くてね。何を隠そうこの俺もマーフィーだ。」
諜報部員はがっくりと肩を落としながら、とりあえず目の前のバーテンから合言葉を言ってみることにしました。
「天気予報だとロンドンは霧だろう・・・」
「ああ!」
顔をパッと明るくしたバーテンが言いました。
「あんたの探しているのはスパイのマーフィーだろ?この通りの突き当たりだ。」
頬がこけている男の髭をそる方法
ある床屋で、理容師が男の髭をそっていました。
「お客さん、この玉を頬の内側と歯茎の間に入れてごらんなさいよ。」
引き出しから小さい木製のボールを取り出して言いました。
男が言われたとおりにすると、剃りづらかった頬がきれいに剃れました。
「こりゃいいや。こんなにきれいに剃れたのは初めてだ。ところで親父さん、もしこのボール、間違って飲み込んじまったらどうなるんだ?」
「はは、それなら大丈夫でさ。」
理容師は笑いながら答えました。
「他のお客さんみたいに、次の日に返してくれりゃ結構です。」
カンザスシティーのチーフス・スタジアムで開かれた『ブロンドは馬鹿じゃない』大会には,全世界から8万人ものブロンドが集合した。
「さて皆さん!」司会が叫んだ。「本日私たちは,全世界に『ブロンドは馬鹿じゃない』ことを証明するため,ここに集ったわけです。では,皆さんの中からどなたか一人舞台に上がっていただけますか?」
前列に座っていた一人の若いブロンド娘がおずおずと舞台に上がった。
司会は,ブロンド娘に質問した。
「──15+15はいくつですか?」
ブロンド娘は,1分ほど考えて,自信なさそうに答えた。
「じゅうはち?」
「・・・・」
この答えを聞いた8万人のブロンド達は,一様に失望の表情を見せたが,また気を取り直して,ブロンド娘に声援を送り始めた。
「もう一回!もう一回!もう一回!」
「このスタジアムは,世界中のテレビ局が実況中継をしています。よろしい」司会は,黄金色に輝く群衆を見回した。「彼女にもう一度チャンスを与えたいと思います」
「おおおおおお!!!」群衆は,大きな歓声をあげた。
「──5+5はいくつですか?」
ブロンド娘は,今度はたっぷり5分間は考えた。
「さんじゅう?」
がっかりした8万人のブロンド達は,両手を大きく降りながら,さらに大きな声で声援を送り出した。
「もう一回!もう一回!もう一回!」
「分かりました。皆さん」司会は声を張り上げた。「では,最後にもう一回だけチャンスを与えましょう。もう一回だけですよ」
「──1+1はいくつですか?」
ブロンド娘は,目を閉じて10分間は考えていた。
「に?」
「うォォォォォォォ!!!」
スタジアムは割れんばかりの大騒ぎとなった。8万人のブロンドは弾かれたように立ち上がり,足踏みしながら叫んだ。
「もう一回!もう一回!もう一回!もう一回!もう一回!もう一回!・・・」
ある夫婦は、夫婦の夜の営みを隠語で「タイプライターで手紙を書く」というふうに決めていた。
これならば子供の前でも、夜の営みの希望や可否を口にしやすいからである。
ある日、派手な喧嘩をその夫婦はした。
3日ほど口も訊かない状態が続いたが、夫が折れ、子供に
「ママに『今晩一緒にタイプライターで手紙を書こう』ってパパが言ってる、と伝えてきてくれ」
と頼んだ。
しばらくして子供が妻のいる台所から戻ってきた。
「なんかママ、今晩は忙しいんだって。だから『手でかけ』って」。
ある日、仲のいい三人はおでんを食べました
一人は、「俺が食べる」と言いました
もう一人は、「いや、俺が」と言いました
残りの一人が言いました。「俺が食べる」
「「どうぞどうぞ」」
魔王と神が野球勝負することになった。
「私に勝てるわけないだろう」と神が言った。
「有名選手はみな天国にいるんだから」。
「俺が負けるわけないだろう」と魔王が言った。
「審判はみな地獄にいるんだから」